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*「タルト・タタンの夢」  近藤 史恵

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)
 タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)
 近藤 史恵
 東京創元社 (2007/10)
 単行本: 212ページ




美味しい話が読みたい。ミステリーを味わえるならばなおのことよし。味付けは軽めでほどよくお願いしたい。こんな我儘な注文にぴったりな、満足のいく1冊だった。

ビストロ・パ・マルは下町の片隅にある小さなフレンチ・レストラン。カウンター7席、テーブル5つ。従業員は店長で料理長の三舟シェフ、同じく料理人の志村、俳句好きのソムリエ金子ゆき、ギャルソンのぼくこと高築智行の4名。
不思議な事件や不可解な出来事の謎を三舟シェフが、絶品の料理を添えて解き明かしていくというお話。
お店の名前である<パ・マル>は“悪くない”という意味。この言葉(日本語のほう)、某漫画原作の某ドラマでお店のオーナーがよく使うお約束の台詞だったなと、ふと思い出す。
それはさておき、フランス料理には疎いので、話に登場するメニューがすぐにはぴんとこない。それはいったいなに、どんなもの?でも、ご安心あれ。素材から調理法に至るまでちゃんと説明してくれる。とたん頭の中に広がる極上美味なる世界。物語に出てくる料理を想像して楽しむ。

物語として供されるのは7品。
常連客の体調不良の原因に隠された切なる憧れと夢、注文の多い客が一番大切にする料理とは、突然夫婦間に起きた不協和音、高校球児達の失われた夏に起きた事件の真相、昔別れた恋人が作った料理に込められた真意、有名チョコレート専門店のチョコラティエが拘る素数の意味などなど、料理に絡めながら真相が明らかになる度、優しく穏やかな余韻が広がる。

特に印象に残った言葉はふたつ。
表題作である「タルト・タタンの夢」の中から

「絶対に届かないとわかっているからこそ、夢中になれるのかもしれないぞ」


まさにファン心理を突いていて、身に覚えなきにしもあらずなものだから(笑)、チクリと痛かったりする。

「ロニョン・ド・ヴォーの決意」では

「人は楽しむためにも食べるが、生きるためにも食べる。」


料理に何を求めるか、作る側も食べる側も、それによって大切になることは違うのだと教えられた言葉だ。そこまで考えたことなかったな。そこまで料理していないってことでもあるのか、汗

どの短篇も面白く読んだけれど、「割り切れないチョコレート」は最後でかなりきましたよ。苛立ちや怒りは自分に対する怒りであり悲しみだったという、どこへも持っていきようのない気持ちに、しっかり感情移入して読んでしまった。
どうしてチョコの詰め合わせの数が素数なのかわかった時、素数の素が素敵の素に重なって見えた。

気になった飲み物がひとつある。ヴァン・ショー、いわゆるホットワイン。赤ワイン、スパイス、オレンジなどで作るらしい。たまに赤ワインを飲むこともあるので試してみよう。これからの寒い季節にはうってつけ!

2007年11月25日読了
| 近藤史恵 | 22:41 | comments(11) | trackbacks(4) | | |

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♯ コメント

こんにちは。

私もフランス料理には縁遠いので、実際にはどんなものかはわかりませんが、それでもこの本に出てくる料理は美味しそうですよね。
「理不尽な酔っ払い」の最後には思わずくすりと笑ってしまいました。

ヴァン・ショーはいろいろな場面で陰ながら活躍していましたね。まさにこれからの季節にほっこりと温まるのにちょうどいいと思います。
| 空穂 | 2007/11/26 11:41 AM |
空穂さん、こんばんは。
名前を見て条件反射のように涎が出てこないのが、ちょっと悲しいところです。
「理不尽な酔っ払い」の最後、どちらもユーモア満点、笑いました。
ヴァン・ショーはさり気なく活躍してましたね。
寒い日は癒しのホットワインでほっこりしたいです。
| 雪芽 | 2007/11/26 9:52 PM |
雪芽さん、こんばんは。
絶品料理の数々と極上のミステリ7編、
好感が持てるあたたかいミステリでしたね。
「素数の素が素敵の素に重なって見えた。」っていう記事の部分に、うっとりしました。
寒くなってきたので、ヴァン・ショーがとても飲みたいです(笑)。
| 藍色 | 2007/11/27 3:33 AM |
藍色さん、こんばんは。
フレンチとミステリーの組合せが絶品でしたね。
あたたかな雰囲気に包まれて、ふわりとした気分になりました。
ヴァン・ショーに偽電気プランに、
心くすぐられる飲み物が多くて困ります。
本で梯子酒気分。
『博士の愛した数式』にも素数出てきましたね。
素数と小説って意外と相性がいい!?

