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*「タイムスリップ森鴎外」

タイムスリップ森鴎外
鯨 統一郎

大正11年(1922年)、毒殺されそうになった森鴎外こと森林太郎は、魔の手から逃げ延びようとするも何ものかに追われ崖から転落。気づいてみるとそこは同じ渋谷道玄坂でも80年後の世界。事情が呑み込めず男達に因縁をつけられている林太郎を救ったのが、渋谷ではその名を知らぬ者がいないという麓麗(ふもとうらら)と友人の三須七海の女子高生コンビだった。
芥川龍之介、太宰治、、昭和初期を彩った文壇の作家達に共通する謎とは。うららに七海、後で加わる図書委員の香葉子やミステリ研究会の小松崎ら4人の高校生達の協力を得て、林太郎はもとの時代へ無事帰ることが出来るのか。

出会った時のうらら達と林太郎のズレた会話が可笑しい。かの文豪森鴎外も現代の女子高生にかかれば、モリリンなんてかわいい呼び名を頂戴することになる。
この物語の面白さは、モリリンが現代社会へのギャップに驚きながらも、適応し変わっていく過程にある。その一生懸命な姿や反応が微笑ましくて、携帯だとかネットだとか、あたりまえになっていることが、モリリンの目を通して逆に新鮮に見えてくる。
自分の本を書店にチェックしに行ったり、評価を気にかけ落ち込んだり喜んだりするモリリンがかわいく思えて、がぜん文豪森鴎外が親しみを持てる存在になった気がする。彼の作品なんて読んだことがあっただろうか。せいぜい『高瀬舟』くらいか。ごめんねモリリン(笑)
それにしてもちょっと適応能力が高過ぎな気がするが。だって現代社会人でも社会の進歩の速度についていけない人ってたくさんいるのになぁ。適応し過ぎてそれはそれで困ったことになっている人もいるけど。

昭和初期の作家達の名前も、現代の有名作家達の名前も数多く登場、文壇話が出てくるのも楽しい趣向だ。
ストーリー自体はとんでもない展開といえば確かにそうなのだけど、とんでもなさ、この莫迦莫迦しいようなはちゃめちゃ加減を楽しめる人なら面白く読めると思う。
梶井基次郎の新たな遺作が『蜜柑』というのも、柑橘系繋がりという、最後にギャクというか落ちをつけてくるあたり、いかにもとんでもミステリーっぽい。本文中にも名前が出ているが、芥川龍之介にも同じ『蜜柑』という短篇がある。この話のラストが印象的で好きな一編だったので、思わずあの時蜜柑が描いた放物線が思い浮かんで、懐かしい記憶が甦った。これだけではない、他の作家の最後の一冊もそれなりに笑いの要素を含んでいるところがミソ。『蜜柑』とか、どうして変てこな遺作が書かれる結果になったか、それは読んでのお楽しみ。

本書はタイムスリップシリーズ第1弾。現在3作目まで出ている。2作目の『タイムスリップ明治維新』も面白そうだ。
| 鯨 統一郎 | 19:25 | comments(2) | trackbacks(2) | | |

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♯ コメント

こんばんわ。過去記事失礼致します。
鯨さんのタイムスリップシリーズ大好きなんです。
特にこの作品は大爆笑でした。
森鴎外が現代になじんでる!って言うのがまずおっかしくって^^
有名な作家達の殺人事件?の推理も面白かったですし。
今は5作まで出ていてまだ3冊目なので、読んでいきたいと思ってます^^
| 苗坊 | 2009/03/19 11:28 PM |
苗坊さん、こんばんは。
過去記事へのTB&コメント大歓迎です。
まだ2作目までしか読んでいませんが、面白いですよね。私も大好きなシリーズです。
しっかり現代に馴染んでましたね、鴎外先生(笑)
過去のミステリーも面白く読みました。
もう5作目も出ているとは。遅れをとりました(急げ〜)
| 雪芽 | 2009/03/22 8:34 PM |

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鯨統一郎について
鯨統一郎鯨 統一郎(くじら とういちろう)は日本の小説家。推理作家、SF作家。覆面作家である。国学院大学文学部国文学科卒。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia- Article- History License:GFDL
| ミステリー館へようこそ | 2007/05/18 11:58 AM |
タイムスリップ森鴎外 鯨統一郎
タイムスリップ森鴎外 (講談社ノベルス) オススメ! 大正11年(1922)、何者かの手によって80年後の渋谷道玄坂に突然タイムスリップさせられた森鴎外こと、森林太郎(モリリン)。 元の世界に帰る方法を探る鴎外は、超ミニスカートの女子高生・麓(ふもと)うらら達
| 苗坊の徒然日記 | 2009/03/19 11:25 PM |
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