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*「チェーン・ポイズン」 本多孝好最後、真相の一撃で、鮮やかに風景が一変する。唖然としたまま物語を遡って考えると、絶妙に伏線が配置されていることに気づくのだ。ああ、だからなのか。そういうことだったんだ。驚きと納得を繰り返す。 あと1年。死ぬ日を待ち続ける。 *「MOMENT」 本多孝好「死ぬまさにその瞬間、自分は何を思い浮かべると思う?」 病院で清掃のアルバイトをしている「僕」にそう問い掛けてきたのは、特別室の入院患者有馬だった。 「僕」は大学4年生、将来の進路について方向を決めかねている頃でもあった。 自分が死ぬ時に何を想うのか。 何を想うだろう。日々煩雑な思いに囚われて明日の見えない生を生きているのだ、いつ訪れるかわからない死は、闇の中に手を差し伸べるのに等しい感覚だ。闇を掴もうとしても、手の内に残るのは漠とした不安感でしかない。 *「MISSING」 本多孝好本多 孝好 濾過され、不純物を取り除いた言葉が並んでいる。 明瞭な輪郭をもった文章、澱みない流れのリズムを心地良く感じる。止まることのない流れのままに流れていく思考。が、流れゆく視界の隅をふと過ぎるものがある。 何だろうと訝しく思う。 最後にその訳を知る。 知って驚く。 驚きが小さな感情の塊となって、心の内にことりと音を立てて落ちる。ひとつ読み終わる度に、ことりと音立てて落ちるその音を楽しみながら読んだ本多孝好の「NISSING」には、五つの短編が収められている。 眠りの海 祈灯 蝉の証 瑠璃 彼の棲む場所 | 1/1PAGES |
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