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*「水滸伝(2)替天の章」 北方謙三

水滸伝 (2)
水滸伝 (2)
北方 謙三
北方水滸伝第2巻。
林沖、次なるミッションとはいかなるものか。
宋江と晁蓋は梁山湖の山寨(サンサイ)を手にいれようと考える。ふたりが目指すところの象徴となる場所として、『替天行道』の旗印を掲げる寨(サイとは砦のこと)にするためである。すでに寨には世直しを志す多くの者達が集まっていた。しかし頭領王倫の堕落により、ただの盗賊集団に成り下がっている。
どうやってこの堅牢な寨を手にいれるか。寨だけでなく賊徒の心も手にいれたい。そこで林沖の出番となるわけだ。

林沖は医者の安道全とともに寨に入り込み、内側からの切り崩しにかかる。
猜疑心が強く小心者の王倫が仕掛けてくる罠。度重なる命の危険に身を晒しながら切り抜けていく林沖は、前回に引き続き大活躍である。心に痛みを負いながら闘うヒーローポジションなんだろうか。彼だけではない。心に痛みを抱え歩む者は他にもいる。愛する女への思いであり、幼き日の辛酸な体験であり。内なる痛みと天下に抱く志、人の弱さと強さを描くところに、様々な人間を読む面白さがこの物語にはある。
彼を助けるのは安道全と薬子の薛永。(セツエイ、どうでもいいけど登場人物の名前を入力するのが大変だ〜)
この医療コンビ、とにかく仕事一徹、患者の病や治療のことしか頭にない。周囲の空気をものともしない、たとえどんなに剣呑な空気がそこにあっても。ある意味肝が座っている。いや、肝が座っているのじゃなくて見えてないだけかな。見えないものは怖くない。

林沖達が内側から攻めるとすれば、外側で事を進める同志達の動きからも目が離せない。
また、徐々にだが敵対する側の姿も見えてきた。同様に敵方の目にもこちらの存在が浮かび上がろうとしている。両者が対峙するのはまだずいぶんと先のことなのだろうけど、動き出したものが形になろうとしているのが今回の話。

ひと仕事成した林沖を宋江を始めとする仲間が迎えたところで終わった第1巻目。前回同様最後の締め括りは、林沖を待っていた宋江の姿だった。まさかこれからもこのパターンが続いていくとは思えないが、最後は苛酷な使命を成した林沖を宋江という光が包み込むようで、後味はよい。

おまえを、ただ待っていたのだ、林沖。
おまえは、私に待たせる資格のある、数少ない男のひとりだ。


すごい殺し文句だなぁ。でも、宋江という人物は本心からこの言葉を発するような人間なのだ。だから彼の志に人は集まるのだろう。

無残なものだ。人は、忘れる。

これは林沖が亡妻に対する自分の心境を語った言葉だけど、最近読んだ川上弘美の『センセイの鞄』が思い浮んだ。「水滸伝」とは関係のない話になってしまうが、ツキコさんもセンセイのことを忘れてしまうだろうか、とそんなことをふと思ったのだ。

(2006年11月19日読了)
| 歴史・時代小説 | 22:51 | comments(0) | trackbacks(0) | | |

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