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*「チョコレートコスモス」 恩田陸

チョコレートコスモス
恩田 陸
文句なく面白かった!!!(点数評価をしていないので、す・ご・い、という気持ちを込めて感嘆符みっつ付けてみた)
頭の先から尻尾の最後まで、しっかり餡の詰まった鯛焼きのようだ。たまに尻尾まで餡子が入り切っていないことがある。途中までは興奮するくらい面白いのに、最後にきて失速したり、終わりがドタバタと性急だったり。それまでが面白いだけに、喰い足りなさは、読み足りなさに繋がる。
この本は最後まで美味しい。いや、面白い。
大学生になるまで演技の経験もなく、学生劇団の一員になったばかりの佐々木飛鳥。しかし彼女は本能によって、恐るべき天才性をみせる。一方の東響子は芸能一家に生まれ、華やかな美貌と才能によって、子役から芸暦を重ねてきた。
対照的な飛鳥と響子を交互に描き、魅力的なライバル達も加わって、熱血演劇バトルが展開する。

脚本家の神谷が、不思議な印象の少女に惹きつけられる冒頭部分からして上手い。この段階ですでに期待と予感に心掴まれる。期待はわくわくする興奮へ、予感は確信へと変わり、心掴まれたまま繰り広げられる熱き演劇空間の渦へと巻き込まれていくのだ。

演ずる者がいる舞台上と観る側の客席。どちらかがという一方的なものではなく、仕掛け仕掛けられ創り上げていくもの。劇場というハコを満たすのは、同じ経験を共有する一体感。
芝居の場面を読んでいると、自分がまさに共通の体験をしているような気持ちになってくる。物語中ライブ感という言葉が出てきたが、この話にはその場に立ち会っているようなライブ感がある。固唾を呑んで凝視し、驚嘆し、高ぶる気持ち。
時計の針が進み夜が深くなっていく。夜の深淵で飽くことなくページを繰り、なんて面白いんだ〜とわくわくする気持ちでいっぱいの自分を、楽しく感じていた。
どこかへ自分がもっていかれるような感覚。そうそうある読書体験ではないけれど、この本はまさにそれ。

そっち側へ行ったら、二度と引き返せない。舞台上の奥の暗がり、その先に広がっている世界。響子と飛鳥がともに見た場所。
外からは窺い知れないところで二人の魂が邂逅する。互いの存在を見つける。ライバルとなる者同士はこうでなくてはね。戦うだけでなく、共有することができるのがライバル。

読んでいて面白かったのは響子の心理描写。
心の動きがはっきりしているので、飛鳥よりは感情移入し易かったということもある。
他の登場人物も、内面に起こる葛藤だとか、焦り、嫉妬、高揚感が手に取るように伝わってきた。生き生きと動いている。
それと芹澤さん、そう芹澤さんあなたですよ。(芹澤泰次郎は新国際劇場のこけら落としを担当することになった伝説的プロデューサーさん)
やっぱりねぇ。そうだろうと思った。そんなことだろうとね。最後に言うなんてお人が悪い。さて、そんなことって何でしょう。
この芹澤は、飄々とした感じが憎めなくて、興味引かれるキャラクターだ。彼の敏腕なところが見れるのは続編でだろうか。

最後に神谷が書き始めた芝居の脚本。そこに付けられたタイトルは?
この舞台を物語として読める日はいつのことだろう。今年の「ダ・ヴィンチ」6月号に作者恩田陸のインタビューが掲載されていた。それによると続編も予定されているようだ。予定されているからあのラスト。演劇バトルはまだ始まったばかりということだ。

作者自らが語るように、この本の元となるのは美内すずえの漫画『ガラスの仮面』
今日は思わず引っ張り出してきて読んでしまった。

チョコレートコスモという花はこの本で初めて知った。もちろんコスモスは知っている。が、チョコレートコスモスのみならず、真っ赤な花のチョコレートストロベリーコスモスや、ピンクのキャンディコスモス、白いミルキーコスモスなんてのまであって、どれも美味しそうな名前がついているのは意外だった。
コスモス、宇宙は案外美味しい味がするものなのか。

(2006年6月4日読了)
| 恩田陸 | 22:50 | comments(20) | trackbacks(6) | | |

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♯ コメント

こんにちは(*´∇`*)
実は私、恩田陸さんの本が気になっては手にとる
ことなくを繰り返しています。
ガラスの仮面が元だなんて・・・これは気になります(笑)
恩田さんの本で他にお勧めがあれば教えていただけない
でしょうか。
それと、雪芽さんの記事に惹かれて空色勾玉シリーズを
ゲットしました。
今まで読んでいない作家さんやジャンルを読むときは
とてもワクワクします!
| | 2006/06/05 9:03 AM |
こんばんは。復活しました!

