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*「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎主人公青柳雅春を巡る人々、かつての恋人、大学時代を共に過ごした友人達、元同僚ら、共有される遠い記憶が伏線として随所に散りばめられ、この過去にまで張り巡らされた複数の伏線が見事に現在に結びつき、逃げ手となって仙台を疾走する青柳の追い風となる。 共有される記憶、個人と個人の間に培われた信頼は、一連の逃走劇に重要不可欠な意味を与えている。加えて終章、第五部での胸熱くなるエピソードの連なりへと広がっていくのだ。 2年ぶりの伊坂さんの新作は、とはいえ前作もその前の作品も未読な自分であるが、痛快さを持って面白く、身近にあった人を信じることの熱を帯びた感覚が心優しい作品だった。 首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、巨大な陰謀から逃げ切ることができるのか? *「死神の精度」 伊坂幸太郎CDショップの片隅で、熱心に“ミュージック”の試聴をしている人がいたら、それはもしかすると千葉さんかもしれない。千葉さん。ごくごくありふれた苗字を持つ彼は、調査対象の生死に対して、「可」あるいは「見送り」の報告をするためにこの世に派遣された死神なのだった。ミュージックを愛する死神と人間が織り成す6つの物語。 *「アヒルと鴨のコインロッカー」大学生活を前に、引っ越し先のアパートの隣人川崎から、椎名は本屋襲撃の手伝いを頼まれる。目的は一冊の広辞苑。 隣人からのなんとも奇妙な申し出に戸惑う椎名。そこには二年前から続くある物語が隠されていた。ふとしたきっかけから物語に迷い込んだ椎名は、かくしてモデルガンを手に本屋の裏口に立つのだった。 *「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎あとがきによると当初は、四人の銀行強盗を中心に、毎回主人公を変えて短篇を書く予定で進んでいたらしい。四つほど書いた後で構想が変わり、すでに書いた短篇四つを第一章に組み込む形で、今回の長編が出来上がったということだ。 続編なので前作から順番に読むことをお勧めする。前作から読まないと絶対駄目、とは言えないという作者に代わって私から言おう。 絶対駄目! なんでここで私が代わりに言うのだ。これじゃあまるで響野じゃないの。 ここで顔に“?”マークが付いた人は、前作を読んでいないか忘れてしまっているはずなので、まずは『陽気なギャングが地球を回す』を読みましょう。 *「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂 幸太郎伊坂 幸太郎 嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。他より抜きん出た才能を持つ四人が偶然によって出会い、特異な才能をひとつにして目指した場所は銀行。彼らが銀行へ向った訳はとは。 人が銀行に行く目的ってなんだろう。預金をする。ある。預金を引き下ろす。ある。支払いのための振込み。ある。人によっては融資目的で銀行を訪れることがあるだろう。しかし、どれも彼らの目的とは違う。ではなぜ銀行へ行かなければならないのか。 彼らの答えは単純明快、銀行強盗をするために。 利用目的としてはもっとも極小の理由、だが彼らには最大の理由だった。 数々の銀行強盗を成功させてきた四人に、今回ばかりは思わぬ事態が発生。さらに仲間のひとりが不穏な動きをみせ、訪ねていった先では死体に出くわす。こういう話にはつきものの常套句だけど、向える意外な結末とは。最後に笑うのは、いや、驚くのは誰か。 | 1/1PAGES |
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