*スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
*「キラレ×キラレ」 森博嗣Xシリーズ第二弾。 結末のつけ方が曖昧模糊としていて、一生懸命話の道筋を辿ってきてみれば、野っぱらにひとりぽつんと取り残された気がしたのが前作『イナイ×イナイ』である。シリーズ全体に繋がる伏線を孕む1作目とかなんとかかんとか、まあ意図的に狙ったのであれば今後の展開にも期待が持てるのだが、そのまま放置の可能性もあるわけだ。この期待がどっちに転ぶのか。あとあと弾けて飛んでしまわぬよう、あまり大きく膨らませるのはやめておこう。 さて2作目は電車に出没する切り裂き魔の話である。 満員電車の車内で、30代の女性がナイフのようなもので襲われる事件が連続する。「探偵」鷹知祐一朗と小川令子は被害者が同じクリニックに通う事実をつきとめるが、その矢先、新たな事件が発生し、殺人事件へと発展する-。 誰でもよかった。
と、犯人によって動機が語られる事件が最近続いている。 折りしも昨日、通勤通学で混雑する朝の時間帯に、女性が包丁で切りつけられ怪我をするという事件が、札幌の地下鉄で実際に起きた。自分の住む街で、しかも普段身近に利用する地下鉄での出来事に驚く。それ以上に驚いたのは、前日からこの「キラレ×キラレ」を読んでいたタイミングでの事件だったというところにある。小説の中の話として読んでいた出来事と、自分を包み込む現実社会での出来事がシンクロすることで、コワサが迫ってくる。 本を読み終えて閉じる。そこでひとつの世界は閉じられる。ところが視線を戻した現実の世界でも同じ風景に出くわすのだ。 現実の世界では犯人は現行犯逮捕された。小説の中では、もちろん犯人は捕まるが意外な人物、かな。 またしても探偵事務所の《社員》である小川令子は身の危険に晒されるわけで、毎回こうでは命がいくつあっても足りないのではないだろうかと心配になる。危険を呼び込む体質なのか、危険なことに寄っていく体質なのか。本人が考えているように、本気で武道を習ったほうがよさそうだ。 初期の頃の森作品と比べるとずいぶんあっさりとした印象だ。濃いキャラもいないし、謎解きの面白さも薄い。それなのに新刊が出たからとなんとなく買ってしまうのはなぜだろう(笑) 小川令子と大学生真鍋瞬一の掛け合い漫才みたいな会話は面白いんだけどねぇ。 最後のほうで前作に続き、森作品ではお馴染の強烈なキャラが登場する。これは毎回のお約束になるのか。それとももっと話に絡んでくるのか。このシリーズを読み続けるか迷いながら、結局出る度に読んでしまいそうだ。 2007年9月13日読了 森博嗣の読了本 「φは壊れたね」 「θは遊んでくれたよ」 「イナイ×イナイ」 ♯ コメント♯ コメントする♯ この記事のトラックバックURL♯ トラックバック |
ABOUT
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
TRACKBACK
ありがとうございます
COMMENTS
ありがとうございます
LINKS
MOBILE
OTHERS
|