本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
ネタバレもあるので未読の方はご注意ください
<< July 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
RECOMMEND

 極北ラプソディ 

  
読んだり観たり
雪芽さんの読書メーター 雪芽の最近読んだ本 雪芽さんの鑑賞メーター 雪芽の最近観たビデオ
読みたい!聴きたい♪
Blog散歩道
今年読んだ本
将棋○名人戦・順位戦●
≡ SPONSORED ≡
<< 「帰ってきた空飛び猫」 | main | ダ・ヴィンチ・コード >>

*スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | | |

*「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂 幸太郎

陽気なギャングが地球を回す
伊坂 幸太郎
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。他より抜きん出た才能を持つ四人が偶然によって出会い、特異な才能をひとつにして目指した場所は銀行。彼らが銀行へ向った訳はとは。
人が銀行に行く目的ってなんだろう。預金をする。ある。預金を引き下ろす。ある。支払いのための振込み。ある。人によっては融資目的で銀行を訪れることがあるだろう。しかし、どれも彼らの目的とは違う。ではなぜ銀行へ行かなければならないのか。

彼らの答えは単純明快、銀行強盗をするために。
利用目的としてはもっとも極小の理由、だが彼らには最大の理由だった。

数々の銀行強盗を成功させてきた四人に、今回ばかりは思わぬ事態が発生。さらに仲間のひとりが不穏な動きをみせ、訪ねていった先では死体に出くわす。こういう話にはつきものの常套句だけど、向える意外な結末とは。最後に笑うのは、いや、驚くのは誰か。
伊坂幸太郎が人気らしいことは知っていた。人気者に対してはブームに乗って熱狂するか、遠巻きにクールを装い眺めるか。どちらがより楽しいかといえば、やっぱり一緒に熱狂するほうが楽しいに違いない。そう思って文庫になったばかりのこの本を買ったのが二月。いまは五月。三ケ月の空白はもったいなかったな。読んでみて伊坂幸太郎は面白い小説を書くと思った。

個性的なカルテット
成瀬、饗野、久遠、雪子、といった登場人物達が魅力的だと感じられたことは大きい。これだけ個性的な四人が集まれば誰かひとりくらいは、合わないなとか、もしくは鼻につく人間がいてもいいようなものだけど、濃厚な個性が嫌味なく受け入れられてしまう。そこは作者の力量なんだろうか。

会話のリズム
澱みない会話の流れとテンポのよさから、全体にスルスルと読めてしまう。だけどこれは逆に要注意なのだ。何気ない会話にもちゃんと伏線が張られている。途中途中にある伏線が、最後にきて鮮やかな形となって飛び込んでくる。作者にやられたと思ったその瞬間が、正直楽しくもあった。

中盤以降はストーリー展開が見えてしまった感もある。意図的に見せているのかもしれないが、たとえ展開が読めても、あちこちでお祝いのクラッカーが弾けているみたいな結末の陽気さに、思わず笑いが零れた。

「あなた方の現実に私たちはほんの少しだけ侵入したのです。」という響野の言葉がある。
どこまでが嘘か誠か、とりとめもない会話が飛び交い、際立った個性と才能を持つ、四人の陽気なギャングが活躍する物語。コミカルで非現実的な世界には、ほんの少しだけシビアな現実が見え隠れしている。作者の視点が現実にリンクする部分、そこも見逃せない。

(2006年5月23日読了)

その後四人はどうしているんだろう。
気になるので続編「陽気なギャングの日常と襲撃」を読書中。
| 伊坂幸太郎 | 22:40 | comments(6) | trackbacks(5) | | |

*スポンサーサイト

| - | 22:40 | - | - | | |

♯ コメント

雪芽さん、どうも!
自分もこれ読みました。ついでに映画も観ました。
ストーリーが云々よりも、とにかくテンポがいいですよねぇ。
ただ、特別な才能が無い自分としては、仲間に入れないんだろうなぁ、と思うとちょいと寂しいかなってネ!

