本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
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*「遠まわりする雛」 米澤穂信

米澤 穂信
角川書店
¥ 1,470
(2007-10)

待ってましたの「古典部」シリーズ最新刊。
大好きなシリーズなので心ウキウキと読み始める。やっぱり米澤さん面白いな〜

血を流さない。殺人が起こらない。高校生の主人公たちが学校生活を過ごす中で遭遇する様々な出来事に謎と事件ありきだ。今回は入学の4月から翌年の3月まで、前3作で描かれなかった時間の隙間を埋めるような7つの短篇が並ぶ。

神山高校で噂される階段話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件ーーー
<省エネ少年>折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎてゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行!
何気なく過ごしている日常にもミステリーの種はある。米澤さんの作品を読んで常々感じるのは、驚きと発見の楽しさである。蒔かれた種が小さな芽を出し、謎解きへと成長していく。見事な推理によって刈り取られた謎を賞味することは格別だが、なによりも日常に謎を生み出す着眼点の鋭さに感心してしまう。
こんなところに謎が転がっているなんて!
自分ならば足元に転がっている謎を知らず踏み潰しているか、蹴飛ばして歩いても気づかないままだろうな。

「大罪を犯す」では数学教師の勘違いが何故起こったかを解く。「あきましておめでとう」は新年の年始に神社に行ったホータローと千反田が陥った窮地からの脱出作戦。「手作りチョコレート事件」は摩耶花が里志のために作ったバレンタインのチョコがなくなったことに絡む謎と二人の思いを描く。どれもがささやかな謎である。話しの流れでひょいと謎として浮かび上がるからはっとするわけだ。

今回は7つの短篇をとおして、出会った春から高校一年生を終える3月まで、ホータローたち4人の距離感の変化、心情の変化も描かれ、ミステリーとしての面白さだけでなく、恋愛感情も含んだ青春ものの一面もある。前3つの作品と比べ、4人の人間関係が更に深く描かれている。これまでわからなかった里志の摩耶花に対する気持ちも。複雑な思春期の男の子心なのか、一直線にいけないところも青春なんだね。千反田えるが抱える背景も浮き彫りになってきた。「遠まわりする雛」の最後で言葉を交わすホータローとえるの場面は、同じ場所に佇む二人の間を満たす空気に、胸がキュンとなるような余韻があってとてもよかった。

本書の表題『遠まわりする雛』は内容から言うと雛祭りの雛なんだろうけど、これからそう遠くない将来、巣立っていくホータローたち4人の雛の、惑い悩む試行錯誤な青春時代の姿に重なって見える。

収録作品
<やるべきことなら手短に> <大罪を犯す> <正体見たり>
<心あたりのある者は> <あきましておめでとう>
<手作りチョコレート事件> <遠まわりする雛>

2007年12月17日読了

今頃だけど去年読んだ本の感想書いてます、汗
| 米澤穂信 | 15:17 | comments(10) | trackbacks(8) | | |

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♯ コメント

雪芽さん、こんにちわ。
これを読んで、実は日常は謎や発見に満ちてるんだなってあらためて思いました。
私は、たぶん思い切り謎に気づかず踏みつぶしまくってますよ。
まわりにホータローみたいな人がいたらいいなと思います。
でも、こちらが謎に気づかなかったらどうにもならないのか・・。

ラストのあの美しい風景、余韻残りますよね。私も胸がキュンとしました。
| june | 2008/01/13 12:23 PM |
juneさん、こんばんは。
日常の中にある謎や発見に気づくと、日常っていっても平板なものじゃなくて、けっこうスリリングに思えるかもしれませんね。
でも、気づかず平穏に暮らすほうがいいかもしれませんよ。
気になりますを連発じゃ疲れてへとへと、身体が持ちません。

ラストはいつになく美しかったですね。
ふうっと溜息が出ました。
| 雪芽 | 2008/01/13 11:22 PM |
雪芽さん、こんばんは!
文化祭が終わって、次はどうくるのかなぁと楽しみにしていたんですが、こうくるか!と驚きでした。
でも、これがまた良かったです〜。
こんな日常を送っていたのかということもわかり、
登場人物の気持ちの変化もわかりで。
次がますます楽しみになっちゃいますね。
タイトルに込められた意味、雪芽さんの考察にほぅっとなってしまいました。
まだ雛である彼ら、遠まわりしつつも大きく羽ばたいてくれることを期待したいですね♪
| エビノート | 2008/01/13 11:28 PM |
エピノートさん、こんばんは。
大きなイベントの文化祭でひと区切り、次はどうなる?がこうきて、おっとなる上手い切り替えしが見事です。
いままで見えなかった細かい部分まで描いてくれる、痒いところに手が届くとはこういうことでしょうか。
次はどうくるか、楽しみが増しますね♪
勝手な解釈ですが、雛を見守る親鳥の気分です。
| 雪芽 | 2008/01/13 11:47 PM |
雪芽さん、こんばんは。
こちらにもお邪魔しますね。
不器用でナイーブな奉太郎や里志の心情がよく伝わってきました。
一年を通した四人の心の変化が、よく描かれていましたね。
今後四人がどのように成長していくのか楽しみです。

サイドバーの「どれにしようかな積読中」の本、
すべて読んでます。
読まれたらお気軽にどうぞ。

トラックバックさせていただきました。
| 藍色 | 2008/01/14 1:18 AM |
藍色さん、続けてありがとうございます。
今回は里志の摩耶花への気持ちが一番の驚きです。
四季が移ろうのに合わせた四人の気持ちの変化、
上手い描き方で感心してしまいました。

積読中が溜まる一方ですが、読み終わったらお邪魔させて頂きますね〜
| 雪芽 | 2008/01/15 10:05 PM |
雪芽さんこんばんは。おおっ、今までの出来事の間にはこんな日々がと、楽しみながら読んでました。みんないっぱい悩んで考えて成長して。いいぞ青春。
| たまねぎ | 2008/01/18 12:57 AM |
たまねぎさん、こんばんは。
もっと知りたい彼らのことを!、という気持ちに応えてくれるところが嬉しい短篇集でした。
青春している感じがとってもよかったです。
高校2年生になった彼らにも会いたいですね。
| 雪芽 | 2008/01/20 5:47 PM |
こんにちは。
いままでさらりと流されていた登場人物それぞれの心の動きが描かれていて、彼らがより身近に感じられるようになりました。
彼らのこの先がどこへ続いているのか、気になりますね。
| 空穂 | 2008/02/16 10:47 PM |
空穂さん、こんばんは。
古典部シリーズ既刊読了ですね。
今回は事件そのものより、四人の心情に焦点が合わさっていて、読者も一歩彼らに近づけた感じでした。
せめて高校を巣立つまで、四人を見ていられたらいいのにと思ってしまいます。
| 雪芽 | 2008/02/17 11:30 PM |

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