本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
ネタバレもあるので未読の方はご注意ください
<< July 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
RECOMMEND

 極北ラプソディ 

  
読んだり観たり
雪芽さんの読書メーター 雪芽の最近読んだ本 雪芽さんの鑑賞メーター 雪芽の最近観たビデオ
読みたい!聴きたい♪
Blog散歩道
今年読んだ本
将棋○名人戦・順位戦●
≡ SPONSORED ≡
<< 「ゲド戦記輝討箸寮錣ぁ ル=グウィン | main | 夏至祭 >>

*スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | | |

*「ゲド戦記供,海錣譴刃售帖 ル=グウィン

ゲド戦記 2 こわれた腕環
ゲド戦記 2 こわれた腕環
ゲド戦記ではあるけど、ゲドが登場するのは物語中盤になってからのこと。「こわれた腕環」ではアチュアンの墓所を守る、少女アルハが話の中心となっている。

アースシーにはカルガドという大きな力を持った帝国が存在した。帝国には神官を兼ねる王がおり、“喰らわれし者”を意味するアルハと呼ばれるアチュアンの大巫女がいる。
亡くなった大巫女の生まれ変わりとして選ばれし少女テナーは、代々の大巫女が受け継ぐアルハという名のもとに生きる定めを負う。

墓所という闇の迷路を抱えるアチュアンの大巫女アルハ。
彼女が住むのは魔法を否定し、名もなき者たちへの信仰を持つ世界。
この墓所より他にアルハの世界はなかった。

争いの絶えない世界に平和をもたらすという、エレス・アクベの壊れた腕環を探すゲド。

異なる価値観に住む二人が出会う。

「こわれた腕環」が描くのは、喪失した自己の発見と自由。
少女はアルハと呼ばれる。アルハは彼女の名前であって名前ではない。彼女の内面が作り出す自己を覆い隠す仮面のようなものだ。仮面は少女が演じることを外部から求められている役割、アチュアンの大巫女。アルハがいかに本来の自分、テナーとして踏み出すか。そこへ至る迷いや不安、葛藤を丁寧に描く。
与えられた価値観の枠を飛び出し自由を得ることへの戸惑い。自由は与えられるものでなく、選択するものだと作者は書く。テナーは選択を前に何度も躊躇する。迷いには殺意さえ忍び込む。それほどにテナーには重い自由だ。
それはそうだろう。大巫女としての知識と技しかない。生きるに不安だ。
自分に選択肢がどれほどあるんだろうと考えた時、確かに不安だ。最後は体力勝負だろうか。テナーも体力には自信ありだったから。

この物語でもうひとつ大事な言葉が信頼。ゲドをテナーを結ぶのも信頼だった。
テナーの行き先については、さすがゲド。選択した場所はゲドにとって、もっとも信頼という言葉がふさわしい人がいる。

かつて自分の心に渦巻く感情に翻弄されていた若者ゲドも、この物語ではすっかりりっぱな魔法使いだ。かえって完成されていない少年ゲドのうわずった行動が懐かしく思えたりして(笑)

「影との戦い」に出てきた壊れた腕環の謎もここで解き明かされる。ささやかな贈り物と思えた壊れて半月の腕環が、アースシーには最大の賜物だったこと。腕環にはこんな哀しい歴史があったなんてね。すっかり忘れてました、私。
| A・K・ル・グゥイン | 22:21 | comments(4) | trackbacks(3) | | |

*スポンサーサイト

| - | 22:21 | - | - | | |

♯ コメント

自分のblogをほっぽらかして遊びに来てます(笑)
本がたくさんたまっているので明日はUPしなくっちゃ。
( ̄m ̄〃)ぷぷ

それはさておき。
ゲド戦記第二巻。
この物語、深かったですよね。
自分などは、レビュー書くときものすご〜く悩んだように
思います(苦笑)。
自由に伴う恐怖と責任。
人は自由に憧れると同時に、築いてきた価値観や環境を変え
るときに怖いと思ってしまう。
雪芽さんのレビューを拝見して、読んでいた時に納得したアルハの感情の揺れを思い出しちゃいました(笑)
ある意味、共感できちゃうのもどうかと思うけど(爆)。

そうそう。
腕輪のお話。
私も忘れてました〜( ̄m ̄* )ムフッ♪
前作との微妙なつながりと、繊細な伏線の美味しさを、
改めて味わわせていただきました★
いつもご馳走さまで〜す
| littleapple | 2006/06/20 11:23 PM |
こちらにもコメントありがとうございます!
「影との戦い」も難しいテーマだけど、
兇發気蕕貌颪靴い任垢諭
自己の確立は他者や社会環境が大きく影響しますもん。
自分だけじゃ無理ってところが難しく、
そこへ自由の問題も絡めてあるから余計に。

あの僅かな伏線が、こんなふうな広がりをみせるとは
思いませんでしたね。

今夜は新しいレビューが読めるのかな。
楽しみにしてますよ〜
| 雪芽 | 2006/06/21 10:13 PM |
こんにちは♪
ゲド戦記、いい年になるまで読んだことなかったんですが、ここまで面白いとは思いませんでした♪
さすが世界三大ファンタジーの一つですね。
闇を否定せずに受け入れようとする度量の深さに感動です。
| かずは | 2006/08/06 5:20 PM |
かずはさん、こんばんは♪
私もけっこうな大人になってから読みましたが^^;
そのほうが世界観を理解しやすかったかも。
闇との対決は多いけど、受け入れるところが東洋的だなって。
4巻目以降は未読なので、今回は最後まで読んでみたいと思ってます。
| 雪芽 | 2006/08/06 6:02 PM |

♯ コメントする









コメントをプレビューする?
ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。


♯ この記事のトラックバックURL

♯ トラックバック

こわれた腕環 ゲド戦記 2
アーシュラ・K. ル・グウィンさんによるゲド戦記第二巻。 物語自体が一巻完結なので、二巻から初めても違和感はないだろう 主人公は喰らわれし者 つまり巫女少女アルハ そして平和をもたらす腕環を探しているゲド だが、
| 備 忘 録 | 2006/06/20 11:12 PM |
「ゲド戦記〜こわれた腕環〜」ル=グウィン
ジブリの「ゲド戦記」(感想はこちら)を見た後、読み始めました。アースシー世界では、島々の間に争いが絶えない。青年ゲドは、平和をもたらすエレス・アクベの腕環を求めてアチュアンの墓所へおもむき、暗黒の地下迷宮を守る巫女の少女アルハと出会う。〜壊れた腕環〜
| 読書とジャンプ | 2006/08/06 5:26 PM |
ゲド、続行〜。
日曜日、ようやく1巻を読み終わりました。で、すっかり、原作にはまってしまった私 早速、図書館に行って、第二巻を借りてきました。いろんな掲示板を見てみると、1巻と2巻と好みが分かれる(ゲド戦記が好きな人が、一番好きな話は?と言う問いに対して)らし
| 夜の散歩道 | 2006/09/05 12:17 AM |
ABOUT
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
TRACKBACK
ありがとうございます
COMMENTS
ありがとうございます
LINKS
MOBILE
qrcode
OTHERS