恩田陸は今、執筆順に読んでいこうと思ってるのに、こんなに面白いと書かれちゃ、先に読みたくなってしまうぢゃありませんか!
しかも鯛焼きも美味しそうで食べたくなっちゃうぢゃありませんか!
非常に困ります。はは。

| hoy. | 2006/06/05 9:35 PM |
雫さん、こんばんは!
そうなんですよ、この本は恩田さんが「ガラスの仮面」にインスパイアされて書いたということです。
初めて恩田作品を読む人でも充分楽しめると思いますよ。
ましてや「ガラスの仮面」読者ならなおさらです。
恩田さん、他には本屋大賞を取った「夜のピクニック」とか、三日月シリーズの「麦の海に沈む果実」、常野一族のお話「光の帝国」とかが好きです。
私もまだまだ読んでいない作品がたくさんあるので、これからが楽しみなんです。恩田本読むぞ〜

勾玉シリーズはいいですよ。
日本神話の世界を背景に、ラブストリーが絡んでいて、一途な思いにせつなくなります。しかも甘きに流れないシビアな視点もあるし。
未知な作家さんの本を読む時のわくわく感、いいですよね。
| 雪芽 | 2006/06/05 9:42 PM |
わあ〜、hoy.さん復活おめでとうございます!
長かったですね。
まだかなって思って、覗きにいったこともあったんですよ。

恩田さんはですね、すでに読んだ本もあるけど、
恩田陸マラソンと称して、私もこれから順番に
読んで行く計画を立てているのです。
「チョコレートコスモス」は評判がすこぶるいいので、
我慢できずに読んでしまいました。
鯛焼きも「チョコレートコスモス」も
どちらも美味しいですよ!
さあ、hoy.さんはこの誘惑に勝てるでしょうか?(笑)
では、これからhoy.さんのところにお邪魔しちゃいましょう。
| 雪芽 | 2006/06/05 10:16 PM |
あー。感想読みません。読みません。
今度まとめ買いして、本を読み終わってから感想読みます。しかし、すごく気に入られたようで読むのが楽しみです!
| やぎっちょ | 2006/06/06 6:01 AM |
やぎっちょさん、これは面白いですよ〜
読む予定の本がたくさんあると、
どれもこれもいま読みたくて困ってしまいますね。
やぎっちょさんはこの本をどういうふうに
受け止めるか興味あります。
読み終わった時は、私の感想も読んで下さいね。
お待ちしてます。
| 雪芽 | 2006/06/06 11:27 PM |
うわ、雪芽さんが感嘆符!!!つけてる〜(笑)
これは誘惑に勝てそうもないです。
チョコレートコスモス、去年植えてみたのですけどどこに行ったんだろう・・(苦笑)
原っぱと化したうちの庭のどこかに・・・
恩田陸マラソン〜(笑)いいですねぇ。
私も先日「麦の穂に〜」「三月は〜」と詠んで今、「茶と黒の幻想」を読み始めたところです。
なかなかブログに挙げられない〜(汗)
| 瞳 | 2006/06/08 7:52 AM |
はい、感嘆符付けちゃいましたよ〜(笑)
それくらいお気に入りです。
おっ!瞳さんチョコレートコスモス植えてみたことあるんですか?
さすがですねぇ。
名前すら知りませんでした。
「茶と黒の幻想」は買ってあるけど、いつ読めるんだろう。
瞳さんの感想待ってま〜す。
私はまずは「六番目の小夜子」から順番にいってみます。
でも、「ゲド戦記」全6巻も読みたいし〜、
と読みたい本がたくさんで贅沢な悩みです。
| 雪芽 | 2006/06/09 10:41 PM |
雪芽さん
こんばんは〜。なんだか一気に読んでしまいました!!
乙女により支持されるのでは?と直感で思いました。異常に飛鳥に感情移入・・・ではなく、「理解」かな?をしてしまいました。自分ぽくって好きでした!その点は雪芽さんと逆ですね〜。
それにしても雪芽さんウラ情報にお詳しい。ダ・ヴィンチ読んでますかー。さらにコスモスの種類まで・・・。雑学王??
読み進む中で「あーこれも連続になるんだろうなぁ」と思っていたら、やはり!
しかし陸ちゃんはよく連続で書きますよね〜〜。腕と目疲れないのかな(よけーなお世話★)。
| やぎっちょ | 2006/06/26 2:25 AM |
やぎっちょさん、こんばんは〜
一気にいきましたか。
登場人物に対しては逆、飛鳥なんですね。
ダ・ヴィンチは恩田さん特集とかインタとかあると、
つい買ってしまいます。
雑学王ですか〜!?それは違うような(笑)
へ〜と感心するけど、知識として蓄積していかないので無理です、無理。
チョコレートコスモスが花だということさえ知りませんでしたもの(威張っていうことじゃないですね)

