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*クドリャフカの順番「十文字」事件 米澤穂信

古典部シリーズ第3弾。いよいよ「カンヤ祭」が始まる。待ちに待った文化祭の幕開けではあるが、古典部ではちょっとした問題が起こっていた。目次を見てみよう。
“2 限りなく積まれた例のあれ”
あれって、あれですよ、古典部伝統の文集『氷菓』のこと。それがなに、限りなく積まれた?ということは…、折木奉太郎、千反田える、伊原摩耶花、福部里志の4人は、文集完売を目指して文化祭中奮闘することになるのだが、そこへもってきて謎の盗難事件が連続する。
犯行現場に残されるメッセージに記された「十文字」とは、何を意味するのか。犯人の名前か、それとも。文集は完売するのか。事件は解決するのか。
ほろ苦さを残す青春ミステリー。
シリーズ第1弾、ホータローが解き明かした「カンヤ祭」に秘められた過去の出来事は、青春のほろ苦さというには、残酷な痛みが舌を刺すあまりに苦過ぎるものだった。それほどまでにかつての先輩たちが情熱を傾けた文化祭、古典部4人にとっては高校に入って初めての文化祭だ。
1作、2作と季節は春から夏を越え、この3作目では秋のただ中にある。1作ごとに完結しながら時が過ぎていく、登場人物達も青春ものだけに少しずつ成長していく、その移ろいを一緒に楽しめるのがシリーズもののよいところでもある。

4人それぞれの視点で語られていくのがこれまでと違うところ。ホータロー以外の3人の内面が見えてくることで個々が際立ち、違う方向からの視点に照らされることで人物造形が深くなる。
何が入っているか全貌が見えてこない巾着袋と同様に、何を考えているか窺い知れないところのある里志の一面も垣間見れたのではないかしらんとか、真っ正面から闘う摩耶花や、ちょっと違った方向に試行錯誤する千反田えると、それぞれが揺れる心境の秋の空。

面白かったのは里志、千反田える、摩耶花の3人が出た料理コンテスト。普段のおっとりしたお嬢様モードとはうって変わって、料理を手際よく作っていく千反田嬢の意外性に驚き、摩耶花が土壇場でみせた瞬発力もお見事!

ホータローは相変わらず省エネでいくことを決めている。いつも思うが無駄な抵抗だと思うな(笑)
好奇心の塊、千反田えるがいる。ここをかわしても最大の難関、ホータローの姉がいる。今回は日本に帰国していたから避けようがない。もっとも姉からの国際電話一本で、古典部に入ってしまったホータローではあるが。
しかしお姉さま、どうしてあの本を持っていたのだろう。なぜホータローの元に置いていったのか。店番をする弟の単なる暇つぶしのためにとは思えない。只者でないかもしれないと思わせるホータローの姉は、いまだ謎の人物だ。

物々交換ネタも面白かった。次はなにがくるのかという興味、展開にどう絡むのかという楽しみがあった。実際、アメリカでインターネットでの物々交換を呼びかけ、小さなクリップが最終的には一軒の家にまでなった人をTV番組で紹介していたのを観たことがある。ホータローの場合そんな大事にはならなかったが、小麦粉があそこで出てくるとは、上手いと思わず拍手。あそこの場面は、さあどうするのかとけっこう緊張の場面だったので、小麦粉登場にはちょっとわくわくさせられた。

肝心の「十文字」事件のほうはというと、アガサ・クリスティのミステリーに絡めてあるところなど、クリスティファンにとってはたまらないのではないかと思う。その裏に隠されているのは、やはり青春のほろ苦さの残る心情というところが、作者の持ち味全開の結末だった。
古典部としてはさわやかなラストということで、

以下反転
『氷菓』200部、完売おめでとう!


(2006年8月28日読了)
| 米澤穂信 | 00:00 | comments(14) | trackbacks(6) | | |

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♯ コメント

こんばんはー
TBさせていただきました。
米澤作品、好きです♪
お姉さまが気になって気になって…(笑
| ふゆ | 2006/08/30 12:43 AM |
こんばんは!
文化祭、お祭だけにいろんなところで楽しめて大満足でした。
ホータローのお姉さんはやっぱり謎ですよね〜
お姉さんの活躍が見てみたい!
TBさせていただきました。
| エビノート | 2006/08/30 8:36 PM |
ふゆさん、こんばんは。
TBありがとうございます!
米澤さんは『春期限定いちごタルト事件』を読んで、
いっきにハマってしまいました。
やっぱりお姉さま気になりますよね。
古典部シリーズの続編も読みたいけど、
秋には小市民シリーズの続編が出そうですね。
こちらも楽しみです。
あのラストは気になります。
| 雪芽 | 2006/08/30 10:22 PM |
エビノートさん、こんばんは!
実はお姉さん、いまでもあの学校の影の実力者だとか?
あらぬことを想像してしまいました(笑)
今後はお姉さんの活躍もありなんでしょうかね。
TBありがとうございます。


| 雪芽 | 2006/08/30 10:32 PM |
里志が巾着袋・・うーん、うまいです。
里志はこんなこと考えてたんだ・・と、
ちょっと痛々しくなってしまいました。

