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*「おめでとう」 川上弘美

おめでとう
おめでとう
川上 弘美
ありがとう!ほぼ条件反射に近い。「おめでとう」と言われたなら、「ありがとう」と返す。場合によっては「いや、いや、そんなたいしたことでは」とか少し困ったふうに謙遜してみせる。でも、内心は嬉しくて嬉しい。または素直に言葉がついて出てきた「ありがとう」になるかもしれない。「おめでとう」のある場面を、読む前になんとはなしにいくつか思い描いてみたのである。
短編集の中で「おめでとう」の話はいちばん最後に出てきた。あ!忘れていたよ。日本全国津々浦々、誰かれとなく「おめでとう」の言葉を交し合う大事な日があるではないか。新年のご挨拶というのがあったわねと思う。そっちの「おめでとう」だったのか。後ろの初出一覧を見て、2000年1月3日の「朝日新聞」に掲載されたということからも、おおいに納得させられた。
表題作の「おめでとう」を含めた12編からなる短編集。そのどれもが恋の物語である。ちりりと胸の底が痛む想い。きりりと怒り切れない男への怒り。うふふとのどかに流れていく男と女の常日頃。宙に解き放たれて所在無げな登場人物達の想いは、浮き球となり、たまゆら微かに光を湛えては消えていくようでもある。
言葉が丸みを帯びている。やわらかに、ま〜るく、ほわんとしているのだけど、その下には小さく鋭い棘もないわけじゃない。ただ総じて登場人物達は飄々として、物事の受け止め方が深刻でなかったりするので、棘が棘らしくみえない。だけど棘はやはり棘なりに役目を果たしているのは間違いない。読み手に浅く小さな傷を残して、登場人物達が抱いた行方定まらない想いが消えていく先を、ぼんやりと見送ることになるのだ。

幽霊のモモイさんにとり憑かれる話「どうにもこうにも」は、もとにあるのは恋の恨み辛みというドロドロした怨念であるのに、どうにもこうにもユーモラスで笑える。
段々に、異形の者となっていく恋人とのことを描いた「運命の恋人」は、短編集の中では異質であるけど好みの話だった。姿形が変わっていくのに会社にもちゃんと通っているらしい恋人。勤務先の会社も不思議だけど、主人公と恋人の長生きぶりにも驚く。と、あまり現実的なツッコミは考えないで読むがよろしい作品。もともと男と女は互いに異形の生き物同士の結び付きなのだから。

川上作品を読んだのはデビュー作「蛇を踏む」を読んで以来のこと。とりあえず他に読んでみたいと思うのは、「センセイの鞄」と「龍宮」の2作品。

(2006年7月27日読了)
| 川上弘美 | 19:39 | comments(4) | trackbacks(2) | | |

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♯ コメント

ご無沙汰してます(>_<)
最近川上さん好きなんで読んでみたいです。
やんわりしているのに抜かりのないところが好きです。
センセイの鞄はかなりオススメです!!
よし!すぐ図書館で予約だっ(笑)
| 弥勒 | 2006/07/30 7:35 AM |
弥勒さん、こんばんは〜

>やんわりしているのに抜かりのない
上手いな〜、ほんとそんな感じでした。

センセイの鞄は文庫にもなっているし、
すぐに読めそうなものなのにとってあるというか、
わざと自分にお預けしているというか、
なんて言ってないで読もう(笑)
| 雪芽 | 2006/07/31 12:04 AM |
「おめでとう」読みました。
なんだか、意外な設定だったりしましたが
やはり川上ワールドに気がつくと引き込まれていました(笑)
モモイさんにとりつかれる話、面白かったですね。
個人的には表題作がお気に入りです。
素直すぎてじ〜んときました!
| 弥勒 | 2006/08/10 1:10 AM |
弥勒さん、こんにちは。
川上ワールドは不思議ワールドですね〜
いつも見ている風景のはずなのに、
よくよく見るとちょっと違うよって。
弥勒さんお薦めの「センセイの鞄」も、
読むのが楽しみです!
| 雪芽 | 2006/08/13 2:14 PM |

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おめでとう/川上弘美
おめでとう きのう 大きな 入り日を 見ました。 ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。 書下ろしをふくむ待望の最新短篇集。 −帯より参照
| 徒然書店 | 2006/08/10 1:12 AM |
川上弘美の「おめでとう」を読んだ!
一昨日、朝刊を開いたら「ナツイチ」と称して集英社文庫の広告が載っていました。「好きな本を一冊作ろう。ナツイチ。夏の一冊。集英社文庫。」全国の参加書店でフェア実施中!とあります。キャラクターには蒼井優を配したキャンペーンのようです。って、誰?ちょっとま
| とんとん・にっき | 2006/09/10 10:48 PM |
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