映画のコメントですが、TBします。
| juzji | 2006/05/26 11:05 AM |
juzjiさん、どうもです。
TBとコメントありがとうございました。
この話、テンポよくとんとんとんて進むところが、
ある意味爽快でした。
陽気なギャングの仲間になれないまでも、
なにかこれといった特別な才能があればなぁ。
ないなぁ(笑)
やっぱり地道に、地道さんになっちゃ困るけど、
生きていくしかないようですね。

| 雪芽 | 2006/05/27 1:07 AM |
雪芽さん、こんにちは。
昨日、コメントを書き込もうとおもったら、送信できなかったので、今日コメントさせていただきます。
ぼくも、雪芽さんと同じように、登場人物たちのポンポンと弾むような会話が気に入っています。
気の利いたコメディを見ているようで、あっという間に読み終えてしまいました。
『砂漠』の5人にしろ、この作品の4人にしろ、異質な個性を違和感なく結びつけてしまう伊坂さんの力量に感心します。
続編も是非読んでみたいですね。


| touch3442 | 2006/05/27 12:28 PM |
こんばんは!
touch3422さんは『砂漠』もすでに読まれているんですね。
いいな〜
図書館で借りようと思っても、すごい数の順番待ちなんですよ。
私はこの「陽気なギャング」が初です。
あれだけ饒舌にお喋りしているのに、
会話が煩くならず小気味よくて楽しく読みました。
続編は今日ちょうど読み終わったところです。
やっぱり面白いです、彼ら四人。
| 雪芽 | 2006/05/28 8:31 PM |
雪芽さん、こんばんは(^^)。
TB、いろいろお手数をおかけしてしまってすみません。
もちろん銀行強盗の作戦(?)の面白さもあるんですが、この4人の会話の絶妙なテンポの良さ、これはホントすごいですよね♪
『〜日常と襲撃』の方とコメント&TBが前後してしまいましたが・・・よろしくお願いします。
| 水無月・R | 2008/07/29 11:19 PM |
水無月・Rさん、こんばんは!
伊坂さんの作品は何気ない会話に重要な伏線があったりで、のほほんと読んでいると見逃してしまいます。
のほほんして、後であっ!という展開も悪くないですが。
4人の個性が響き合う軽妙な会話のテンポ、この楽しさをみたび味わいたいものですね。
TBについてはご迷惑お掛けしました。
???でしたよね、きっと^^;
絡まり合うTB、やっと解けてすっきりなりました。
| 雪芽 | 2008/07/31 9:41 PM |

♯ コメントする









コメントをプレビューする?
ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。


♯ この記事のトラックバックURL

♯ トラックバック

【陽気なギャングが地球を回す】
観てきました [:カチンコ:] 『ダ・ヴィンチ・コード』にするか迷ったすえ、昨日の酒もまだ残っている体調とも相談して、頭使わない方にしました。 一人一人の特徴をさらっと紹介していて、わかりやすかった。 でも田中商店をもうちょっと具体的にして欲しか
| じゅずじの旦那 | 2006/05/26 11:05 AM |
『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎著(祥伝社文庫)
人の嘘を見抜く名人、スリ、演説の達人、正確な体内時計を持った女性。この四人がチームを組んで銀行強盗を企てれば、成功率100%。ところが、今回は、逃走途中で、せっかく奪った現金を横取りされる。現金を取り返そうと行動を開始すると、その先には死体が一つ…。
| 生きることにも心急き、感ずることも急がるる… | 2006/05/26 12:19 PM |
「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂幸太郎
「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂幸太郎  お薦め度:☆☆☆☆ 2006年4月25日読了 
| 仙丈亭日乘 | 2006/06/08 6:37 AM |
『陽気なギャングが地球を回す』/伊坂幸太郎 ○
伊坂幸太郎さんで「銀行強盗」と言えば、『チルドレン』を思い出しますねぇ。あの話の主人公は人質側でしたけど。(←水無月・Rは、作品発表順に読んでないのです・・・) 今回『陽気なギャングが地球を回す』は、映画化されましたよね、確か。
| 蒼のほとりで書に溺れ。 | 2008/07/29 11:14 PM |
伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)伊坂 幸太郎祥伝社 今回は、伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』を紹介します。4人の銀行強盗が銀行を襲ってお金を奪うことに成功したが、同じ逃走中の現金輸送車襲撃犯に襲われたという。その後、4人の現行強盗はそれを
| itchy1976の日記 | 2010/11/19 7:22 PM |
ABOUT
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
TRACKBACK
ありがとうございます
COMMENTS
ありがとうございます
LINKS
MOBILE
qrcode
OTHERS