陸ちゃん、読書量も読書スピードも凄いらしいですよ。
どこにそんな時間があるんでしょうね。
| 雪芽 | 2006/06/27 9:10 PM |
>陸ちゃん、読書量も読書スピードも凄いらしいですよ。
>どこにそんな時間があるんでしょうね。
本と共に生きているのでわ??
人が一日8時間働くところを、4時間書いて4時間読んで、趣味で読書をするとか・・・。かなぁ?
気になりますね♪
| やぎっちょ | 2006/06/27 11:42 PM |
やぎっちょさん。
本の内容にもよるのでしょうけど、恩田さん一冊1時間もあれば読めるそうです。
そうそれこそ「ダ・ヴィンチ」の対談でご自身が話しておりましたね。
読む書く、読む読む書く書く、読む書く書く、書く読む読む……
| 雪芽 | 2006/06/28 11:19 PM |
雪芽さん
話題が楽しいのでつい間延びしてしまいます。
思い出したのですが、作家の中谷彰宏さんも1日8冊ほど本を読むらしいです。
やぎっちょはまだ小説では試したことがありませんが、ビジネス本(特にスキル系のもの)では、速読とフォトリーディングと漢字の拾い読みの組み合わせで、内容をつかみながら1日8冊読んだことがありました・・・そういえば。・・・今書きながら思い出しました。
(といっても、小説ではとてもできる気がしない・・・)

そういうなにかしら読み方があるのかもしれませんね★
| やぎっちょ | 2006/06/29 12:41 AM |
やぎっちょさん。

>速読とフォトリーディングと漢字の拾い読みの組み合わせ

なんだか魔法のアイテムのような言葉が並んでいますねぇ。
文章を視覚的に捕らえて読むと速く読めるのかしら。
実用書でも一日8冊は無理ですよ〜、すごい。
そんなやぎっちょさんでも小説だと無理なんですね。
「間の抜けた声でカラスが鳴く」
のあの拘りも、自分の中の引っ掛かりで読む流れが緩やかになったからですよね。

小説を読む時はいつも傍らに小さな付箋を置いてます。
お気に入りの文章にペタペタと付けて、
あとでゆっくり反芻するんです。
読みながら書き抜くより、少しスピードアップ出来ます。
| 雪芽 | 2006/06/29 8:06 PM |
雪芽さん、こんにちわ。
餡のつまった鯛焼きには笑いましたが、そのとおりです。
すっきりした終わり方なんだけれど、続きを読みたい気にもさせられて・・。よかったです!
続編の予定あるんですね。うれしい〜♪
続きでも、サイドストーリーでも、「チョコレートコスモス」の脚本でもいいから読みたいです!

ところでコスモスっておいしそうな名前がついてるんですね。
なんだかおなかがすいてきました。こんな名前がつくなんて実は美味しいのかなぁ?
見つけたら食べてしまいそうな自分がいやです。
| june | 2007/01/04 4:31 PM |
juneさん、こんばんは!
恩田さんのラストってすっきり終わらないこともあるもので^^;
これは続きの読みたくなる終わり方でした。
続編もですけど、「チョコレートコスモス」の脚本読みたいですよね〜
どこぞで出してくれないでしょうか。

実際ある花の名前だとは知らず驚きましたが、
美味しそうな名前を付けますよね。
本自体もすご〜く美味しく頂けて満足の1冊でした。
この本は夜更かしして読んだので、
ほんとにお腹の空いた本でしたよ(笑)
| 雪芽 | 2007/01/08 5:26 PM |
こんばんは、雪芽さん。
噂に聞いていたのですが、読んでみてやっぱり凄いなーと感じる作品でした。
本当に一気に読みたくなります、恩田さんの作品は数多く読んでいませんが、間口の広い作家さんという認識をあらたにしました。
久しぶりに舞台を観に行こうか、と思っています。
残念ながら、TBできませんでした。
| モンガ | 2007/01/14 1:33 AM |
こんばんは、モンガさん。
噂に違わない面白い内容ですよね。
一気読みしたくなる、この疾走感がたまりません。
恩田さんの作品の多様性に時々翻弄されながら(笑)、
次はなにが出てくるとのかと楽しみな作家さんです。
モンガさんも舞台を観に行かれるのですか?
一時期いろんな劇団の舞台を観に行ってたこともありますが、いまはさっぱりです。
あれ、TBダメでした?
いつもTBして頂いているのにどうしたんでしょう。

| 雪芽 | 2007/01/16 9:57 PM |
雪芽さんこんばんは。そろそろ春の予感でお目覚めでしょうか。でも今日は風が冷たかったですが。
大食いの私にはたいやき1個では足りませんでした。こんなにも美味しいもの、あと2、3個は食べたいです。

ところで…びっくりするくらいのナイスタイミングでした。
| たまねぎ | 2007/02/25 9:14 PM |
あれ、あれ、あれ?
ちょうどいまたまねぎさん宅にお邪魔したところ。
戻ってみれば足跡あってビックリです。
こういうタイミングって以心伝心みたいで嬉しい!

私もたいやき3個くらいならぺろりと頂けます。
これ実際の話ですが(笑)
もっと食べたくなる、もとい、もっと読みたいのに続きがない。
わんっ!(恩田さんに催促で吼えてみる)
| 雪芽 | 2007/02/25 9:25 PM |

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チョコレートコスモス 恩田陸
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