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*「幼年期の終り」 アーサー・C・クラーク


アーサー・C・クラーク,福島 正実
早川書房
¥ 756
(1979-04)
 2008年3月19日、アーサー・C・クラーク氏永眠。
ハインラン、アシモフと並ぶSF界の第一人者の死を惜しむ気持ちとともに、大好きだった作家がまたひとり逝ってしまった寂しさが残る。彼の作品からどれか1冊、読み返してみようと選らんだのが、『幼年期の終り』である。昔読んだのは、創元推理文庫の『地球幼年期の終わり』だったと思う。今回はハヤカワ文庫にしてみる。福島正実の訳だ。
数あるクラーク作品からこの本を選んだには理由がある。3部から構成されている本書の1部のみ、後に作者自身の手によって改稿が施されている。改稿後の新訳が去年、光文社古典新訳文庫として刊行された。そちらと読み比べてみたいと思ったのだ。

名作は色褪せない。50年以上も前の作品ということを感じさせない面白さだ。時代の変化、科学的進歩のスピードを考えると、内容によってはSF作品は不利な場合もあるからだ。改めてこの作品の凄さを再確認できて、嬉しい気持ちになる。

人類が宇宙に進出したその日、巨大宇宙船団が地球の空を覆った。やがて人々の頭の中に一つの言葉がこだまする――人類はもはや孤独ではない。それから50年、人類より遥かに高度の知能と技術を有するエイリアンは、その姿を現すことなく、平和裏に地球管理を行なっていた。彼らの真の目的は?そして人類の未来は?
宇宙知性との遭遇によって新たな道を歩みだす人類の姿を、巨匠が、詩情豊かに描きあげたSF史上屈指の名作。
 結末は覚えているものの、ずいぶん前に読んだ作品だから、物語の展開は忘れている。読みながら後追いで思い出していくといった具合だった。逆にいえば新鮮な気持ちで楽しむことができてよかったのかも。

第1部は主要都市上空に浮ぶ宇宙船の主、オーバーロードと呼ばれる宇宙人たちの総督カレルレンと、地球人との唯一の窓口、国連事務総長・ストルムグレンを中心に展開する。なぜ人類の前に姿を現さないのか。ただ上空から見守るだけで、彼らの真の目的は謎のままだ。
カレルレンとストルムグレンとの間に、友情(あえて呼ぶなら)のようなものが通い合うところがいい。

第2部では50年が過ぎている。カレルレンの言葉どおり、オーバーロードたちは真の姿を人類に明かす。だが、謎だった彼らの姿は、その時代の人々にはすでに衝撃ではなくなっている。いったいどんな姿だったのかは、ここでは書かないことにしよう。ある特定の信仰を持つ人たちには、衝撃的な姿なのだ。
戦争もいっさいの争いもなく、生活のために働くこともない、まさにユートピアな時代がやってきていた。
この2部には伏線がたくさん張ってあるのだけど、全然気づかなかった。

第3部でやっと地球人類が向おうとしている未来が見えてくる。さらなる進化を遂げる未来と、哀しい終末を知ることになるのだ。
始めは地球人目線で物語を読んでいたのに、3部になって真の目的が見えてきた時、しだいにカレルレンたちオーバーロードに、共感が移っていっていた。見守り続けるだけ、なぜ見守るしかできなのか、技術や知性では地球人が及ばない存在の彼らが抱える苦悩、絶望、希望。その視線の先にあるものとは。

最初のオリジナルと、改稿された1部のみ読み比べてみた。
全体の話の流れは変わらないが、オリジナルは初版が1950年代、米ソの時代で、当時が色濃く反映されている。改稿版では時代を21世紀にスライドし、女性宇宙飛行士が登場しているところがいま風か。
どちらを読んでも、物語の面白さは変わらないという気はした。

2008年8月15日読了
| SF | 22:16 | comments(2) | trackbacks(1) | | |

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♯ コメント

こんにちは。
ハヤカワ文庫のしか読んでませんが、
永遠に色あせない傑作ですね。
第3部からの物凄いストーリーには、
どこからこんな無茶苦茶な展開を思いつくんだろうと
あっけにとられました。
最後は文字通り宇宙の果てまで飛んでいきますものね。
作者のイマジネーションの凄さに圧倒された一作です。
| 木曽のあばら屋 | 2008/09/15 10:22 PM |
木曾のあばら屋さん、こんばんは。
まさに想像を超えた展開で、あの最後は凄いですね。
すべてなくなってしまうとは思いませんでした。
根こそぎもって飛んでいってしまいましたね。
一度読んでいるのにまた夢中にさせる、この作品の素晴らしさパワーには脱帽です。
昔読んだSF小説、また読み返したくなりました。

| 雪芽 | 2008/09/16 10:27 PM |

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SFに魅せられはじめてる
最近になってSF小説に魅せられはじめてる自分がいる。 発端はというと、以前書いた「本棚探偵の冒険」と、一時期ちょこっと話題になってた「長門の100冊」、この2つの影響が強すぎる。 そんなわけで最近SF小説を読みあさってる。 とはいってもまだ新参者、ハヤカ
| 自分文庫 | 2008/09/17 5:49 PM |
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