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*「百瀬、こっちを向いて。」  中田永一

恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』で話題となった表題作「百瀬、こっちを向いて。」を含む短篇集であり、中田永一さん初の単行本。ピュアで少しせつない、まっすぐな若さゆえに残酷な棘もあるよっつの恋模様。濁りのないまっしろな装丁も包み込む世界にぴったりだ。

中田さんが注目されたという恋愛アンソロジーは未読なので、表紙と同じくまっしろな気持ちで読み始めた。
 恋人の目を欺くためと先輩から頼まれた偽装恋愛で付き合った女の子に恋してしまう「百瀬、こっちを向いて。」
ダブルデートといいいかにも十代の恋愛風景だなとのほほんと読んでいたら、意外な棘が隠されていたこと驚く。ただまっすぐな若者の「純愛」を描くというだけではなさそう。

「なみうちぎわ」は文章の波間に揺れる原始の海の詩的美しさや、お姫様が長い眠りから目覚めたら醜いアヒルの子だった小さな男の子が白鳥の王子になっていたというお伽噺のような展開、過去に秘められた真実を軸にしたふたりの心理、どれをとっても巧みで秀逸な作品。

「キャベツ畑に彼の声」は声が恋に結びついていってさらにその奥にある秘密を知ることになる女子高生の話。主人公の部屋から見えるキャベツ畑が彼女の空想の場となっていて、成長していくキャベツとふくらんでいく恋心の相関性が目に浮ぶようで、むず痒いくらいピュアなところがかわいらしい。

最後の「小梅が通る」は美人過ぎることで散々嫌な目にあってきたことから、普段はわざとブスメイクをする女の子の恋を痛快にコメディタッチで描いた作品。ここに出てくる主人公の柚木がかわいい。いや、実際誰が見てもかわいい子なのだけど、自分がかわいいことに対するトラウマも嫌味なく納得できるし、そんな彼女を中身で理解してくれる人間関係も生まれそうで、ほのぼのとしたキュートなラストだった。

これからが楽しみな新人作家登場!と読んだ時に思ったのだけど、某有名作家が書いているらしいという話をのちに知った。へえ、あの人がと思う。誰が書いたにせよ魅力的な作品であればよいのだ。よっつの中では「なみうちぎわ」がとくに印象に残った。原始から続く青い海の中にはいろんないきものがいて、海の生物だけでなく愛も生まれるのだ。

 2008年11月30日読了
| ■な行の作家■ | 14:44 | comments(14) | trackbacks(6) | | |

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♯ コメント

こんにちは。TBさせていただきました。
あの作家さんが書いていると言う噂は本当なんですかね。
でも、良い作品であれば良いですよね。同意見です。
私も「なみうちぎわ」が印象的です。
素敵な話だなぁと思いました。
眠り姫みたいで、素敵でした^^
| 苗坊 | 2009/02/11 4:28 PM |
苗坊さん、こんばんは。
噂の真偽は謎ですが次回作が待たれます。
「なみうちぎわ」はけっこう残酷な思いも見え隠れしてしていて、ちょっと海の底のようにダークなところ含め好きな作品でした。
眠り姫、そうですねぇ名前も姫子だからぴったり!
| 雪芽 | 2009/02/11 5:23 PM |
こんばんは。
同じく、表紙の通り、ピュアな感じを受ける短編集でしたね。
どの作品もそれぞれに味わい深かったです。
「なみうちぎわ」は、SF仕立てのコールドスリープ。
小太郎が姫子に最後に真実を話すところが素敵って、思いました。
| 藍色 | 2009/02/14 2:19 AM |
こんばんは。
ピュアな心は忘れちゃった。でも切なさは浸みてきます。
ミステリとしての切れも抜群でまた読みたいな〜。
ところで山白朝子は読みましたか?(笑)
| しんちゃん | 2009/02/14 5:00 PM |
藍色さん、こんばんは。
「なみうちぎわ」は小太郎が告げる真実に驚き、それを受け止める姫子、淡いだけじゃない恋の結末が強く印象に残っています。
逆に最後の作品はかわいさ極まれりで、色合いは違いますがどの作品も素敵でした。
| 雪芽 | 2009/02/15 12:10 AM |
しんちゃん、こんばんは。
ピュアな心はどこかに忘れてきてそのままです(笑)
そんな心にもせつない作品たちでした。
ミステリとしても面白かったですね!
山白朝子さん、読みましたよ〜
これもあのひと?
近々感想書いてTBに伺います。
| 雪芽 | 2009/02/15 12:15 AM |
こんばんは。
各短編に仕掛けられた謎も良かったですよね〜。
そして、各編のキュンと切ない恋にもグッと心を掴まれて、好きだ〜と思う短編集でした。
| エビノート | 2009/02/15 7:52 PM |
エピノートさん、こんばんは。
恋愛小説に謎が仕掛けられているところがドッキリでした。
せつなかったり、キュンとなったりがよかったですね。
好きだ〜と私も読み終わってしみじみ思いました。
| 雪芽 | 2009/02/15 11:45 PM |
雪芽さん、こんにちは。

ぼくはへそ曲がりなのか、皆さんがおっしゃるほどには、好きにはなれませんでした。
「レベル90」と「レベル2」のように相手と自分を比較して、極端に自分を貶めるような心のありようがイヤだったのかもしれません。

物語に織り込まれた謎に感心しましたが、もし「あの人」が作者なら、なるほどと納得です。
| touch3442 | 2009/03/10 12:22 PM |
touch3442さん、こんばんは。
些細なことですごく凹んだり有頂天になったりの揺れ動く思春期。
ああ、青春だなと思いながら読みました。
そんな彼らもやがてしぶとく生きる大人になっていくんでしょうね。
と、願いたい。
謎を織り込む小技が効いていて、「あの人」という噂も納得してしまいますね。
| 雪芽 | 2009/03/13 7:02 PM |
雪芽さんこんばんは。あの人という噂を聞き手にしたのですが、読んでる間はそんなことは半分忘れてました。面白かった。
読み終わって振り替えると、それぞれが抱える胸の痛みなどが、言われてみればなのかもと。でも、真実がどうよりも、他の作品が読みたいです。
| たまねぎ | 2009/04/01 10:29 PM |
たまねぎさん、こんにちは。
もう1冊あの人が書いたのではないかと噂される作品がありますが、そちらもすごくよかったんですよ。
図書館で借りたので今後の再読の為購入したくらいです。
真偽のほどはともかく、次の作品が読みたくなりますね。
| 雪芽 | 2009/04/19 4:47 PM |
雪芽さん こんにちは
恋はいつでも突然ですね 笑
素敵な短編集、どの作品もほろ苦かったです 笑
| yori | 2009/05/17 1:33 PM |
yoriさん、こんばんは。
準備する余裕もなく、恋は突然やってくるもの。
予告なしですね。
お知らせしてよは通じません。
ほろ苦さを噛み締めながら、新鮮な印象で読みました。
どれも素敵でしたね。
| 雪芽 | 2009/05/17 6:06 PM |

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