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*「ちんぷんかん」 畠中 恵


畠中 恵
新潮社
¥ 1,470
(2007-06)
「しゃばけ」シリーズ第六弾。
ついに若だんなが三途の川までいっちゃった!?えらいこっちゃ、若だんながいなくては話が続かない。これで御終いとあいなりますのやら。

お江戸名物の火事騒ぎに巻き込まれ、三途の川まで行ってしまった若だんなと鳴家が、地獄の鬼相手の大冒険。長崎屋の跡取り娘おたえの若き日の恋模様。兄・松之助に縁談が持ち上がるが……。
今日も元気に(?)寝込んでいる若だんな。昨日から今日、今日から明日へと変わりなく続くと思われる日々にも、いずれ変化の兆しは訪れるものである。若だんなの周りにいる人達にも、人生の新たな一歩を踏み出すための旅立ちの時が巡ってきているようだ。果てさて当の若だんなはどうなんだろう。恋のひとつもあって不思議はないが。
最初は文庫で買っていたが、続きが待ちきれず既刊を図書館に借りに行く。いまでは新刊を目にするといそいそを単行本を買って(ちょっと財布を開くのに勇気を要する)読む。シリーズもすでに6冊目となった。

鬼と小鬼
ちんぷんかん
男ぶり
今昔
はるがいくよ
5つの短篇が収められている。

温かくかつ少し鼻にツンと効く人情話にはいつもながらホロリとなるが、「鬼と小鬼」、「男ぶり」にみられるように、人の心に射す妬みといった暗い感情の影があるからこそ、人情話は包み込む優しさで響いてくるのだろう。思えばほのぼのとした人達ばかりの話ではなかった。

ずっとずっと幸せを願ってきた若だんなの兄・松之助である。なんだ若だんなはいいのかい、って砂糖菓子以上に甘〜いお父上にお母上、怖い(笑)兄やたちがついている。親子、兄弟であっても微妙な位置にあるのが松之助だ。青のビードロを天にかざして「なんて……ただきれいなんだ」と呟いた、あの場面の描写の美しさは忘れられない。人を恨まず自分を見つめる真っ直ぐな視線を持つところ、生まれも育ちも違ってもやはり兄弟似ている。とにもかくにもめでたき日を迎えることになる松之助にほっとひと安心する。親でもないのにねぇ。

花は散るからこそ次があるのだ。人の形となりし桜の花びら小紅の短い命を、自分と重ねて合わせてみる若だんな。

「そうだよね。去って行かねばならない者は、悲しく哀れかれもしれないけれど……、残される者もまた、辛い思いを持てあまることになるんだね」


短篇5つの中ではこの最後の「はるがいくよ」が、散り逝くもの去りゆく者の情感と一抹の寂しさに満ち、若だんなの淡い恋心に染まって美しく余韻の残る話だった。

2007年6月24日読了
| 畠中恵 | 23:32 | comments(8) | trackbacks(5) | | |

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♯ コメント

6作品目は変化を感じさせられる内容になってましたね。
今後どうなるのか楽しみであるのと同時に、ちょっぴり淋しい気持ちにもなっちゃいました。
やっぱり最後の「はるがいくよ」の余韻に引きずられちゃったかなぁ。
このシリーズ、私も図書館で借りてましたが、今は発売と同時に本屋さんに走っちゃいます(笑)
| エビノート | 2007/08/02 8:27 PM |
こんばんは〜
気持ちを切り替えるのにちょうどいいタイミングで図書館からメールが・・・
どっぷり「しゃばけ」の世界にひたり、鳴家に癒されていたら「はるがいくよ」でまた思い出してしまいました。雪のように降る桜のはなびらが目に浮かびます。とほほ・・・



| りょう | 2007/08/03 5:08 PM |
エピノートさん、こんばんは。
いつまでも一緒にと思っていても、ままならないこともありますね。
松之助さんも栄吉さんも明日へ向っての一歩だから、喜ばしい気持ちはあるけど寂しさは隠せない、そんな若だんなの心情にしんみりでした。
考えたくはないけどふたりの兄やとだって……
いえいえまだ先の話、もっともっと読者も彼らと一緒にいてほんわかしたいものです。
エピノートさんも買ってしまいますか。
新刊を見ると買う。すでにパブロフの犬並の条件反射になってます(笑)
| 雪芽 | 2007/08/06 9:51 PM |
りょうさん、こんばんは。
なんてよいタイミングでしょ。
でも、舞台がお江戸なせいか重なる部分がありますね。
最後の桜の話はかえって記憶の呼び水になったのではありませんか?
儚く散る桜に短く散ったかの人の命を重ねてしまいます。
| 雪芽 | 2007/08/06 9:52 PM |
雪芽さん、こんにちは。
キャラクターが魅力的ですよね。
たとえマンネリと言われても、ずっとこのままでいいって思ってました。
今回「はるがいくよ」で変化・成長がありましたね。
でも、できるだけ長く続いてほしいです。
| 藍色 | 2007/08/07 10:33 AM |
藍色さん、こんばんは!
長く続けばマンネリ感は出てくるのでしょうけど、
まだ語られていないエピソードもたくさんありそうで楽しみです。
魅力的なキャラクターだから愛着がわきますね。
なんといっても鳴家がかわいい〜
今回はいままで以上に変化と成長がはっきり描かれていたので、
次はその変化がどういうふうに影響してくるんだろうって、
期待してしまいます。
| 雪芽 | 2007/08/11 10:54 PM |
正直ここまでくると、ちょっぴり親の気分でもあります。そうなるとやはり気になるのは若旦那の恋でもあるのですが、少しずつ成長していく姿を見ていると、まだもう少しこのままでとも思ってしまいます。
| たまねぎ | 2008/10/12 1:02 AM |
たまねぎさんへ
登場人物の成長をやきもきしながら見守る、シリーズものならではの楽しみですね。
周りはどんどん成長して大人になって、自分の道を歩いていく。若旦那は推理では先頭を走っているけど、その他では背を追うことも多くて。
恋、恋、恋ですね〜、あんまり早く大人になるのも寂しい気がしますね。ゆっくりでいいです。勝手です(笑)
| 雪芽 | 2008/11/05 10:25 PM |

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