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*「面影小町伝」 米村 圭伍

同じ作者の別の作品に、“馴染み”の顔が登場するのはよくあること。米村さんの作品もそんな具合に緩やかに繋がって、米村ワールドを作り出している。

米村さんの作品を読んで感じるのは、人の心によぎるわびしさや哀感を、ユーモアで優しく包み込む、ほっこりした温かさだ。思うにまかせないこともある。けれど恨みを深くしたり、諦めて世を拗ねるよりは、吹く風に身を任せ飄々と慎ましく生きる。そこへめだか姫のような活き活きとしたキャラが登場し、悪い奴らを懲らしめるという痛快活劇に大喝采なのである。笑いの中に描かれるお色気も突き抜けて明るい。

これまで読んだ作品から受けた印象を書いてみたが、今回の作品は出だしからちょっと違った雰囲気で始まった。弥生三月、雛の節句の宴の艶やかさは、紀州秦栖(はたす)藩を揺るがすお家の一大事へと発展するのである。いきなりのシリアスな展開に意表を突かれる。

時を経てお江戸を賑わす評判の小町娘笹森お仙とは誰あろう、あのお仙ちゃんなのだ。とはいっても『風流冷飯伝』や『退屈姫君』シリーズを読んでいない方にはとんとわからぬことで相すみませぬ。機会があればどうぞご一読のほどを。
谷中の茶汲み娘・お仙は徐福の仙薬で色白美人に大変身。途端に評判の「小町娘」になって、錦絵にも描かれる始末。実はくノ一のお仙、人気が出ては困るのだ。ところが浅草にも美女・お藤が現れ、なんと二人の、幕府もひっくり返る大因縁が明らかになる。小町ブームに沸く江戸の町で伝説の秘剣が邪気を放ち、田沼の陰謀が渦巻く。お色気百倍の大江戸三部作完結編。
「BOOK」データベースより
流行の錦絵に描かれた美女を拝もうと、水茶屋や楊枝屋に集まる江戸っ子たちの粋で威勢のいい姿に、当時の江戸の様子が偲ばれる。江戸の活気というのだろうか、お仙だぁ、お藤だぁと物見高く集まってはわいのわいのとなんとも賑やかなことで楽しい。

先にも書いたがお仙は他の作品にもすでに登場している。めだか姫とともに活躍したのは十代の初め、小さくてからすのように色黒な女の子だった。ここでは色白で見目麗しい江戸でも評判の小町として再登場となる。その変貌振りに驚くが、もっともっとあっと驚くようなことが待っているのだ。この展開はさすがに想像できなかった。

お仙とうりふたつなお藤、ふたりの関係の裏に秘められた重大な真実と深き因縁。そこへ迫っていく面白さ。敵役田沼意知との対決。読みどころは多い。
愛を一途に貫いて散った薄墨の影がそこ此処に見え隠れし、お仙が知ることとなった真実、大切な者を守ろうとする心情、せつなさの残る話だった。
とにもかくにもお仙が美しくかっこよく魅力的で惚れ惚れしてしまうのだ。その後の活躍なんかも知りたいものだ。米村さんのこと、きっとどこかに顔を出すに違いない。

最後のほうでは少しだけ馴染みの顔も登場、その後の様子が窺い知れたのが嬉しい。しかも相変わらずな言葉に笑いがこぼれる。

2008年1月12日読了
| 米村圭伍 | 22:28 | comments(4) | trackbacks(0) | | |

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♯ コメント

こんばんは。またちょっと遊びにきました。
 面影小町伝、読んだ頃のことを思い出しました。長尺の落語を聞くようにこの人の作品は楽しんで読んでいます。 ところで、下のほうにでてくる米澤さんの本、今日買った「氷菓」という作品とひょっとして主人公たちは繋がっていますか?
 まだ読んでないんですけれど、たしか背表紙で見た名前が出ているような。。
| 樽井 | 2008/01/14 1:31 AM |
樽井さん、こんばんは。いらっしゃいませ〜
米村さんの小説は文章の語り口が軽妙で、するすると物語に引き込まれてしまい、楽しく読めるのがいいですよね。
「氷菓」は米澤さんの古典部シリーズの1作目です。
その後に「愚者のエンドロール」、『クドリャフカの順番「十文字」事件』、「遠まわりする雛」と続きます。主人公たちも一緒ですよ♪
| 雪芽 | 2008/01/15 10:06 PM |
「氷菓」すごく面白かったです。
 このシリーズ、あと3冊も(いや3冊しかないのか)あるなんて嬉しいです。
 
| 樽井 | 2008/01/20 1:33 AM |
樽井さん、こんばんは。
面白かったですか、よかったです〜
面白い本に出会った時、それがシリーズだと嬉しくなります。
宝の山を見つけたみたいで。
あと三冊ありますからね。たっぷり楽しめますよ!
| 雪芽 | 2008/01/20 5:54 PM |

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