| 雪芽 | 2007/11/27 10:54 PM |
雪芽さんこんばんは♪
読まれていたんですね。すっかり見逃してました。
この本を読んでからがっつりと影響を受けて、1人で行けるビストロ探しを始めたりなんかしたりなんかしています。
全然関係ないけどレストランの口コミサイト「食べログ」の、【全国】のフレンチランキングの上位3位を北海道(うち1位と3位は札幌)が占めているんですよねぇ。ぜひ行って記事ぷりーず!
| やぎっちょ | 2007/12/14 11:38 PM |
あ、URL貼るの忘れた(汗)
http://r.tabelog.com/japan/rstlst/0-0/RC02-RC0211-0/
| やぎっちょ | 2007/12/14 11:39 PM |
やぎっちょさん、こんばんは。
1人で行けるビストロは見つかりましたか?
やはり気軽に入れるお店がよいですね。
私はこの本を読んでからタルト・タタンが食べたくて、作ろうかと思ったのですが、まずはプロのお味をと、お店探ししていました。
やぎっちょさんがご紹介して下さった1位のお店、北海道神宮に初詣に行く時に見たお店です。
ランチは平日のみ、ディナーになると気軽には食べに行けませんね〜
タルト・タタンもあるのになぁ。
| 雪芽 | 2007/12/18 10:48 PM |
美味しい話にミステリー〜、いいですね!!
ぜひ私も読んでみたい。
ヴァン・ショー、今日のような寒い日にはぴったりの飲み物。
私は紅茶ベースでワインとスパイスなんていれてみたりするんですよ。こちらも暖まります。

お正月にゆっくり読みたいと今日「ライラシリーズ」を買い込んできました(笑)
雪芽さんはもう読まれたかしら。

寒波到来ですが、風邪等引かれませんように。
よいお年をお迎えくださいませ。
| 瞳 | 2007/12/30 8:16 PM |
瞳さん、こんばんは!
二年越しでのお返事となりすみません^^;

これは美味しかったですよ〜
あ、いや、面白かったですよ!
ヴァン・ショーを作ろうと買った赤ワイン、もっぱらそのまま呑んでばかりです。
紅茶ベースにワインとスパイスもいいですね。

「ライラシリーズ」はまだ積読になっています。
映画の公開までには読むぞ!の意気込みだけは満々です。

新年のご挨拶もかねて、また遊びに伺います。
| 雪芽 | 2008/01/02 10:13 PM |
難しい名前のメニューも、調理法を読んでいるうちに頭の中にもわもわと美味しそうなお料理が浮かんできますよね。そしてうっとり・・。
素数というと、そっけないイメージだったのですが、そういえば素敵の素でもあるんですね。雪芽さんのレビューを読んでいまさら「おおっ!」と気づいて感動してます。

ヴァン・ショー飲んでみたいです。続編のタイトルにもなってるんで、続編では「パ・マル特製ヴァン・ショー」のレシピがわかるのでしょうか??楽しみです。
| june | 2008/06/16 9:54 PM |
juneさん、こんばんは。
フランス料理はメニューだけではチンプンカンプンですが、文章を読んでいると目に浮ぶようですね。
想像するだけで喉が鳴ります。
この本、小川さんの「博士の愛した数式」、素数には物語を生み出す力まであるようで、ただものではないです。
ヴァン・ショー飲んでみたいですよね。赤ワインだけは買ってあるんですが、ヴァン。ショーにならず胃に直行してます(笑)
続編でも登場しそうで、楽しみです!
| 雪芽 | 2008/06/16 10:36 PM |

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近藤史恵 / タルト・タタンの夢
[Amazon] [bk1] 近藤史恵さんの「タルト・タタンの夢」を読み終わり...
| 柚子庵 | 2007/11/26 11:44 AM |
タルト・タタンの夢 近藤史恵
ブックデザインは緒方修一。カバーイラスト・デザインは谷山彩子、本山木犀。初出「ミステリーズ!」。創元クライム・クラブ。連作短編集。 下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル(悪くない)。風変わりな三舟
| 粋な提案 | 2007/11/27 3:33 AM |
タルト・タタンの夢 近藤史恵
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| "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! | 2007/12/14 11:33 PM |
「タルト・タタンの夢」近藤史恵
タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ) 近藤さんの作品は、以前アンソロジーで読んで気になりつつもそのままになってたんです。でも今回このタイトルに思わず手が伸びました。タルト・タタン好きなんですもん♪ 思っていた以上によかったです。日常の謎系とい
| 本のある生活 | 2008/06/16 10:14 PM |
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