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*「エトルリアの微笑み」 ホセ・ルイス・サンペドロエトルリアの微笑み ホセ・ルイス・サンペドロ 日本放送出版協会 (2007/10) 単行本: 429ページ 海外の作品を読むことが最近なかったので、たまになにか読んでみたいなと思っていたところ、出会ったのがこの本。 まず装丁に引き付けられた。屋根の上に家を守るように羊が寝そべっている。実は最初羊とわからなかったことは置いておくとして(笑)、本を読んでみると、ここに描かれるのは他のなにものでもなく、羊でなくては駄目なんだと頷ける。装画は久保貴之さんの版画で、この方は調べてみると他にも羊をモチーフとした作品がある。だから表紙の版画も本書のために創作された作品ではないのかもしれないが、物語を包み込むにはなんてぴったりなんだろう。 さあ、表紙にいつまでも拘っていないで先へ進もう。 頑固で、無口で、昔気質の老人。 本の帯に書かれた一文に目が止まる。 (やっぱり先へは進めない) 田舎に住む年老いた親が、都会に住む息子夫婦に引き取らる。となれば慣れない環境に戸惑を覚えて、とか遠い外国の話というより身近にもありそうな話だ。でも、ひとつ気になる。主人公の老人が最期に望んだことってなんだろう。それもたったひとつのことって。もしも自分なら最期になにを望むだろうと、そんなことまで想像してみて、この本は生涯読む限られた本の中の1冊として我が家にやってきたのだ。 *「一日江戸人」 杉浦日向子一日江戸人 杉浦 日向子 日本に限らず歴史物を読むのは好きなほうだと思っている。 たとえそれが架空の物語、トールキンの『指輪物語』に描かれる中つ国のことであろうと、銀河帝国と自由惑星同盟との攻防を描く田中芳樹の傑作SF小説『銀河英雄伝説』であろうと構わない。 人がいる。ひとつの時代がある。時代に必要とされその人が生れ落ちるのか、人が流れをつくり時代を築くのか。 遺跡や古文書、ひとかけらの遺物から、人々の息遣いを知ることこそが楽しい。遺物や継承され続ける文化風習は当時の人々の喜怒哀楽が生み出した産物であり、暮らしぶりを偲ばせるよすがとなる。そこに人が生きた温もりを感じる。モノ自体よりその向こうにいたであろう人々の生活、何を思って生きたのかを知りたいと思う。 結局のところ歴史への興味は自分の中で人への興味なのだ。 *「サマータイム」 佐藤多佳子*「風流江戸雀」 杉浦日向子風流江戸雀 畠中恵のしゃばけシリーズ、米村圭伍の退屈姫君シリーズと、江戸を舞台とする時代小説を読むことが多くなった。前々からたぶん江戸時代は面白そうだと薄々感じてはいた。 長い安寧の日々を土壌として、庶民文化に、芸能に芳醇な花満ちた時代である江戸。 ただ実際のところ江戸の暮らしはよく知らない。長崎屋の若だんなや退屈姫君のめだか姫が暮らした当時の江戸には、庶民のどんな息遣いがあったのだろう。ちょっとお江戸のことが知りたいものだ。江戸といえば杉浦日向子。 本書は1988年文春漫画賞受賞作品。 *「黄色い目の魚」佐藤多佳子黄色い目の魚 佐藤 多佳子 線を引く。一本の線。真っ白い世界に何かが生まれようとしている。線を引く。連続して。輪郭を取り、線と線で埋められた空間に陰影ができる。確信を持って引いた線が、消えない傷のようであったり。意味あることとして大切な一本があったり。踊るように飛び跳ねていたり。白い世界に佇む、まだ出来上がっていない自分。 湘南の海が広がる海辺の高校で出合った二人は、絵を通して繋がり、やがて絵の向こうにいる相手に向き合っていく。恋とも違う、だけど強く真っ直ぐな感情の向うところ、視線の先には気がつけばみのりがいて悟がいる。感じるままにピュアに走り続ける16歳の二人を描く青春小説。 いつも心楽しく本の感想を読ませて頂いている信兵衛さんの信兵衛の読書手帖で見つけた一冊。 *「流星ワゴン」流星ワゴン 重松 清 死んじゃってもいいかなぁ、もう。 なーんかもう、疲れちゃってさあ、ぼく、もうヤなんだよね……。 38歳のある夜、そんな思いを抱いて駅のロータリーに佇む主人公一雄は、橋本さん親子のワゴンに拾われる。 この時から、5年前に交通事故死した橋本さん親子との、時間を越えた不思議なドライブが始まる。 | 1/1PAGES |
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