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*「サクリファイス」 近藤 史恵

近藤 史恵
新潮社
¥ 1,575
(2007-08)

ツール・ド・フランスにならい北海道を一周するツール・ド・北海道が毎年行なわれているので、自転車のロードレースがあること自体を知らないわけではない。それでも競技を見たことは一度もないし、自転車で競うくらいしかイメージとして浮んでこない。ルールもなにもわからない未知の世界だ。
近藤さんの作品は『タルト・タタンの夢』に続いて2作目。前作はフレンチ、今回は自転車ロードレースである。知らない世界に初めて触れる、踏み出す一歩に高まる緊張感と期待、この瞬間が楽しい。
ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ――。
二転三転する真相、リフレインし重きを増す主題、押し寄せる感動!
自転車ロードレースの世界を舞台に描く、青春ミステリの逸品。
〜本の帯より〜
エースとしての自信とプライドでチーム・オッジでは威圧的存在でもある石尾、長い間石尾のアシストを勤めてきた赤城、石尾に迫る実力を持つが辛らつな口調と独断的行動でチームでは特異な位置にある新人伊庭、石尾と同じ峠を得意とするクライマーの主人公白石も新人である。個性の異なる人間がひとつのチームとして競技を戦う。担う役割も胸中に渦巻く感情も様々に、ひたすらロードを走る。シビアで厳しいスポーツ競技の醍醐味と、底に流れる熱気を帯びた人間ドラマに面白さがある。

エースとアシストの関係、個人競技でありながら団体競技の一面があり、まっさきにゴールする者とは違った満足感がアシストにはあること。通常の競技とはずいぶん違っている。これはちょっと興味深い。こんなスポーツがあるんだという驚きは大きかった。へ〜と何度も思いながら読んだ。

希望と賞賛と嫉妬と犠牲、チーム全員の思い、すべてを背負ってゴールを駆け抜けるのがエースである。
サクリファイス、犠牲。物語に多重に張り巡らされたその意味に深く感動する。ひとつの死を巡る謎。隠された真相、真意。ミステリイとしての謎解きよりも、託されたものの重さに慄然とするのだ。
夢や嫉妬や羨望をそのままに、思いを繋いでいく。“犠牲”にしたものたちの思いのすべてを負って走り続ける、生き続ける自負に深く心打たれる。
颯爽と駆け抜ける自転車が目指す先にあるのは、

