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*「スノーフレーク」 大崎 梢

大崎 梢
角川グループパブリッシング
¥ 1,575
(2009-02-27)

 スノーフレークという言葉それだけでもうこの本への親近感が沸いてくる。
なんであれ雪に関する諸々に惹かれてしまう。雪の本は気にかかる。雪の結晶が使われたグッズとかも手にしては買うに迷う。ネット上のかりそめの名に雪の字を使っているくらいだし、この分身ブログの元となった本体は「snowflakes」という名だった。本物の雪片と同じく、言葉で綴った雪の欠片たちは目的が終り消えてしまったが、この物語の主人公真乃の幼なじみ速人は、「溶けない雪の欠片を見にいこう」と約束したまま小学生の時に亡くなってしまう。
溶けない雪の欠片?それはいったい……

函館から進学で東京へ行くことが決まった高校三年生の真乃。忘れてしまおう、ふと彼女が漏らした決別の言葉。時を同じくして速人によく似た青年・勇麻が目の前に現れる。
もうひとりの幼なじみ亨、真乃、勇麻、三人を結びつける過去の真相。一家心中、ひとりだけ見つからなかった速人の遺体。もしかして生きているのか。
過去が現在に繋がった時に味わうほろ苦いせつなさを描いた青春ミステリー。
 もしもずっと忘れられずにいる人によく似た人が現れたら?
似ているというだけですでに強い吸引力が働いている。似た人を通して立ち現れる過去。ましてや一家心中でひとり死の確証がないままの速人によく似ているのだ、心が動かないわけがない。
勇麻の出現によって過去の扉が開き、身の回りで起こる不思議な出来事が真乃を事件の真相へと導いていくミステリー。さらには物語終盤で真乃、亨、勇麻、それぞれに口を閉ざし語ることのなかった真実が明かされる。誰とは書かないけれど、これって子ども心に抱え込むには重過ぎる。
事の真相に大きくかかわる不思議な一団の登場はやや突拍子もない演出で、現実感とはかけ離れているように思ったが、ありえないことが重なったことで生まれた速人の謎。あくまでも物語としては面白いからいいか。

謎解きとともにラブストーリーの要素も含まれる。あの子は誰それちゃんが好きで、誰それちゃんは誰が…と幼い恋心は予想外の相手に向かっていたりする。勘違い、誤解は男女の思惑をより複雑にしてしまったようだ。

物語に登場する花、スノーフレークとスノードロップ。よく似ていてもふたつの花が違う花であるように人も同じ、似ていることはけっして同じじゃない。忘れ難い過去と目の前の恋に揺れる気持ち。どちらを選ぶのか。
真乃だけが知っていたこと、速人と共有していたものをぼかすためか、途中恋心の向かう先は見えてこなくて、最後になってえっそうなの!とちょっと驚いた。

封じ込められた過去が明らかになることで、速人の出来事があった当時に置き去りに去れ傷ついたままの三つの魂が、未来へ向かって解放される、生きるものにとって癒しのあるラストだった。

函館は何度か訪れている場所。懐かしくもあり、また行ってみたくもありだった。

2009年5月28日読了
| ■あ行の作家■ | 22:22 | comments(8) | trackbacks(4) | | |

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♯ コメント

真乃の思いのベクトルがどこに向かっているのか、
もどかしく思いながら読みました。
良いやつだなぁ〜亨と好感を抱いていただけに余計に。
驚きの部分もありましたが、最後はああなるほどねぇとなったのでよかったです。
| エビノート | 2009/06/04 8:52 PM |
こんばんは。
ミステリとしてはあれれ?って感じだけど
この作家さんには、そこはハナから求めちゃいない。
青春ものとして十分に堪能できました。
でも、傑作は「夏のくじら」でしょう。
| しんちゃん | 2009/06/05 6:24 PM |
エビノートさん、こんばんは。
亨はいい奴ですよね。
軽いようにみせてほんとは頼りになるし、意外と一途。
最後は収まるところに収まってよかったです。
| 雪芽 | 2009/06/05 11:37 PM |
しんちゃん、こんばんは。
ミステリは求めない、なるほど〜(笑)
青春の匂いいっぱいの作品でした。
「夏のくじら」はいいですね!面白かった。
北海道のよさこいソーランは来週から始まります。
| 雪芽 | 2009/06/05 11:42 PM |
3人が抱えてきたもの、子供には重すぎますよね。
ほろ苦くて切ないものがあったので、
それだけにラストの明るさに救われました。
早春の函館、可憐なスノーフレーク、旅立ちの春、
すがすがしい青春小説でした。
こういうの好きです。
| june | 2009/07/02 9:46 PM |
juneさん、こんばんは。
3人それぞれの痛み。
青春の痛みというには重すぎました。
それでも前に歩みだそうとする話であり、
希望があって読後感はよかったです。
青春小説ってやっぱりいいですよね。
いくつになっても、いえいえ、
青春のただ中でも、過去の記憶としてでも
やはり青春ものはよいのです。
| 雪芽 | 2009/07/05 10:41 PM |
こんにちは。
TBさせていただきました。
最初は、真乃ちゃんがどこへ行ってしまうのかと突っ走っているのが心配だったのですが、素敵なストーリーでした。
3人(4人?)の抱えている問題はとても重くて辛かったと思いますけど、今度こそ前を向いて生きていってほしいなぁと思います^^
| 苗坊 | 2009/09/19 11:25 AM |
苗坊さん、こんにちは。
いつもTBありがとうございます!
真乃ちゃんの真実を知りたい気持ちもわかるし、でもなんだか危うい感じもあって心配になる展開でしたね。
それぞれが抱える問題を越えて成長していく、青春ストーリーらしいラストがよかったです。
| 雪芽 | 2009/09/27 4:11 PM |

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