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*「にわか大根―猿若町捕物帳」 近藤 史恵

にわか大根―猿若町捕物帳 (光文社文庫 こ 34-2 光文社時代小説文庫)
 
 にわか大根―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)

 近藤 史恵
 文庫: 299ページ
 光文社 (2008/3/12)



ちょうど時代物が読みたいと思っていたところだった。なんと間のよいことだろう、近藤史恵さんの時代ミステリーが文庫新刊で出ている。というか、近藤さんが時代物も書いていたとは知らなんだ。本書『にわか大根』は<猿若町捕物帖>シリーズ三作目にして初の連作短篇集だそうな。前二作の『巴之丞鹿の子』と『ほおずき地獄』は未読なので、いきなり三作目を読むのはどうなんだ、と少し迷うこところではある。シリーズものは読者として徐々に登場人物たちと馴染みになっていく過程も楽しいのだ。
うだうだと言いつつ結局読むことにする。だって、時代物が読みたいのだ!

男前でもてるのに堅物の同心・玉島千蔭と、お人好しでおっちょこちょいの岡っ引き・八十吉の名コンビが大活躍!
次々に起こる事件に、千蔭の勘と推理力が冴え渡る。
そんな中、千蔭に押しかけ女房が…?! 美貌の花魁・梅が枝との仲はどうなる?
軽妙と繊細が絶妙にマッチした、近藤史恵の真骨頂!
捕物帖と銘打っているだけあって、江戸を舞台に事件と謎を解きながら、軽快に物語りは展開していく。短篇なのでひと晩にひとつずつ読むにもちょうどよい。シリーズものだけど途中からでどうなの、という心配も無用のものだった。

主人公の玉島千蔭は南町奉行・定廻同心で据え膳食わぬ超堅物である。せっかく美男であるらしいのになんともったいない。せめてもう少し愛想がよければ、とはいらぬお節介。千蔭とコンビを組むのは人の良さそうな岡っ引きの八十吉。千蔭には同じく元定廻同心だった父・千次郎がいる。堅物の息子とは反対に人当たりのよい気まめな人物で、孫といってもいいくらいの歳若いお駒を後妻にもらっている。しかも、千蔭との縁談話が、いつしかお駒が千次朗に惚れての婚姻であったらしい。この三者の関係、池波正太郎の『剣客商売』に似ていなくもない。
彼らの周りを彩る人間も華やいでいる。ひとりは中村座の人気女形・水木巴之丞。ひとりは巴之丞と瓜二つといわれるこれまた吉原でも評判の花魁・梅が枝。ふたりは上方にいた頃からの知り合いであるらしい。

主たる登場人物からも想像されるように、歌舞伎の世界や吉原を絡ませた江戸ミステリーといっていいだろう。
「吉原雀」では遊女三人が相次いで亡くなる出来事があり、流行り病なのか、はたまた死の裏に事件が潜むのか、雀を手がかりに謎に迫っていく。
「にわか大根」は市村座の人気立女形、村山達之助に起きた異変を巡る謎に迫る。巴之丞さえ惚れ惚れしたという名女形が大根役者になったその理由とは。
「片蔭」は殺された船芝居の役者円蔵の事件に秘められた愛憎劇。複雑な感情が絡み合って思いも寄らぬ結末を辿ることの哀しさ。
各々の事件の流れとは別に、お駒の従姉妹で平野屋の娘おふくの恋の行方という話の筋もある。ただ、これは恋の行方といってよいのか。おふくのというより、もう片方の恋の行方、結末の話で、初々しくもきれいに収まるところに収まったのはめでたい。当事者以外では八十吉のみが知る恋の結実と恋の始まる一瞬は、おふくならずともちょっとキュンとならずにはいられない。

前二作もぜひ読んでみたい。

2008年4月5日読了
| 近藤史恵 | 19:25 | comments(0) | trackbacks(0) | | |

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