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*「恋文の技術」 森見登美彦

森見 登美彦
ポプラ社
¥ 1,575
(2009-03)

この本を手にした時はまだ雪の季節だった。目に青葉、時すでに新緑の6月である。ぼやぼやしている間に来月初めには新刊の『宵山万華鏡』が出るようだ。ファンタジック京絵巻!、らしいので『きつねのはなし』みたいな妖しく幻想的な話だろうか。楽しみなお知らせではあるが、風がぴゅうぴゅうと身に沁みる頃には、毛玉たちの話の続きなんぞも読みたいと思うのだが森見さん、如何?

最後に手紙を書いたのはいつだろう。誰に宛てて書いた手紙だったか。
手紙を書くのは好きだった。夥しい数の手紙を書いた。一度に何枚も書いた。時に便箋も封筒も手作り、素材に趣向を凝らしイラストも入れる。熱狂的な手紙の時代だ。“白ヤギさんではないのですから、読まずに書くのはやめてください”、文通武者修行に励む本書の主人公守田の森見氏を叱る言葉が耳に痛い。
どうしてあんなに夢中になったのだろう。
忘れていた手紙の楽しさを思い出させてくれた1冊だ。
そこかしこに炸裂するモリミーワールド的オモチロさも堪能できます。

京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。
 京都から遠く離れた能登半島の実験所で研究に励む守田一郎が、京に住む友人、かつて家庭教師をした教え子、大学の先輩、高校生の妹、作家の森見登美彦氏らに書き綴る書簡形式の物語だ。
とはいえ往復書簡ではない。読むことになるのは守田が書き送る手紙だけ。
一方的な書簡の羅列なのに飽きさせないつくりはさすが。守田の書く文から読者は文通相手の手紙を想像し、読まない手紙との空白を埋める。複数の文通相手がいることで人間関係が立体的に映り、展開に膨らみが出ている。守田を中心としたオモチロイ人々が織り成す人間模様がとにかく可笑しい。可笑しすぎる!人間関係の意外な繋がり、広がり、大塚さんに翻弄される守田(情けなや〜)、恋の行方、いっこうに進まない恋文技術の習得、炸裂するおっぱいへの妄想などなどエピソードも盛りだくさん。
過去の森見作品のキーワードが散りばめられているのがこれまた楽しいのだ。猫ラーメン、酒を呑むための竹刈りで竹林への愛が不変であることを見せつけ、黒髪の乙女をはべらす森見氏や、森見語ともいえる独特の言葉遣い、どうしたってニヤリとしてしまう。
伊吹夏子さんへの失敗書簡集は七色の文体に笑おう。

主人公の守田一郎は大言壮語してはみせるもののどこか気弱で頼りなげ。これから人生の大海に漕ぎ出そうとする前の不安や戸惑いに、笑いとユーモアの棹差してなんとか前に進もうとする姿がしたたる悲哀と健気さいっぱいで、ここにも愛しき阿呆がひとり。

相手に話しかけるように手紙を書いていく楽しさであるとか、相手の返事を待っている間の楽しさであるとか、いざ返事が届いて封筒を開けるときの楽しさであるとか、手紙を何度も読み返す楽しさとか。

そうだった、書くことも待つことも開けることも読み返すことも楽しかった。
だから夢中で手紙を書いたのだ。
蛇足ながら天狗ハムを検索してみたら金沢にある実在のメーカーだった。
天狗ハムで赤玉を呑む、なんてのもいいかな。

2009年6月7日読了
| 森見登美彦 | 19:18 | comments(10) | trackbacks(5) | | |

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♯ コメント

雪芽さん、こんばんは(^^)。
オモチロイですよねぇ〜、ホントに!
随所に散りばめられる、モリミーの過去作品のキーワードも、非常にいい味を出してましたね。
作中の森見先生は黒髪の乙女をはべらしてますが、ご本人はご結婚されて、締切次郎と踊る奥様を眺める毎日だそうです(笑)。
これからも、愛あるトホホな青年たちを描いて、私を身悶えさせてほしいものです♪
| | 2009/06/07 10:21 PM |
水無月・Rさん、こんばんは。
やっぱりモリミーはオモチロイですね。
トホホな男子の哀切と滲み出る可笑しさに、このうえなく萌えてしまうのでございます。
次はどんなヘタレ男子が登場するのかと楽しみです♪
森見さんご自身はお幸せそうでなによりですよね〜
締切次郎がちと邪魔ですが。
| 雪芽 | 2009/06/08 9:38 PM |
こんにちは。
私もちょうどこの本を読み終わったところです。

