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* 「おんみつ蜜姫」 米村圭伍

おんみつ蜜姫
おんみつ蜜姫
米村 圭伍
藍花とはツユクサの古名。この小さな花を紋所とする豊後温水藩の末娘蜜姫が、凛々しい若武者姿に身をやつし、大活躍するのがこのお話。物語には天下を騒がせた天一坊事件や尾張徳川家の暗躍まで絡み、姫の旅は天下の一大事になるやもしれない大騒動へと向っていくのだ。
そもそもは参勤交代で領国に戻っていた父の藩主、乙梨利重が、野駆けの折に刺客に狙われたことから始まる。この時は蜜姫のおかげで難を逃れたものの、二万五千石の弱小藩の藩主を暗殺?と合点がいかない姫に問い質され、利重が明かしたのは同じ二万五千石の風見藩との合併話だった。蜜姫が嫁ぐことまで決まっているという。婚儀を機に両藩を合併しようというのだ。そうはいっても地方の弱小藩が勝手に合併できようはずもない。が、利重にはなにやら秘策があるらしい。
おてんばをとおり越して暴れ姫とまでいわれる蜜姫のこと、藩を出奔し自ら探索の旅に出ることとあいなるのだった。
旅の頼もしい供となるのが猫のタマ。猫が?と侮るなかれ、タマはりっぱな忍び猫なのである。猫に小判なら聞いたことがあるが、猫に忍びとは意表を突いた組み合わせだ。なにより驚くのはめっぽう強い。変化の術を使わなくても元が猫、その利点を生かして蜜姫の窮地を救う。ただ、船に弱いのとかわいげがないのが難といえば難だろうか(笑)

暴れ姫ぶりを発揮してことにぶつかっていく姫を脇で支える人物達がこれまたいい。最初の船旅で出会う船頭の五平さんの、過ごしてきた人生から滲み出る奥深さと優しさは、蜜姫でなくとも心に沁みるというもの。さらには謎の忍者、笛吹夕介や船頭の雲吉という頼りになる力添えもある。

父上暗殺を仕掛けた人物の謎を追い、どんな窮地に陥っても凛と潔く受け止め諦めない蜜姫の活躍は、読んでいてとても痛快な気分にさせられる。長編ではあるが蜜姫の道中は何が起こるかわからない展開で、最後まで飽きさせない。気づいてみれば読み終わっていたというふうであった。
相変わらずの米村さんの軽妙な語り口で、すいすいと娯楽作品としての楽しさいっぱいに読めてしまうが、時代背景や事件に絡む歴史的考察は詳しい。話がどんどん広がって横道に逸脱しそうになるのは、やはり歴史好きの性かなと、つい自分の身近にいる人間を思い浮かべ微笑ましく感じてしまう。

若武者姿の暴れ姫が主人公となる話だけあって、大立ち回りの場面も多い。いくら強いといってもれっきとした剣術使い相手では厳しい勝負もある。が、そこはそれタマと夕介がいるのでねとなるわけだが、柳生厳也とのエピソードは一撃を受けたようにずしりと重かった。剣術への純粋な思いと己が担わねばならない使命の間で苦衷する厳也の心境は、蜜姫の想像の範疇でしかないのかもしれないが、ふたりが二度目に合間見える場面、この逃れられない定めという設定にはどうも弱いようだ。僅かな登場だけど、柳生厳也の残した印象は強い。

作中に登場する風見藩も藩主の時羽光晴も、米村作品の読者にはすでに馴染み深い名前である。風見藩の冷飯喰い飛旗だとか、幕府御庭番の倉地だとかいう名前を目にすると、『風流冷飯伝』や『退屈姫君』シリーズに出たきた彼らのご先祖さまかと、なぜかしら嬉しくなってしまった。

解説によると、現在作者は続編を執筆中とのこと。またまた大暴れする蜜姫の活躍が読めそうだ。

2007年3月11日読了
| 米村圭伍 | 19:31 | comments(2) | trackbacks(2) | | |

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♯ コメント

こんばんは、雪芽さん。
体調の方はいかがですか。
この本は、読んでいて面白くて楽しかった。
映画の一場面を見ているようでした。
忍び猫・タマが実にいいのです。
| モンガ | 2007/03/11 11:05 PM |
モンガさん、こんばんは!
だいぶ良くなってきました。
本を読む気力もモリモリ湧いてきましたよ。
面白かったですね、この本♪
映画にしてもよいくらい。連続時代劇でもいいな。
モンガさんのコメント拝見して、蜜姫のように勘違いな自分に気づきました。
いけない大変だ〜とばかりに、慌ててちょこっと記事を訂正です。
ありがとうございます。
| 雪芽 | 2007/03/12 10:06 PM |

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「おんみつ蜜姫」(米村圭伍著)
 今回は 「おんみつ蜜姫」 米村 圭伍著 です。
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