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*「一千一秒の日々」 島本理生

一千一秒の日々
島本 理生
大学生の男女を主人公に、生真面目で不器用な恋模様を描いた連作短篇集。

ある短篇では主人公であった登場人物が、別の短篇では脇として出てきたりして、短篇ごとに舞台上にいる人物のひとりにスポットライトがあたり、他の役者は物語の背景へと存在を薄くする。
あるのは頑ななまでの生真面目さ、互いの身体をなぞりながらももどかしく、脆く傷つき想いは揺れる。不器用に手探りしながら歩いていこうとしている姿は、遠い日の痛みを思い起こさせる。
彼らがそっと見上げる月とか、自分や相手を見る目線とか、行間には淡い感情が漂い、空間を満たしていく。濃密というのではなく、心もとなく、けれど優しい気配を感じさせて。作者のこの何気ない日常と、そこにある微細な心情の描写がけっこう好きなのだ。

『ナラタージュ』では激しくせつない恋の感情を描いてみせたけれど、この短篇が描く恋は作者の等身大という気がする。ひとつひとつ年を重ねていくことで、持つ淡い透明性がどのように変わっていくのか、私にとっては過程にあることを見守りたく、先を楽しみしたい作者といえる。

ここに出てくる男達は、危うく男の子達と言ってしまいたくなるが(笑)、好もしくいい雰囲気だと思った。押しの強い遠山君にしても嫌味がない。
とくに好きな短篇は大柄な鉢谷君が主人公の「青い夜、緑のフェンス」と、生真面目な加藤君の出てくる「「屋根裏から海へ」、「新しい旅の終わりに」の3編だった。

7つある短篇の最後だけタイトルのページが違っていて、何かの趣向かと思ったら、これだけ掲載された雑誌が違っていた。黒に近いグレーに白ヌキの文字で「夏めく日」とあったから、夏の晴天に浮ぶ白い雲を想像したのだけど、おおいなる勘違いだった。なんだ〜、そうか(がっくし)

(2006年5月29日読了)
| 島本理生 | 23:55 | comments(10) | trackbacks(4) | | |

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♯ コメント

雪芽さん、こんにちわ。
私もここに出てくる男の子たち、好ましく思いました。
こういう男の子を、こんなふうに描いてくれたのもなんだかうれしかったです。

それにしても「夏めく日」は、私もがっくりしました。
正直いってなくてもよかったかな・・と。
| june | 2006/05/30 12:53 PM |
juneさん、こんばんは〜
コメントありがとうございます。

今回の島本さんの短篇集は漫画の絵的には
吉田秋生かなって思いながら読んでました。

最後の短篇は無理に入れず、関連した先の6つでまとめたほうが、すっきりしてたかなって思ったんですよ。
最後にとびきりのオマケがついているのかと、
期待し過ぎた自分がいけないんですけど^^;
| 雪芽 | 2006/05/30 10:57 PM |
こんばんは!
島本さんは、今後期待している作家さんです(>_<)
この短篇もいいなぁって思って読んでました。
島本さんが書く男の子も女の子も、何か好感が持てますよね。
「新しい旅の終わりに」が好きです!!
いい空気が流れてるなぁ〜って思いました。
| 弥勒 | 2006/05/31 12:09 AM |
わ〜、弥勒さんも島本さん好きなんですか?
なんだか嬉しいな。
読んだのはこの本で3冊目。
まだ読んでいないのがあるから読むのが楽しみなんです。
新しいのも出るといいですよね。

| 雪芽 | 2006/05/31 11:48 PM |
『一千一秒の日々』、私は今日読み終えました。
島本さんの作品は『生まれる森』を以前読んだとき、文章が江国香織や吉本ばななと通じるものがあるなあ、と気に入り、これが2冊めです。
とてもよかった。とても好きでした。
真琴と瑛子の関係とか、すごく好きだったな。
大好きってやっぱり、コトバにするとすごく素敵。
そう、つくづく思いました。
| 朝霞 | 2006/06/05 3:12 PM |
朝霞さん、はじめまして!
コメントありがとうございます。
はじめての方のコメントは、どきどきと嬉しいです。
真琴と瑛子はある意味せつない。
でも、なんによらず一方向でも好きという思いは、
ちょっと面映いような、
けれどせつなく愛おしいものに感じられて。

「生まれる森」はまだ読んでいないんですよ。
これも早く読みたいなぁ。
| 雪芽 | 2006/06/05 10:04 PM |
こんばんは。
随分可愛らしい作品でしたね。
最近のブラック系も好きだけど
こういうのも面白いと思いました。

「夏めく日」は結構好きでした。
少数意見なのかな。
| しんちゃん | 2007/12/22 8:20 PM |
こんばんは〜
最近のブラック系はまだ読んでいないんですよ。
そちらも読むのが楽しみです。
初期の頃の短編集だけあって若々しく、可愛らしい感じもありますね。

「夏めく日」がお好きでしたか。
少数意見、どうでしょう。
この短編集の中では異質にも思えましたが、逆に際立つということもありですよね。
好みが分かれるのが短編集の面白いところです。
| 雪芽 | 2007/12/22 11:37 PM |
ブラック系は確かに好き嫌いが分かれたました。
まだ未読ならごめんなさい。

うちのブログでリンクしたいのですがいいっすかね。お返事をもらえると嬉しいですが。
よろしくお願いしまーす!
| しんちゃん | 2007/12/23 12:14 AM |
いえいえブラック系は嫌いじゃないですよ。
島本さんは自分の中で星印付で読みたい作家さんなので、おいおい読破したいと思っています。
ただ読みたい気持ちに読書速度が追いつきません。

ブログへのリンクもちろんOKです!
大歓迎です。ありがとうございます。
| 雪芽 | 2007/12/25 11:56 PM |

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