物々交換のわらしべプロトコルおもしろいですよね。
小麦粉が・・というシーンは読みながら、
ひとり盛り上がってしまいました^^;
それにしてもクリップが一軒の家にって、すごいですね。
挑戦したくなるなぁ・・。
| june | 2006/08/31 1:11 PM |
雪芽さん、こんばんは(*´∇`*)
これ、面白そうですね!文化祭というのがまた懐かしい響きです。シリーズで視点が登場人物別に変わるというのは好きです。針金に粘土を少しずつ付けていくような作業というか。
洋書を読み始めたときに何もかも分からないところからスタートしたことと、ネットに頼らざるをえないことから書店で本を探すことが下手になった気がしています。
今日も行ったのに眺めるだけで・・・。

この本はメモして、今度書店に行ったら見つけるようにします!
| | 2006/08/31 8:16 PM |
juneさん
里志の独白の中で明かされた胸中を読みながら、
そんなふうに思ってたのかと…、心が痛っ。
越えられない自分てものがあるのに気づくのって辛いなぁ。
米澤さんのサイト見てきました。
最近チェックしてなかったんですよ。
続編嬉しいです。
その前にノンシリーズは新作も。

物々交換プロトコル、わらしべ長者ではなく、
クリップ長者というところが現代らしいです(笑)
| 雪芽 | 2006/08/31 9:13 PM |
雫さん
文化祭、あまりにも遠く懐かしい響きです。
記憶を遡るのに時間だ掛かる(笑)
このシリーズは『氷菓』、『愚者のエンドロール』、
と読んで『クドリャフカの順番』に読み進めると、
文化祭が近づいて来る〜というワクワク感も楽しめますよ。

雫さんの影響で本屋に行くと、時に洋書コーナーも眺めてみるようになりました。
装丁の違いを比べてみると面白いですね。
いつも雫さんのブログで翻訳版と合わせてご紹介頂いているので、気になるようになりました。

買わずに本屋の中を周回して帰ること多々あります。
それだけで落ち着くというのはなんでしょうね(笑)
| 雪芽 | 2006/08/31 9:26 PM |
雪芽さんこんばんは。ってチョット!チョット!帰国?国際電話?エエエエッ?
お姉さんに対する謎と興味が一気に大加速ですよ。絶対只者じゃありません。
実は私は最初、お姉さんが犯人で弟をからかってるのかなと見当違いな予想をしていました。もしくは貴女が作者ですかとか…

| たまねぎ | 2006/10/01 9:47 PM |
たまねぎさん、こんばんは。
実はお姉さんが仕掛けたドッキリ!だったら…
弟奉太郎の立場がないですね^^;
一体何者〜
シリーズを重ねても解き明かされない正体、
深まる疑惑と謎。
古典部シリーズ最大の謎はお姉さんかもしれません。
| 雪芽 | 2006/10/02 11:13 PM |
こんにちは♪
シリーズ中、この作品が1番好きです。
単なるナゾ解きに終わらず、物々交換や料理対決など読み処も満載でしたよね(笑)

奉太郎のお姉さんは私もナゾでした。
続編で彼女のナゾは明らかになるのでしょうか?
以降の話も凄く楽しみですね
| Ray | 2006/12/12 1:17 PM |
Rayさん、こんばんは!
料理対決の場面はスピード感があって、ハラハラドキドキと盛り上がってました。
ほんと文化祭だけに盛りだくさんでしたね。

続編ではお姉さんの謎をホータローに解いてもらいたいけど、お姉さんのほうが何枚も上手のようだから無理でしょうか。
| 雪芽 | 2006/12/13 12:03 AM |
雪芽さん、こんばんは。
キャラの個性がはっきりしましたね。
えるの料理の腕前にはビックリでした。
奉太郎のお姉さんの謎、どこまで続くか楽しみです。
| 藍色 | 2008/01/21 4:20 AM |
藍色さん、こんばんは。
『氷菓』からずっと「カンヤ祭」に向けて物語が動いていたので、いよいよ来た〜!という第3弾は、それぞれの個性もくっきり、役割分担もバッチリでした。
えるの料理は見事でしたね。
お姉さんの謎、引っ張りますね〜(笑)
| 雪芽 | 2008/01/22 10:08 PM |

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