本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
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*「西瓜糖の日々」 R・ブローティガン


リチャード ブローティガン
河出書房新社
¥ 798
(2003-07)
記憶が曖昧だ。
言葉の断片だけが氷山の一角みたいに頭の中にぽっかり浮んでいる。

西瓜、西瓜食べたいな。違う。西瓜、西瓜、西瓜は丸い。違う、違う。西瓜、たしかに西瓜で、だから西瓜がどうした。西瓜のつくタイトルの本を読みたいと思ったのは覚えている。西瓜なんだよ、それだけは確信をもって呟く。その先が、むにゃむにゃむにゃ、となって言葉の形を失う。
ふふ、でもやっと見つけたのだよね。桜庭さんの『書店はタイムマシーン』で発見。長い間咽の奥につかえていたものが取れてすっきりだ。
さっそく図書館で借りる。
コミューン的な場所、アイデス“iDeath”と“忘れられた世界”、そして私たちとおんなじ言葉を話すことができる虎たち。西瓜糖の甘くて残酷な世界が夢見る幸福とは何だろうか…。澄明で静かな西瓜糖世界の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映して若者たちを熱狂させた詩的幻想小説。ブローティガンの代表作。
「BOOK」データベースより
読む前から、西瓜糖という言葉の響きがすてきと思う。
くっきりとした輪郭をもたない、淡く甘やかな味覚が、口の中からからだの隅々まで広がって、気づけば西瓜糖世界にいる。
西瓜糖で出来た小屋、西瓜糖の橋、西瓜糖のインクで物語を綴り、夜には西瓜糖鱒油が燃える。ゆったりと穏やかに流れていく西瓜糖世界、人々が交わす言葉のリズムが心地良い。とても短い言葉の応酬だったりするんだけど、そこがまたいいんだよね。

西瓜糖の世界と対を成すのは<忘れられた世界>であり、言葉を話す人食い虎が存在した虎の時代も過去にあったようだ。
物語は静かに進行しながら、語り部である男を巡る恋、<忘れられた世界>の近くに住むインボイルを中心とした集団のこと、唐突に西瓜糖世界を襲う暴力と流血を織り交ぜて描いている。
全体の調子はとても穏やかだ。だが西瓜糖という甘い香りに反して、どうしようもない悲しさも物語から滲み出てくる。その悲しみさえも淡々と受け止め流れていくのが、西瓜糖世界の物語であるが。

図書館で借りた本は単行本で、珍しいくらいに表紙が朽ちてボロボロになり、中のページも時の経過を感じさせるほどに薄く黄ばんでいた。まあ、こんな姿になってと思いながら、書店のカバーをかけて読んだのである。読み始めてみると、本のくたびれ具合さえも、西瓜糖世界が醸し出す雰囲気によく似合うと思えてきた。過去にあった世界、セピア色に沈む遠い世界をみる懐かしさに似て。

ブローティガンは『愛のゆくえ』を読んだことがあるが、あれも風変わりな話だったなぁ。
書店でこの『西瓜糖の日々』の文庫本をみつけたので購入した。
また後々読み返してみたくなりそうな気がするのだ。

2008年11月8日読了
| ■は行の作家■ | 17:24 | comments(2) | trackbacks(0) | | |

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♯ コメント

あ、ブローティガン〜!!
実は今手元に「芝生の復讐」を持っているのです。
松浦弥太郎さんのエッセイの中にブローティガンのことが書かれていて俄然読みたくなって買ってきたばかりなのですが。
こちらは短編集なのですが、とっても不思議な雰囲気の作家さんですよね。
西瓜糖・・とっても気になる響き!!。おいしそう〜(笑)こちらも気になります♪

12月ももう中旬ですね。
読んだ本はいろいろあるのに、ブログにちゃんと感想を挙げたのが少なくて・・。
来年はもうちょっと書きたいなあ・・なんて(早くも来年の話なんて・・苦笑)思ってます。
といいつつ・・、今日はお休みなので本屋さんで物色!!その前に雪芽さんのところでいいの教えてもらおう〜!!とお邪魔しました(笑)
メモして出かけてきます〜(笑)


| 瞳 | 2008/12/17 10:15 AM |
瞳さんのお手元にもブローティガンですか!?
おお〜、なんて奇遇。
松浦弥太郎さんのエッセイは文庫でしょうか。本屋に寄ったらちょうど見つけたので、中をパラパラ。
エッセイの見出しでブローティガンの名前を叫んでましたね(笑)
この本は文庫で200ページほど、サクっと読めてしまいますよ。

2008年も10日あまり。
読んだ本の感想アップが消化しきれずに終りそうです。
来年こそは!と心に誓う年末になりました。
今頃、瞳さんのお宅はきれいな電飾で飾り付けられているかなと、いつも12月になると思い浮かべます。
| 雪芽 | 2008/12/21 9:03 PM |

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