展開が膨らんで、妄想が膨らんで、面白さのパンパンに詰まった一冊でした。

天狗ハムのHPも見てみました。
軽くあぶった天狗ハム、いつか食べてみたいですね。
| 空穂 | 2009/06/08 9:53 PM |
こんばんは。
空穂さんも同じ本を読んでいたんですね〜
主人公の妄想が楽しくて可笑しくてつい笑ってしまいます。
天狗ハム、軽くあぶってもぐもぐと…
一番食べてみたいのは猫ラーメンなんですが、これは無理ですよね。


| 雪芽 | 2009/06/08 10:11 PM |
こんばんは。天狗ハム、実在しているんですかっ!??
うわー。後で検索かけてみなくちゃ。うわーうわー。
天狗ハムで赤玉を飲むなんて、いいですねー。

この本、もりみー初心者の人にも勧めやすい気がします。
片思いのうごうご、初めての一人暮らしの寂しさ、将来の見えない心細さ、こういったことは大抵の人が少なからず体験していると思うので。
| 香桑 | 2009/06/08 10:33 PM |
こんばんは。
天狗ハムをつまみに偽電気ブランを飲む。
締めは猫ラーメンで。夢のような飲み方ですね(笑)

最近、電気ブランが飲めるお店が増えています^^)
| しんちゃん | 2009/06/09 6:38 PM |
香桑さん、こんばんは。
そうなんですよ〜、実在のハムだったんですよ、天狗ハム!
ひゃあ、こりゃ食べたいぞと即ネット注文したくなりましたが、ぐっと我慢がまん。
『有頂天家族』の続編が出たら赤玉とセットで賞味したいと思っています。
それはいつ?もりみーのみぞ知る、です。
共感できる部分が多いので入門本としてもお薦めしやすいですね。
| 雪芽 | 2009/06/12 6:43 PM |
しんちゃん、こんばんは。
もりみーワールドグルメツアーがしたくなります。
電気ブラン飲めるお店ありますか!?
行〜き〜た〜い。飲みた〜い。
森見さんの本にはなぜか懐かしさを感じてしまう。
食べ物への郷愁なんでしょうか。
| 雪芽 | 2009/06/12 6:47 PM |
びっくり!天狗ハムって実在してるんですか!!
いや〜びっくり!
偽電気ブランも猫ラーメンももしかしたら実在しているかも?
「もりみーワールドグルメツアー」是非ともしてみたいですね!その際はお供に加えてくださいませ♪
手紙のみの構成でしたが、オモチロク読むことが出来ました。全部直筆の手紙だったんでしょうねぇ〜きっと。守田はどんな文字を書くのか、実際に見てみたいです!
失敗書簡集は、途中から文字もぐだぐだになってそう(笑)
| エビノート | 2009/06/12 9:26 PM |
エビノートさん、こんばんは。
あるんです〜、天狗ハム。冗談半分に検索したのに実在していて逆に驚きました。
グルメツアーの際はぜひご一緒に♪
>全部直筆の手紙
おっとそうですね、きっと守田ならそうに違いありません。
言われるまで考えてもみませんでした。
どんな文字か想像するのも楽しいですね。
失敗書簡集後半にいくにつれ乱れ乱れる字。
それもまた心情がリアルに出て味があります。
| 雪芽 | 2009/06/14 11:59 PM |

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『恋文の技術』/森見登美彦 ◎
いやいやいや・・・(^_^;)。やってくれますねぇ、森見登美彦さん! 「愛と笑いとツッコミ処満載、トルネードな妄想あふれる、トホホ旋風」がもう〜、スンバラシイです、モリミー。 ・・・やっぱり大好きだぁ〜! 手紙文(しかも一方からだけで返信文は掲載されてない
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