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*「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信《古典部シリーズ》、《小市民シリーズ》といった日常にある謎を解くのとはまったく趣向が異なるこのブラックな風味、嫌いじゃない。 いつもは始めになんとはなしにパラ見するのだけど(内容を読むのではなく項を埋める文章の視覚的感覚を確認するために)、帯にある「ラスト一行の衝撃」が万が一にも損なわれるのを惜しんで、真面目に一頁の一行目から順を追って読んだ。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。 *「遠まわりする雛」 米澤穂信大好きなシリーズなので心ウキウキと読み始める。やっぱり米澤さん面白いな〜 血を流さない。殺人が起こらない。高校生の主人公たちが学校生活を過ごす中で遭遇する様々な出来事に謎と事件ありきだ。今回は入学の4月から翌年の3月まで、前3作で描かれなかった時間の隙間を埋めるような7つの短篇が並ぶ。 神山高校で噂される階段話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件ーーー *クドリャフカの順番「十文字」事件 米澤穂信“2 限りなく積まれた例のあれ” あれって、あれですよ、古典部伝統の文集『氷菓』のこと。それがなに、限りなく積まれた?ということは…、折木奉太郎、千反田える、伊原摩耶花、福部里志の4人は、文集完売を目指して文化祭中奮闘することになるのだが、そこへもってきて謎の盗難事件が連続する。 犯行現場に残されるメッセージに記された「十文字」とは、何を意味するのか。犯人の名前か、それとも。文集は完売するのか。事件は解決するのか。 ほろ苦さを残す青春ミステリー。 *「愚者のエンドロール」 米澤穂信ホータロー達は千反田えるの誘いによって、一本の映画ビデオを観ることになるのだが、ミステリー仕立てのその映画は完結を向えないまま、途中でプツリと終わっていた。脚本家の女生徒は、心労から続きを書けない状態にあるという。 どんな解決編が用意されていたのか。謎を残したまま時間の止まっているビデオ。上級生クラスの生徒達が作ろうとしていた映画の結末を探るべく、『探偵役』を引き受けることになった古典部員達。 映画は無事エンドロールを流すことかできるのか。 *「氷菓」 米澤穂信スニーカー文庫版の表紙とタイトルのイメージから、爽やかな青春ミステリー系を想像していたが少し違った。自分が買ったのは角川文庫の新装版。 何事にも積極的に関わらない、『省エネ』をもっとうとしている折木奉太郎。姉からの強引ともいえる命令で廃部寸前の古典部に入部することになる。部員がいないはずの古典部だったが、好奇心旺盛な名家のお嬢様千反田える、ホータローの友達福部里志、小中と同じクラスだった毒舌な伊原摩耶花といった面々が集まり、学校生活の中で起こるミステリーを解決していくという話。 *「夏期限定トロピカルパフェ事件」 米澤穂信「小市民」を目指し、平穏に高校生活を過ごす小鳩くんと小佐内さんが向えた2年生の夏休み。米澤穂信のシリーズ第二弾。 夏休みの初日、家までやってきた小佐内さんから手渡されたのは一枚の地図。そこには街中の甘味処の場所が記されていた。 さらにもう一枚。 <小佐内スイーツ・セレクション・夏> *「春期限定いちごタルト事件」 米澤穂信<アリス>の春期限定いちごタルトが、小佐内さんにとってその年のその春しか食べることのできない、だからこそ特別なタルトであったように、小鳩くんと小佐内さんふたりにとっての高校一年生の春もまた、二度と味わうことのできない春期限定期間でもあるということか。 | 1/1PAGES |
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