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*「東京奇譚集」 村上春樹ここ最近読んでいる本はみな図書館から借りたものだ。予約して借りることをせず、行ってみて読みたい本がみつかったら借りてくる。新刊本や人気の作家の本はなかなか借りられない。そういった本はどのみち予約件数がかなりの数で読めるのはずっと先になるだろう。1年か2年くらい前に新刊本として並んでいた本なら、タイミングさえ合えばけっこう書棚に並んでいたりする。それは偶然なんだろうけど、まるで待っていてくれたかのように、読みたかった本がいるとすごく嬉しい。この本も図書館で待っていてくれた、と思う。 奇譚(きたん)とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語――。話題の四作品に、書き下ろし『品川猿』を加えた、村上春樹待望の最新作品集刊行! *「ふしぎな図書館」 村上春樹ふしぎな図書館 村上 春樹 『トレフル』の1982年6〜11月号に連載された「図書館奇譚」を改題改稿。「図書館奇譚」は掌編集『カンガルー日和』に収録されている。 ちょうど片手にのってしまうほど小ぶりな大きさ。箱入りケースに収められた本は、濃いオレンジ色をしている。これがこんがり揚がったドーナツを想像させて、本なのに美味しそうに見える。(最近かなり重症なドーナツ病であるかもしれない)クッションが入っているのか、ふかふかした手触りなのも面白い。 表紙、文中のイラストはともに佐々木マキさん。 村上春樹作品にはお馴染の羊男も出てくる。羊男の作る美味しそうなドーナツが食べたいなぁ。とはいえ、たとえドーナツの匂いに誘惑されようとも、地下室に行くのだけはごめんである。脳髄をジュルジュルはよして〜、とこれは美味しいドーナツとは逆に、なんて不味いことだろう。恐ろしきかな。 不運な状況に陥ってしまった主人公は、図書館の地下から脱出できるのか。 図書館を利用することも多い現在。図書館に行けなくなると困るので、ふしぎな図書館はいりません。普通の図書館がよいです。 本の結末はどうなんだろう。良きこともあり、悲しきこともありで、寂しく、不思議な感覚に取り残されて終わる。 地下室に閉じ込められてはいないけど、本が読みたい、本が読みたい、本が欲しい、と活字の迷路を彷徨っていることを考えてみると、そう違わないか。いやいや、読みたい本を読める自由だけは確保されている。新しい本を手にする時の幸せに浮かれつつ、今日も楽しく本を購入してきた♪ (2007年4月1日読了) *「スプートニクの恋人」 村上春樹スプートニクの恋人 村上 春樹 宇宙の暗闇にぽっかりまあるい地球が浮んでいる。衛星スプートニク2号に乗せられたライカ犬は、どんな思いで地球を見ただろうか。深閑とした宇宙の静寂を、孤独と不安を乗せて地球を周回する衛星は、あまりに寂寥として哀しい気持ちになる。 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―― そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!! 職業的作家を目指すすみれと、彼女が恋に落ちた「ミュウ」という愛称で呼ばれる年上の女性との成り行きを、ぼくの視点から物語っていく話だ。 もともとぼくとすみれは同じ大学の先輩と後輩にあたる。ふたりに共通するのはともに熱心に小説を読む人間であったということ。ぼくはすみれに恋をしていた。それでいてふたりの距離は、あくまでも「友だち」という位置を維持し続けている。 同じ軌道上をいくふたりに起きた変化、というより片方だけが変わっていったのだが、それはすみれが恋をしたことだった。 *「アフターダーク」 村上春樹アフターダーク 村上 春樹 時計の針は深夜零時少し前を指している。章が変わるごとにアナログ時計の針は闇に深く分け入り、闇を貫いて始まりの時へと刻々と針を進めていく。 “真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。” 深夜零時から明け方までの7時間あまりを、夜が持つ静寂さに満ちた文章で描いている。 *「神の子どもたちはみな踊る」 村上春樹神の子どもたちはみな踊る 1995年1月に起きた阪神・淡路大震災後の2月。この2月という限定された時間的フィールド上に、6つの短編が並ぶ。 登場人物の中に震災に見舞われた当事者はいない。 短編集のひとつ目の作品、「UFOが釧路に降りる」の主人公小村の妻に目を向けてみよう。 五日のあいだ彼女は、すべての時間をテレビの前で過ごした。 五日後、もう二度と戻ってくることはないという一通の手紙を残して、妻は小村の前から姿を消す。 | 1/1PAGES |
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