本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
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*「ジーン・ワルツ」 海堂 尊

海堂 尊
新潮社
¥ 1,575
(2008-03)

なんだかんだ言いつつ、新刊が出ると買ってしまうのが海堂さんの本。
今回は出産という人間の生命にかかわる医療の問題を取り上げ、他の作品よりシリアスな内容となっている。
生命の誕生を支配するのは神か、それとも医者なのか?

桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵−−−
人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。
顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが……。
本の帯より
いま医療現場は治療に携わる側、患者として受ける側、双方の悲鳴が聞こえてくるような深刻な状況にある。産婦人科の問題に焦点を絞ってみても、救急搬送される妊婦のたらい回しが続発、ニュースでも伝えられている。過疎化地域での医師不足は深刻だが、大小の病院が点在する大都会で、なぜ妊婦は適切な医療を受けられず命を落とさなければいけないのか。だからといって医療側だけを責めることも出来ない、産婦人科医の絶対的不足が現状にある。
この作品はいま社会問題となっている部分に切り込んでいく。

産婦人科医療はたぶん、より女性にとってナーバスでシリアスな問題である。情緒的な感情にも深く影響する。主人公の理恵はどうだろう。ある理由により、ふと暗い感情の揺らぎを見せることはあっても、クール・ウィッチの名のとおり、感情に流されることなく、怯まず、果敢に理想の御旗を掲げ突き進んでいくのだ。セント・マリアクリニックで彼女を支える三枝茉莉亜先生、妙高助産婦、ユミ、彼女たちも心強き魔女の仲間である。描かれているのはあくまでも理想であり、物語の世界だからこその結末かもしれない。でも、願いたくなる。理想に現実が少しでも引き寄せられることを。

理恵が行なった行為を肯定出来るかといえば、ちょっと難しく、強引過ぎるだろうとは思う。ましてや他人の…までというのは。切実な望みのためにどこまでが許されるのだろうか、そんなことを考えた。

終盤近く、次々と繰り広げられる出産シーンは圧巻で感動的だ。
先輩医師である清川と理恵のキレのある会話は、清川先生の飄々とした雰囲気とともによい味を出していて、扱っている内容は重くても、全体の風の通しを良くしている。
それにしても海堂さんの作品にはけっこう美形っぽい先生が毎度登場するような気が。いや、なんとなくそんな気がするだけで、もちろん異存はありません(笑)
この本を読んでから他の方のブログを回ってみて、既刊の『医学のたまご』にリンクしていることを知った。どうしようかと迷ってまだ買っていなかった(もちろんすぐに買いに行く)。ここに出てきた薫くんの話だったんですねぇ。

2008年3月25日読了
| 海堂 尊 | 18:14 | comments(12) | trackbacks(9) | | |

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♯ コメント

薫君の誕生秘話でした。

それにしても今回はタイムリーな話しでしたね。
いったい日本の医療はどうなっちゃうんでしょう!?


やっぱり、白鳥に改革を期待しなきゃダメなんでしょうか(^^ゞ
| じゅずじ | 2008/05/10 9:22 PM |
じゅずじさん。
卵の頃から君を知っているんだよって、薫君に言ってみたくなります(笑)
やはり白鳥にご登場願わなくては駄目かも。
それくらい逼迫した現代社会の医療制度を背景にした話でした。
| 雪芽 | 2008/05/11 7:28 PM |
こんにちはー。
今回は問題提起が前面に出てきて重たかったですね。
男女によって、受け止め度が違うだろうなーと思いました。
それにしても出産シーンはやばかった。
泣くまい、と必死に抵抗してやりました(笑)
| しんちゃん | 2008/05/14 11:41 AM |
こんにちは。
五人の妊婦がそれぞれの妊娠と向き合う姿と、産婦人科医療の現状を描いた物語でしたね。
これまでキャラクターだけが立ち過ぎて、キャラクター先行の雰囲気も強かったように思いますが、
今回はバランスが上手く押さえられていて、より一層物語のテーマが明確に打ち出されている気がしました。
| 藍色 | 2008/05/14 4:38 PM |
しんちゃん、こんばんは。
今回はなかなかに重いテーマでしたね。
出産シーンもぐっとなる感動ものでしたが、
その前のユミの決意の場面ですでに陥落でした。
無抵抗のまま流るるままにです。
| 雪芽 | 2008/05/15 9:12 PM |
藍色さん、こんばんは。
妊婦たちそれぞれの個人の問題と社会的医療問題。
双方の問題に果敢に立ち向かう理恵の姿が印象的でした。
海堂さんの描くキャラは個性が強烈ですからね。
キャラ読みの面白さも好きですが、今回はとにかくテーマに向って、すべてを圧して突き進んでいく力強さがありました。
| 雪芽 | 2008/05/15 9:20 PM |
雪芽さん、こんばんは(^^)。
今回の海堂作品は、結構シリアスな路線でしたね。
医療界の影の部分を色濃く描いた物語、ずっしりと来ました。
理恵の掲げる理想ははるか遠く、そこまでの道のりは困難を極める。
でも、ここから地道に変えて行かないと、痛い目を見るのは一般国民ですもんね。
行政の枠の中の医療ではなく、患者(国民)のための医療になってほしい。そう願ってやみません。
| 水無月・R | 2008/06/26 10:21 PM |
水無月・Rさん、お返事遅くなりました。
「ブラック・ペアン」といい、この作品といい、海堂さん物語の面白さを残しつつ、最近シリアス路線にいってますね。
産婦人科医が足りない、救急患者のたらい回し、長期療養病棟のベット数削減、医療はどこへ流されていってしまうのでしょう。
考えさせられる作品でした。
「医学のたまご」も早く読まなくては!
| 雪芽 | 2008/06/29 10:33 PM |
雪芽さん、こんにちわ。
これは色々と考えさせられました。たぶんあまりに海堂さんの言いたいことがありすぎるんでしょう、私の感覚だとついていけないところもありました。
でも面白く読みませつつもこれだけ考えさせるというのは、やっぱり海堂さんさすがだと思います。

「医学のたまご」雪芽さんはもう読まれたみたいですね。私も早く読まねば!!薫くんに会えるみたいで楽しみです!
| june | 2008/09/09 4:18 PM |
juneさん、こんばんは。
訴えかけたい医療の現状を描きながら、小説の面白さも充分、楽しませてくれる作品でした。
感情の部分で受け入れずらい部分もあって、引っ掛かりがあるからこそ、立ち止まって考えてしまいました。
「医学のたまご」も面白かったですよ〜
| 雪芽 | 2008/09/13 10:24 PM |
こんにちは。
今回はメッセージ性の強い作品で、いろいろ考えさせられました。

そして理恵の思いはわかる。だけど、あの患者にしたことは許されるべき行為ではないですよね〜。

薫君の出生ってこういう経緯だったんですね。
| masako | 2008/11/24 2:16 PM |
masakoさん、こんばんは。
ちょうどいま社会問題になっていることでもあり、深く考えさせられますね。
無理矢理じゃなくては突破できない閉塞感、理恵の行動は理解は出来ても、感情では納得出来ないのが、問題の困難さを表わしているようでした。
頭じゃわかっちゃいるけど〜、て奴です。
薫君の誕生秘話ですね。
| 雪芽 | 2008/11/24 10:24 PM |

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