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*「図書館戦争」 有川 浩

有川 浩
メディアワークス
¥ 1,680
(2006-02)

冒頭主人公笹原郁が両親に宛てた葉書の最後はこう締め括られている。
私は今、毎日軍事訓練に励んでいます、と。
ひと言添えておくと、主人公は新図書館員に採用さればかりの22歳の女の子であって、けっしてそれ以外のなにものでもない。図書館と軍事訓練、掛け離れたふたつがひとつところにあることに意表を突かれる。
確かに本のタイトルには「図書館戦争」とある。でも、まさかそれがほんとうに言葉通り、図書館員達の実践的戦いを描くことを意味しているとは思わなかった。なんてとんでもない話なんだろう。またそのとんでもないところが面白さでもある。

昭和最終年度、公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された。この法に対抗することを期待して、既存の図書館法に第四章を加えるかたちで通称『図書館の自由法』が作られる。良化特務機関と図書館隊の応酬の激化に伴い、双方は武装化の度合いを増していった。結果、時に死傷者も出す激戦も起こりうることから、図書館の、しかも防衛隊員となることはかなりの危険を強いられる職務なのだ。笹原郁は女性としてその防衛隊を志望した希少な存在だった。
熱血感が過ぎていつも上司に怒られてばかりの笹原郁と、個性的な上司や同期の仲間達が本を読むことの自由、図書館の自由を守るために戦う痛快な笑いありの物語。
ここまでは有り得ないでしょ、っていうくらい出版物に対する規制がデフォルメされた話ではある。それでも単に笑いのうちだけに収まらないのは、規制が時に予想もしない流れを生む怖れも含んでいるからかもしれない。
とはいえ、読んでいる時は微かに忍び寄る怖れなど心にかすめもしないくらいに、登場人物達がぶっ飛んでいて笑わせてくれる。皆、言いたいように言いたいことを言う。直球勝負の投げ合いを思わせる言葉の応酬。投げるほうも投げ返すほうも躊躇なくいく遣り取りが小気味よい。後味のよさは、潔さと引き際を心得ているからか。
主人公の笹原郁が図書館の防衛隊を目指した理由というのが、キャラに似合わず(?)なんとも乙女チックなんだけど、意外と泣き虫なところもやはり乙女チックで、ガタイの大きさと驚くべき運動能力とは別のかわいい一面もみせている。とにかく感情の振れ具合は大きい。揺れ動くというより振り切れてしまうタイプで、ついでに行動も振り切れてしまう(笑)
笑いあり泣きありの成長ものにはうってつけのキャラだ。
郁の周りにいる図書館員達がこれまた個性溢れるキャラで、主人公は郁だけど誰が登場しても楽しめる。
犬猿の仲にある郁と直接の上司堂上との関係も、これはあることに対する双方の意識のずれもおおいに関係していることだけど、良化特務機関との対立によるストーリー展開とは別の意味でのお楽しみでもある。
あれだけ熱情を持って防衛隊志望動機を語った郁なのに、そのボケぶりのなんと笑えることか。なんで気づかない、鈍感、アホ!堂上じゃないけど言いたくなるなぁ。この本を読むと口が悪くなる?気のせい、たぶん気のせいだということにしておこう。

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまでも自由を守る。

図書館員は正義の味方足りえるのか。自問自答の中、本を愛し、本を守る為に行動する彼らの姿は、底に悲哀を感じさせながら、熱過ぎるほどに熱く、笑いのうちに魅了してくれる。

(2006年8月10日読了)
| 有川 浩 | 14:04 | comments(16) | trackbacks(18) | | |

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♯ コメント

とっても気になっている本です!
図書館が舞台になっているのに、私がよく利用する図書館では入れてくれてないんですよ〜
図書館の司書さんはピピッ!とこないんですかね〜?
仕方がないので、お金があるときに購入して読みます!!
| エビノート | 2006/08/13 10:12 PM |
エビノートさん、こんにちは!
え、ないですか図書館に。
もろ図書館の話なのにな〜
だからダメとか。そんなことはないでしょうけど(笑)
楽しく笑いながら読んだ本でした。
突然ビビッ!ときてくれるといいんですけどね、司書さん。
| 雪芽 | 2006/08/14 11:46 AM |
雪芽さんこんばんは。
この本はシリアスとギャグ、現実とファンタジーのバランスがいいですよね。
笑いながら読んでしまうんですが、時折よく出来ているなあと唸ってしまいました。
| たまねぎ | 2006/08/14 11:31 PM |
たまねぎさん、こんばんは。
笑いはあるけど、けしてユーモア小説という範疇では括られないかもしれないですね。
絶妙です。
これって続編は書かれるのでしょうか。
会話の歯切れよさが病みつきになります。
| 雪芽 | 2006/08/15 5:58 PM |
雪芽さん、こんばんは!
これ大好きです!特に堂上(笑)
キャラクターが魅力的で大いに笑いましたが、
それと反してこれが現実となったら…という怖さも感じました。