「勝利は、ひとりだけのものじゃないんだ」

前半は自転車ロードレースの面白さに魅せられ、最後はずっと余韻として残るような衝撃と感動が待っていた作品だった。

2月9日読了
| 近藤史恵 | 21:20 | comments(16) | trackbacks(10) | | |

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♯ コメント

雪芽さん☆こんばんは
ロードレースがこんなに面白い小説になるとは思ってもみませんでした。
機会があったら、ぜひロードレースを観戦してみてくださいね。
| Roko | 2008/02/12 12:55 AM |
こんにちは。
ロードレースは、日本ではどうしたってマイナーなスポーツですが、この作品はロードレースの特徴を上手く絡めてると思いました。
「サクリファイス」というタイトルに込められた意味も重いものがありますね。
実際のレースでも、献身的なアシストの働きは胸にぐっとくるものがあります。
| 空穂 | 2008/02/12 7:25 PM |
Rokoさん、こんばんは。
ロードレース、読んで楽しめるかなと思いましたが、予想以上の面白さでした。地元のはTV中継もあるようなので、生観戦は無理だけどTVならば観れそうです。
| 雪芽 | 2008/02/12 9:51 PM |
空穂さん、こんばんは。
ロードレースは空穂さんの得意分野でしたね。
レースに馴染みがあればもっと深く楽しめるかもしれませんが、素人が読んでも、素人だからこそかもしれませんが、ぐっと興味が湧きました。
サクリファイスにこんなにも重い意味があるとは思いませんでしたね。
| 雪芽 | 2008/02/12 9:52 PM |
雪芽さんこんばんは。この本はいいですよね。私はこれで近藤さんに惚れました。分かりやすさの裏に、読み手を引き付ける強さがあるし、後半の変化に驚き感動しました。
| たまねぎ | 2008/02/14 9:57 PM |
たまねぎさん、こんばんは。
惚れました?いいですねその言葉。
前半はロードレースの面白さが際立っていましたが、後半はぐっとミステリー色が濃くなって、ふた色に面白い小説でした。
2冊読んだ近藤さんの本、どちらもよかったです。他のはどんなかなと気になります。
| 雪芽 | 2008/02/17 11:17 PM |
こんにちは。
題名である「サクリファイス」という言葉が凝縮されている作品でした。
このミスの年間ベスト10に入っていたので手に取ってみました。
近藤さんは初読みだったですが、読み終えてから「読んでよかった」と素直に思えました。
この作品をきっかけに、近藤さんの作品を読むようになりました。
| らぶほん | 2008/02/25 4:53 PM |
らぶほんさん、こんばんは。
「サクリファイス」の意味が奥深いですね。
話題の本は喰い付くか(笑)、敬遠するかのどちらかになることが多いのですが、素直に読んでよかったです。
らぶほんさんは近藤さん初読みだったのですね。私は2作目でした。
初読みの印象がいいと他のも読んでみたいと思えるので嬉しくなってしまいます。
次は何読もう。
| 雪芽 | 2008/02/27 9:09 PM |
こんにちは。
これは人間ドラマとしても、ミステリとしても、ゾクゾクものでした。
本を読んで、久しぶりに震えました。
| しんちゃん | 2008/03/26 10:59 AM |
しんちゃん、こんばんは。
読んでいるうちにのどんどんのめり込んでしまいました。
ゾクゾクさせられる本に出会う、こんな嬉しいことはありませんね。
物語のクライマックス、あのレースの場面は衝撃でしたが、それよりも隠された真実はもっと衝撃で重く心に響きます。
いまだに…
| 雪芽 | 2008/03/27 9:48 PM |
雪芽さん〜こんにちは!
お久しぶりです(*^-^*)
ミステリ作家の近藤さんがスポーツもの、と知って意外に思いながら読んだのですが、さすがですよね。
しっかりミステリ仕立てになっていて、でも人間ドラマとしても描かれていて。
何よりもロードレースの臨場感がすごくてドキドキしました。是非映像を見てみたい!と今来月のツール・ド・フランスを見られるかどうか考えております。
ってどうしたら見られるのかさっぱりなんですが(^-^;)

外伝も素敵でしたのでぜひ〜♪
| リサ | 2008/06/23 5:21 PM |
リサさん、こんばんは。
近藤さんの本は2冊目だったので、レストランからスポーツ?という異業種な話に戸惑いました(笑)
読んでみたら面白くて。
後半にいくにしたがってミステリー色全開でしたね。
スポーツの醍醐味、裏にある人間ドラマ、ミステリー、どの部分をとっても素晴らしくて、読み応え充分でした。
北海道ではそろそろツールド北海道が始まるらしいのです。
ロードレースの面白さを視覚で味わってみたいですね。
TV中継もあるんでしょうかね。うむむ。

外伝ももうすぐ読めます!
もう、楽しみでなりませぬ〜
| 雪芽 | 2008/06/23 11:22 PM |
雪芽さん、こんばんは(^^)。
ロードレースの複雑さと各人の心理戦にどんどん惹き込まれ、事故の真相に至るサスペンスには息をのみ、とにかく一気に読みました。
私は外伝を先に読んでしまったので、「あの石尾が誇り高きエースに!」という感慨が深かったです。
| 水無月・R | 2008/09/05 11:50 PM |
水無月・Rさん、こんばんは。
外伝まだ読んでいないんですよ〜、手元にあるのに。
知らない世界に踏み込んでいけるのが読書のいいところですね。ロードレースが展開する前半、ミステリー色が前面に出てくる後半、どちらも引き込まれました。
| 雪芽 | 2008/09/07 7:22 PM |
雪芽さん こんばんは
スポーツにおける勝負というか勝利というか、について考えさせられるロードレースというスポーツでありサクリファイスという小説でもありました。面白かったです!!!
| yori | 2009/04/11 9:07 PM |
yoriさん
勝負の世界、結果としての勝ち負けだけじゃない人間ドラマが面白くて、これはスポーツに限りませんが、自転車競技自体も新鮮に映り楽しめました。
心を熱くさせる物語っていいなぁ。
| 雪芽 | 2009/04/19 4:59 PM |

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| 柚子庵 | 2008/02/12 7:26 PM |
サクリファイス  近藤史恵
これは面白い。薦めます。自転車をテーマにしたミステリです。自転車というと日本では競輪がメジャーなんたけど、この作品はロードレースのお話になります。 スポーツものって専門用語やらルールがいまいち…と嫌う人もいるかもしれない。でもこの本はとてもスッキリし
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