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*「北緯四十三度の神話」浅倉 卓弥 北緯四十三度に位置する北の街は、いま長い冬のただ中にある。すべてを包み込むように白い雪に覆われた風景。先の見えない吹雪の中を歩めば、どこか異界に運ばれるようでもある。 浅倉卓弥の「北緯四十三度の神話」の主人公は、桜庭菜穂子と和貴子の姉妹。現在姉の菜穂子は大学の研究室に助手として勤務、妹の和貴子は地元ラジオ局でDJをしていた。 このひとつ違いの姉妹は表面的には普通に接しているようでいて、外からは窺い知れない溝のようなものを抱えている。その理由を知るには、いくらか過去に遡ることになる。 東京の大学に進学した和貴子が就職で地元へ戻ってくる。半年後、和貴子が婚約者として家に連れてきたのは、菜穂子もよく知る樫村宏樹だった。 その樫村が事故で亡くなって以来、姉妹の間には深い溝ができる。樫村というひとりの男を軸に、ふたりがそれぞれ抱く想い。長年、互いに触れないように、相手に訊かないように、言わずにいた想いが、降り積もった幾層もの雪の下に覆い隠されるかのように、ふたりの間の冷たい距離となって横たわっていた。 | 1/1PAGES |
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