続編ですが『図書館内乱』と題して9月10日に発売予定だそうです。
楽しみにしている私です(*^-^*)
| リサ | 2006/08/18 10:58 PM |
リサさん、続編情報ありがとうございます!
9月10日といったら来月じゃないですか。
たぶん買います。いえ、きっと買うはず。買ってしまう。
内乱、タイトルからして気になりますね。

堂上!無骨なんだけど、意外と優しい。
素直じゃない不器用さもまたかわいいと思えたり。
(鉄拳が飛んできそう・笑)
| 雪芽 | 2006/08/19 10:20 PM |
雪芽さん
読みました〜。おもしろかった。ついつい感情移入しまくりで、ハマってしまいました!!
あ、でもある程度記事を書いてから雪芽さんの書評を見てちょっぴりショック。あちきって「うおー」とか「わーい」とかしか書いてないし。。。ま、本当のところ全然気にしてないんですが・・・。
いい本紹介してくださってありがとうございました♪
北海道は今頃台風でしょうか。
| やぎっちょ | 2006/09/19 11:55 PM |
やぎっちょさん、私も読んでいる時は「うぎゃ〜」とか「ぐわ〜ん、面白い〜〜〜」とか、絶叫系で読んでおりましたよ。
というか、いつも他の本もだいたいそんな感じです(笑)
とくに面白い本だとそうなっちゃいますよね。

今日は台風一過、秋晴れです。
うわ〜、さわやかだ。
この季節、食べ物も美味しいんですよね。
体重増加に気をつけよう。
| 雪芽 | 2006/09/20 10:20 PM |
雪芽さん、こんばんわー
郁ってほんとに成長モノにぴったりのキャラですよね。
がたいがよくて身体能力もすごい、でも真っ直ぐで乙女でかわいい。
堂上さん萌えの私ですが、郁ならば許せます。
それにしても、これだけわかりやすいのにドキドキやきもきさせられました。
| june | 2006/10/29 9:51 PM |
juneさん、こんばんは♪
堂上ファン多し、ライバル多しですねぇ。
判り易いラブコメ度にかえってハマってしまいます。
恥ずかしいところに手が届くような。
有川さん、わかっていらっしゃる。
あ〜、私はけっこう萌え体質なのですよ(笑)
| 雪芽 | 2006/10/29 10:43 PM |
こんばんは☆
遅ればせながらわたしもやっと読むことが出来ました。
たくさんの記事を事前に読んでいましたが、予想したよりもずっと『戦争』でしたね(^_^;
SFだとは思っても、本の価値と、命の価値のあり方について考えてしまいました。
本のために武器を手にする… 現実になると難しい問題でしょうね。
| プリン | 2007/04/15 11:07 PM |
プリンさん、こんばんは(^.^)
単にタイトルだけのことかと思っていると、本を読んでほんとうに『戦争』なんだとわかって驚きますよね。
身体を張らずに好きな本を読めてよかった!
| 雪芽 | 2007/04/16 9:46 PM |
こんにちは。
私もやっと読みました。
主人公の郁をはじめ、個性的で立ったキャラクターばかりで、とっても面白かったです。
これから先の彼女たちの物語、すごく楽しみです。
| 藍色 | 2007/04/17 11:04 AM |
藍色さん、こんばんは。
主人公ばかりじゃなく、郁を取り巻く脇のキャラクターが粒ぞろいなので、脇キャラがクロースアップされるエピソードも面白く読めてしまいます。
2巻、3巻とさらにパワーアップしていくのでお楽しみに!
藍色さんの感想楽しみにしていますね。
| 雪芽 | 2007/04/17 10:40 PM |
雪芽さん、おはようございます。
遅まきながら、TBさせていただきます。

天の邪鬼なぼくは、皆さんがこの作品を面白いというのに、あえて背を向けていたのですが、もっと早くに読むべきでしたね。反省しています。

それにしても、郁や堂上をはじめとするキャラクター作りのうまさには感心します。
郁と堂上のやりとりを読んでいて、昔のアニメ『トムとジェリー』の♪仲良くけんかしな という歌詞を思い出しました。
| touch3442 | 2009/08/30 10:29 AM |
touch3422さん、こんばんは。
読まずにいるのはもったいない作品ですよね。
これから次々とこのシリーズを読破してくださいませ。
感想が楽しみですよ〜
有川さんのキャラ作りの上手さには感心します。
脇役含め魅力的ですからねぇ。
ああ、懐かしいアニメ。
郁と堂上は喧嘩しているんだかいちゃついているだけなんだか(笑)
| 雪芽 | 2009/08/31 7:26 PM |

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