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*「ホルモー六景」 万城目学

万城目 学
角川書店
¥ 1,365
(2007-11)

笑いに笑った『鴨川ホルモー』の続編は恋です、恋!
抱腹絶倒、あの笑いの渦から恋が生成されるとは予想もしなかったが、これがねぇ、実に恋心溢れる作品集になっていて、いい意味で期待を裏切る続編なのである。仲良しホルモー仲間の女の子ふたりの恋と友情の顛末、楠木ふみ変身に隠された少年との淡い出来事、あの懐中時計に秘められた過去、芦屋の元カノ巴と失われたホルモーの謎、京都でホルモーを敵として戦った会長同士が東京丸の内で再会、時を越え長持を通して交わされる文と高村のチョンマゲの意味、ホルモーを背景に語られるむっつの恋の情景。
笑えるホルモーが恋するホルモーになっている。この手できたか。前作ホルモーはとんでもない笑いと戦闘場面が熱かった。今回のホルモーはあわあわとせつなさが押し寄せてくる。

第三景の「もっちゃん」は意外な人物が登場する。
文中にも描写があるが確かにもっちゃんの顔の作りはゴツイ。後にもっちゃんが誰であるかわかってからはなるほどの描写だと思ったが、すぐにはピンとこずに読んでいた。気づくのは安部ともっちゃんが丸善に立ち寄ったエピソードでのこと。これはあまりに有名過ぎるのでバレバレだからもうひとつのキーワードは書かずにおこう。こんなところでその名を目にするとは、ふい打ちだ。話の内容ともっちゃんの名前と、二重の意味でせつなさがよぎる作品だった。

むっつの短篇の中でとりわけ好きなのは最後に控えし第六景「長持の恋」
心鷲掴み状態とはこのことか。一度二度と読み返してみたくなる。
ホルモーに敗れて「ホルモオオオォォォー!」と雄たけびを空に放った者は、後日、何かが訪れる。主人公の珠美も雄たけびを発した者だった。
長持を介してやり取りされる珠美ことおたまとなべ丸の文。最初はたわいもなくほのぼのとしたものだったのが、しだいに心が通い合い、最後になべ丸が書いた文を読んだ時には、もう涙涙で……、とってもせつなくて、時を隔てた恋は障壁があまりに高い。叶わぬ恋心の辛さに涙し、最後は叶わぬ恋に起きた奇跡に涙したのだった。
高村のチョンマゲにはこんなわけがあったのか。それにしても万城目さん、『鴨川ホルモー』を書いた時からこの話を考えてのことだったのだろうか。あの時は奇異に映ったチョンマゲがいまは愛おしく映る。

2008年3月29日読了
| 万城目学 | 15:34 | comments(8) | trackbacks(5) | | |

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♯ コメント

雪芽さん☆こんばんは
高村のちょんまげにそんな秘密があったとはねぇ〜!
こんな恋が成立するのも京都だからなのでしょうか?
| Roko | 2008/05/06 7:56 PM |
ちょんまげが時空を越えた恋のしるしだったなんて、まさかまさかです。二人の乙女の悲しき戦いがもたらした意外な結末と言い、今度の万城目さんはビックリするほど巧みでした。
| たまねぎ | 2008/05/07 12:25 AM |
Rokoさん、こんばんは。
ちょんまげ恐るべしです。
ちょんまげが恋のアイテムとして流行るかも。
(そんなことはありえませんか・笑)
でも、京都の風景の中だと他の場所よりはしっくりきますね。
| 雪芽 | 2008/05/07 10:10 PM |
たまねぎさんへ。
笑えるホルモーだからと油断していました。
前作で大笑いして頃にはこんな日がくるとは思いもよらずです。
どの作品も意外性の中に疼く恋心いっぱいでした。
| 雪芽 | 2008/05/07 10:14 PM |
こんばんは。

歴史を感じましたねぇ。
しかも、東でも…

先月京都に行った時、「新島襄」先生の自宅を発見したときは、「ホルモー」と思わず叫んでしまいました(笑
| じゅずじ | 2008/05/10 9:27 PM |
じゅずじさん、こんばんは。
京都だけではなかったというのが驚きでしたね。
「ホルモー」と叫んだのですか?
あら、その後お変わりありませんか(笑)
| 雪芽 | 2008/05/11 7:30 PM |
TBさせていただいたので御挨拶です。
やっぱり「長持ちの恋」評判いいですね。私も一番好きでした。切なくてしみますね。
約束の場所、琵琶湖があんなところにあったなんて…
| 山手のドルフィン | 2009/12/20 10:55 PM |
山手のドルフィンさん、こんばんは。
「長持ちの恋」は意表をつかれました。
笑い渦巻くホルモーシリーズにポツンと咲いた恋の花というのが印象的で、越えるに越えられない究極の遠距離恋愛がせつないお話でした。そして最後は意外なオチににっこりです。
| 雪芽 | 2009/12/27 6:28 PM |

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『ホルモー六景』 万城目学
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| Roko's Favorite Things | 2008/05/06 7:53 PM |
ホルモー六景  万城目学
ホルモオオオオォォォーッ。 というわけで『鹿男あをによし』が絶賛放送中の万城目さんの『ホルモー六景』です。デビュー作『鴨川ホルモー』の番外編的内容ですので、まずは『鴨川ホルモー』を読まないと意味が分からないと思います。ホルモーはじめ登場人物達の人間
| 今更なんですがの本の話 | 2008/05/06 8:12 PM |
【ホルモー六景】 万城目学 著
名作「鴨川ホルモー」の続編… このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはや
| じゅずじの旦那 | 2008/05/10 9:23 PM |
ホルモー六景<万城目学>−(本:2008年124冊目)−
ホルモー六景 # 出版社: 角川書店 (2007/11) # ISBN-10: 4048738143 評価:82点 ある意味衝撃を受けた「鴨川ホルモー」の世界観を引継ぎ、そのサイドストーリーをちりばめた作品。 どれもこれも趣向を凝らしてあって楽しめた。 前作(前々作か?)をこれだけ
| デコ親父はいつも減量中 | 2008/09/18 11:37 PM |
○読書記録○ 「ホルモー六景」 万城目 学
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| The 近況報告! | 2009/12/20 10:21 PM |
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