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*「星のひと」 水森サトリ


水森 サトリ
集英社
¥ 1,680
(2008-04)

 青は何の色、空の色、海の色、孤独の色。
スノードームは遠目で見ると宇宙にぽつんと浮ぶ地球のようでもある。
本屋で見た時から気になって仕方なかったのはひとつにこの表紙、ひとつに隕石。ある日隕石が住宅地に落ちて、一軒の家に穴を穿つ。大小様々なことが起こる世の中だけど、住宅に隕石が落ちてきたっていうのは、けっこう珍奇な出来事だ。宇宙から、地球の殻を破って、ようこそ迷子の隕石。

隕石が落ちてくるよりも大きな奇跡
ありふれた住宅地に落ちた隕石が、孤立した人々に与えた一瞬の逢瀬。
〜本の帯より〜

図書館で予約した本が次々と借り出し可能になって手元にあるのは5冊。次々と借りたら、次々と読まなくてはいけない。ついでに次々と感想も書けばよいのだが、そうは簡単にいかないのが困ったところだ。なんにせよ、昨日の夜ですべて読み終った。
水森サトリさんの第19回小説すばる新人賞受賞作『でっかい月だな』は未読だが、『星のひと』といい星好きな方なのだろうか。たぶん思い入れがあるんだろうなというのが伺えるタイトルだ。それは内容についてもいえる。

ルナ/夏空オリオン/ながれ星はぐれ星/惑星軌道

ある日、槙野草太の家に隕石が落っこちてくる。町は騒然、草太の身の回りも、通う中学のクラスメイトたちも騒然となる。隕石が人を呼び、孤独を生きる人々が心を寄せ合うよっつの連作短編集。

 「ルナ」の伊刈はるきはいま地球にいる自分がほんものではない、いつか月に帰って、そうすれば本物の自分になれると信じている女の子。
(え、かぐや姫ですか)
ここではないどこかに存在場所を求め、同じ年頃の周りにいる女の子たちを冷めた目で見る。痛々しいくらいに自意識が膨らんで、張り裂けそうになっている。月に憧れるはるきは自分のところではなく、クラスメイトの草太の家に隕石が落下したのが悔しい。
「夏空オリオン」で決定的な瞬間を迎えてしまった草太の両親、草一郎とさっちゃん。隕石が落ちてこなければ、変わらず気づかず、そのまま過ぎていったのだろうか。優しさってなんだろうねぇ、草一郎さん。たくさんの人に愛されてもいるけど、たったひとりの人をちゃんと愛してあげなくちゃ。でも、草ちゃんは天然系でそれさえも気づいてない様子。お人好しな草一朗さんはけっこう好きだなんだけどね。
「ながれ星はぐれ星」のビビアンこと耕平も隕石に引き寄せられたひとり。ある思いを胸に草太の父、草一郎を訪ねてやってくる。
「惑星軌道」の高宮明浩はいわゆる不良少年というやつだが、密かに理科系オタクな過去を持ち、これもまた隕石が気になるひとりなのだ。

隕石を巡り、人の思いが出会いを呼び、変化が起こる。

草太は誰の心にでもすっと入っていける、誰かれ問わず光射す太陽のような男の子。イイコなんだ、とっても。そんな彼の中にある孤独。太陽にも黒点があるみたいに。早く大人にならなくちゃって、これも精一杯の背伸びだろう。急がず子どもは子どものままにいさせてあげたい。父さんて呼ばせてあげたいな。

全員大集合のラスト、孤独な星も寄り添えば少しは温かい。

2008年9月12日読了

追記 今日は満月 十五夜 ○
| ■ま行の作家■ | 16:40 | comments(2) | trackbacks(1) | | |

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♯ コメント

こんばんは。
いろんな登場人物が抱える孤独。
心理描写が巧みでした。
ラストが、良かったですよね〜。
記事の
「孤独な星も寄り添えば少しは温かい。」に
思わず、うなずきました。

| 藍色 | 2008/09/16 2:41 AM |
藍色さん、こんばんは。
それぞれの登場人物の気持ち、抱える思い、ほんと心理描写が巧いですね。
共感できる部分もたくさんありました。
賑やかで気持ちのよい最後でしたね〜♪
惑星直列って表現がいいなぁ。
デビュー作も読んでみなくては!
| 雪芽 | 2008/09/16 10:37 PM |

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| 粋な提案 | 2008/09/16 2:41 AM |
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