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*「プラックペアン1988」 海堂 尊

海堂 尊
講談社
¥ 1,680
(2007-09-21)

黒を基調にシルバーグレイのタイトルが並ぶ装丁のシンプルさが際立つ。あるのはただひとつのブラックペアン。原色で派手な印象の多かった海堂さんの本にしては珍しい。本屋に並んでいる姿に、かっこいいじゃないか!と思わず心の中で呟いてしまう。ほんとほんと、だってそう思えたんだもの。

外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院……
大出血の現場で世良が見た医師たちの壮絶で高貴な覚悟。
本の帯より

面白かったですよ〜
おなじみ東城大学医学部付属病院が舞台だが、バチスタ騒動が起こるずっと以前の1988年の話なので、田口&白鳥の名(迷)コンビの登場はない。シリーズ3部作にあった笑いや痛快感という娯楽性重視ではなく、新人研修医の目を通して語られる医療現場での苦悩や奮闘振り、医局内での策謀など、人間ドラマに富んだ医療ものとして普通に面白い。

田口先生が受け持つ不定愁訴外来の藤原看護師が婦長だった頃の現役バリバリの活躍ぶり、<眠り猫>こと猫田師長と<ハヤブサ)花房師長のふたりもまだ若い。『ジェネラル・ルージュの凱旋』で最後に小気味のよい弁説を披露してくれた黒崎教授もまだ助教授だ。
いまではすっかり偉くなってなかなかの狸親爺ぶりを発揮している高階病院長だが、若い時は血の気の多い部分もあったんだなと思うと意外でもあり嬉しくなる。それにいまは狸なのにこの頃は阿修羅なんですよ〜、いつの間に化けたのだ(普通は狸のほうが化けるんだけどね)。やっぱり昔からひと筋縄ではいかない人間だったということか。とにかくみんな若い。

同じく天才的な外科医でありながら、まったく違う理想を抱く二人の医師。
いくら心を磨いても、患者は治せない。外科医にとっては手術技術、それがすべてだと言い切る渡海。心なき医療では決して高みにはたどりつけません、と渡海の考えを否定する高階。二人の間で医師としての方向性を模索する世良。
様々な人間模様のうちに向えるラスト。手術シーンの緊迫感は読み応えがある。長い間秘められてきた因縁が解かれ、静寂とともに再び閉じられる。予想もしない展開に、ほうっと溜息が零れる。

二人の天才の上に君臨するのが佐伯教授。『螺鈿迷宮』に登城した桜宮病院長の桜宮巌雄然り。医療を見据える目、理念、重々しい存在感があっていい。彼らからするとみんなまだ若造なんだろうな。

途中世良のもとに学生研修としてやってくるのが、田口、速見、島津の3人。登場シーンは少ないけれど、三者三様現在の姿が伺えるようなエピソードがある。田口先生の決意には笑ってしまったが正解だったようだ。

この本の中で話題のひとつとして出てきた黄金地球儀。『夢見る黄金地球儀』としてすでに出版されている。そんなに急いで読む必要もないかなと思ったので買っていなかった。昨日たまたまいつもと違う本屋に行ったらサイン本の文字。となれば買ってしまうのである。今年に入ってサイン本であることに釣られて買った3冊目。まあ、いずれ読むはずだったからいいか。

2007年10月11日読了
| 海堂 尊 | 21:55 | comments(19) | trackbacks(12) | | |

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♯ コメント

さっそくのTB、コメントありがとうございました。

これも面白かったですねぇ。
みんな熱血漢で、ネコ意外(笑

「世良」と「渡海」のこれからも楽しみです。
| juzji | 2007/12/09 11:13 PM |
こんにちは。
約20年前の東城大学医学部付属病院、
みんな若々しくて、新鮮でした。
ストーリーも面白かったですね。
レビューの「いつの間に化けたのだ」に
笑っちゃいました。
『夢見る黄金地球儀』のサイン本!
うらやましいです〜。
| 藍色 | 2007/12/10 3:41 PM |
藍色さん、こんばんは。
20年前ですからね、みなさん若い!
昔も変わらずの人もいるし、こんなに初々しい時があったんだと思う人もいて、面白かったです。
ストーリーもテンポよくてとんとんと読んでしまいました。
どうも最近読んだ狸の話の印象が強く残っているようです(笑)
大きな書店だとたま〜にサイン本が置いてあるんですよ。すっかり出版社の戦略に嵌っています。
| 雪芽 | 2007/12/10 9:49 PM |
シリーズでおなじみの人たちの若かりし頃。
それぞれが「らしさ」を出していて、よかったです。
特に学生だった速水、島津、田口の3人のレポートには笑いました。
最初から気になっていた黒いペアン。
あんな風に使われるとは!と驚きました。
| なな | 2007/12/11 12:30 PM |
ななさん。
時間をタイムスリップ、懐かしい顔を並んでいました。
学生3人組のレポートはしっかり個性が出ていましたね。現在の姿を考えると、最初の志のまま真っ直ぐ育ったというか(笑)
黒いペアンには驚きました。
佐伯教授の医療に向う姿勢を見せつけられたというか、圧倒されました。
| 雪芽 | 2007/12/11 9:03 PM |
世良の成長が爽やかでもあり、医療ものとしても読み応えがありましたね。
お馴染みの登場人物の若さが眩しい作品でもありました。
みんな若いなぁ〜でも、相変わらず(笑)
次の作品へさりげなく読者を誘導するところ、
海堂さんは毎回上手いですよね〜。
ついつい購入してしまいます(^_^;)
| エビノート | 2007/12/11 10:40 PM |
 一番変わってなかったのは「眠り猫」ですね!(^^

