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*「ヴァン・ショーをあなたに」 近藤史恵今回もおいしい料理と三舟シェフの名推理に、2倍おいしい1冊に仕上っている。 謎多き三舟シェフのフランス修業時代が読めるのも嬉しいし、無口な普段からは想像できない、かわいい一面も垣間見れるのだ。志村さんが大の猫好きだったり、2作目なので登場人物たちの背景がみえてくるエピソードに、前作よりいっそう親しみも増していく。こんな調子で、これからも続いていって欲しいなと思えるシリーズである。 近所の田上家のスキレットはなぜすぐ錆びるのか?しっかりしたフランス風のパンを売りたいとはりきっていた女性パン職人は、なぜ突然いなくなったのか?ブイヤーベース・ファンの新城さんの正体は?ストラスブールのミリアムおばあちゃんが、夢のようにおいしいヴァン・ショーをつくらなくなってしまったわけは?…… *「凍える島」 近藤 史恵凍える島 (創元推理文庫) 近藤 史恵 文庫: 277ページ 東京創元社 (1999/09) 近藤史恵さんのデビュー作は、クローズ・ド・サークルというミステリーではオーソドックスな手法を用いて、お決まりの連続殺人のみならず、無人島で7日間をともに過ごすことになった、大人の男女の複雑な恋愛心理を巧みに絡ませた作品である。 これは古典的ミステリーなのか。無残で哀しい恋愛小説なのか。 無人島とはこれまた古風な―とは言い条、お得意ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店“北斎屋”の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。数年前には新興宗教の聖地だったという島で、八人の男女が一週間を共にする、しかも波瀾含みのメンバー構成。古式に倣って真夏の弧島に悲劇が幕を開け、ひとり減り、ふたり減り…。由緒正しい主題をモダンに演出する物語はどこへ行く。 第四回鮎川哲也賞受賞作 *「にわか大根―猿若町捕物帳」 近藤 史恵にわか大根―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) 近藤 史恵 文庫: 299ページ 光文社 (2008/3/12) ちょうど時代物が読みたいと思っていたところだった。なんと間のよいことだろう、近藤史恵さんの時代ミステリーが文庫新刊で出ている。というか、近藤さんが時代物も書いていたとは知らなんだ。本書『にわか大根』は<猿若町捕物帖>シリーズ三作目にして初の連作短篇集だそうな。前二作の『巴之丞鹿の子』と『ほおずき地獄』は未読なので、いきなり三作目を読むのはどうなんだ、と少し迷うこところではある。シリーズものは読者として徐々に登場人物たちと馴染みになっていく過程も楽しいのだ。 うだうだと言いつつ結局読むことにする。だって、時代物が読みたいのだ! 男前でもてるのに堅物の同心・玉島千蔭と、お人好しでおっちょこちょいの岡っ引き・八十吉の名コンビが大活躍! *「サクリファイス」 近藤 史恵近藤さんの作品は『タルト・タタンの夢』に続いて2作目。前作はフレンチ、今回は自転車ロードレースである。知らない世界に初めて触れる、踏み出す一歩に高まる緊張感と期待、この瞬間が楽しい。 ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ――。 *「タルト・タタンの夢」 近藤 史恵タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ) 近藤 史恵 東京創元社 (2007/10) 単行本: 212ページ 美味しい話が読みたい。ミステリーを味わえるならばなおのことよし。味付けは軽めでほどよくお願いしたい。こんな我儘な注文にぴったりな、満足のいく1冊だった。 ビストロ・パ・マルは下町の片隅にある小さなフレンチ・レストラン。カウンター7席、テーブル5つ。従業員は店長で料理長の三舟シェフ、同じく料理人の志村、俳句好きのソムリエ金子ゆき、ギャルソンのぼくこと高築智行の4名。 不思議な事件や不可解な出来事の謎を三舟シェフが、絶品の料理を添えて解き明かしていくというお話。 | 1/1PAGES |
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