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*「夏の庭 The Friends」 湯本香樹実

夏の庭―The Friends  
 夏の庭―The Friends

 湯本 香樹実
 新潮文庫 (1994/02)



死とはどんな感じのするものなのだろう。
小学六年生の夏、木山、河辺、山下の3人の少年は、ふと沸き起こった死への興味から、一軒家にひとり住む老人の「観察」を始める。老人が死ぬところを見るための「観察」だった。

「観察」されていることに気づいた老人は、少年達の思惑とは反対に日増しに元気さを取り戻していく。
やがて「観察」者であった少年達と老人の間に交流が生まれる。互いに反発し合いながらも、いつしかその関係性が生き生きとした、人としての優しい繋がりに変わっていく様子は、読んでいて気持ちがいい。

ある時、仲間の一人がプールで溺れそうになる。語り手である木山少年の言葉に、はっとさせられる。

「だけどさ、ほんとは生きているほうが不思議なんだよ、きっと」

生きていることの不思議さを日常感じることは少ない。失われようとした時、突然のように気づくものかもしれない。

10年と少し、生きてきた少年達にとって世界はまだ未知に溢れている。疑問を抱え、子供としてはどうすることも出来ない大人同士の問題にも直面し、そんな少年達に老人が与えたものは大きい。与えるなんてこと、老人はこれっぽっちも思っていないだろうが、経験を共有することで自然と伝えられていくものがある。
老人から少年達の器に注がれていく水。若い心はみるみる吸収していく。

出会いが唐突であったように、別れも唐突にやってくるものだ。実感のなかった死を受け入れ、ひとつの夏が終わる頃、三人の少年時代も終わりを告げる。
夏は終わった。でも、記憶の中のこの夏は眩しい光を失うことなく、少年達の心に残っていくのだろう。

読後感は涼やかだった。そして忘れてしまっていた子供の頃の驚きを思い出すとともに、優しい気持ちになれる本だった。
| ■や行の作家■ | 10:21 | comments(2) | trackbacks(1) | | |

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♯ コメント

雪芽さん、こんばんは〜
「夏の庭」読みました。
この本は読みやすくて私向けかも(笑)

小学生でこんな風に「生きること」について考えることが出来る彼らはかなり大人なのかなと思いました。
子供にとっておじいちゃん、おばあちゃんって必要なんでしょうね。実際私だって親が言った言葉より祖母が言った言葉の方が心に残ってることが多いもの・・・
お年寄りから学ぶことは沢山あるもの。
最後の方は、号泣でした〈^^;
優しい気持にさせる本でしたね。
紹介してくれてありがとうございました。

あと、映画も観てみたいです。
| banana | 2005/10/30 11:12 PM |
bananaさん、こんばんは。
読んだんですね〜、心がほんわか溶け出すような涙を、気持ち良く流せるストーリーですよね。
同じ著者の「ポプラの秋」も読んでよかったと思える作品でしたよ。
文庫の帯に「『夏の庭』の次は絶対コレです。」って書いてあるくらいですから(笑)

私はいま荻原規子さんの「白鳥異伝」を読んでいるところです。勾玉三部作の第二部なんだけど、これがすごく面白くて
寝不足になっちゃいそう、汗
読書の秋の割りに本が読めてないけど、読みたい本はどんどん積み上がっていきます。
| 雪芽 | 2005/11/03 7:35 PM |

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夏の庭 湯本香樹実
夏の庭―The Friends この本はCiel Bleuの四季さんにオススメいただきました。ありがとうございました。 ■やぎっちょ書評 少年たちが死にかけのおじいさんを観察し、死亡第一発見者になろうとするお話。・・・と書くとくだらない(笑) ところがおじいさんは思う
| "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! | 2007/11/12 3:33 PM |
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