 サイン本うらやましい! そういえば世良と花房のデートシーンで、さりげなく『夢見る黄金地球儀』の予告編みたいなくだりがありましたね。どこの本屋ですか? サイン会情報はチェックしてるんですが…。
| higeru | 2007/12/11 10:59 PM |
エピノートさん、こんばんは。
悩める青年医師世良が一服の清涼剤のようでした。周りはキャラ濃い〜ので余計に(笑)
みんな若いのにいまと性格たいして違わないですね。学生3人もそのままだし。
さり気なく購買意欲をそそるの上手いです。気になってしまいますよね。やるな〜、海堂さん。

| 雪芽 | 2007/12/14 12:03 AM |
higetuさん、こんばんは。
TB&コメントありがとうございます。
「眠り猫」は変わりませんね。昔からああだったとは(笑)
どうしてそんなにそんなに眠いのか気になります。
サイン会で手に入れたわけではないのです。おそらく出版社から書店に回ってきたのではないでしょうか。平積みで何冊かちょんと置いてありました。
ちなみに札幌の駅前の書店です。
| 雪芽 | 2007/12/14 12:10 AM |
おもしろかったですねぇ。
ストーリーとしても、今までで一番わかりやすくて感動的だったような気がします。

黄金地球儀のサイン本いいですね。
私は図書館で予約しました。
| | 2007/12/16 4:11 PM |
栞さん、こんばんは。
青春ものとしても、群像劇としても、医療ものとしても、面白く読めました!

サイン本はほとんど偶然の巡り会わせです。
よく本屋を梯子するせいでしょうか。
図書館に予約されたんですね。
この頃本を買い過ぎなので、また図書館も利用しなくてはと思っているところです^^;
| 雪芽 | 2007/12/18 10:59 PM |
雪芽さん、こんばんは(^^)。
20年前でも、東城大付属病院は大嵐ですね。
医師のプライド、新人の成長、医療界の抱える問題。様々な要素を1つの事件にまとめ、描き上げる海堂さんの筆力に脱帽です。
学部生3人組、このころから一緒だったんですねぇ。しかもあのレポート・・・(笑)。らしすぎて、笑うしかないですね(^^)。
| 水無月・R | 2008/03/03 10:09 PM |
水無月・Rさん、こんばんは。
嵐の中の東城大付属病院という点では、現在も過去も同じなのがなんともです。
変わらないな〜と(笑)
これまで物語を彩ってきた派手なエンターテインメント性を削ぎ落とし、シンプルに医療現場の群像劇として読ませる。
シンプルだけどカッコイイ。さすがです。
あの3人組、登場場面は少ないけどしっかり存在感ありましたね。
レポートは性格そのまま!(笑)
| 雪芽 | 2008/03/04 8:52 PM |
こんばんは。
すごく面白かったですよね。
本当医療ものとしても楽しめるし、今までのシリーズを読んでいた人にとっては彼らの若かりし頃の姿が見れるし。高階病院長や、田口、速水、島津の3人の先生たちの姿もよかったですが、看護師3人の登場もうれしかったです。藤原看護師は20年前はバリバリだったんですね〜。
| masako | 2008/03/12 11:01 PM |
masakoさん、こんばんは。
実際読んでみるまではこんなに面白いとは予想していませんでした。
シリーズですっかりお馴染なった彼らの若かりし頃の姿に出会えたのが嬉しかったですね。
藤原看護師も現役バリバリ。この頃からコーヒーを淹れていたなんて。人の習慣はなかなか変わらないものなんでしょうかね。
| 雪芽 | 2008/03/14 9:36 PM |
こんにちは。
寝場所を探してほんとに寝ていたネコがツボでした。
それと勘の良さも仕事ができるところも。
猫田主任のファンなので、それらが読めてウキウキでした。
サイン本を売ってたのにスルーしちゃったよ。ちっ。
| しんちゃん | 2008/04/09 11:39 AM |
しんちゃん、こんばんは。
猫田主任て面白いですね。
(いや、皆さん面白いですが)
まさかと思いましたがほんとに寝てるなんて(笑)
その癖仕事はできる、不思議ちゃん。
あらら、サイン本はなぜにスルーを!?
後からやっぱり欲しくなるものですよね。

| 雪芽 | 2008/04/10 9:50 PM |
これだけで読んでも、たぶん面白い本なんでしょうが、
シリーズでおなじみのキャラの若い頃が読めたのは
やっぱりうれしかったです。
とにかくみんな若かったですね〜。
私も院長は狸のイメージだったんで、
彫が深い?小天狗?阿修羅??とだいぶイメージが変わりました。
| june | 2008/04/19 1:28 PM |
juneさん、こんばんは。
シリーズを重ねるごとに馴染んできたキャラ達の、若かりし頃の姿を垣間見れたのが嬉しいですね。
院長はまんま狸かと思ったら、違ってたみたいです。
こんな血気盛んな時代もあったのかと驚きでした。
いまは別な意味で狸かもしれませんが(笑)
| 雪芽 | 2008/04/25 12:23 AM |

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