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*「体の贈り物」

体の贈り物
レベッカ・ブラウン
話す、食べる、歩くといった、普段の日常生活であたり前のように行なっている行為が、あたり前のことでなくなっていく中で、失われたものが多くなるほど、自分に残された“できること”が大きな意味を持つようになる。
ほんのささやかなことだけれど、とても大切なことでもある“できること”に託される希望と自負。

重い病に侵されサポートを必要とする人の元へ、UCS(アーバンコミュニティサービス)からホームケア・エイドとして派遣される主人公の私。
エイド先のリック、ミセス・リンドロム、エド、マーティ、キースらとの触れ合いが、11の短篇として綴られている。
11の物語は涙の贈り物、肌の贈り物、姿の贈り物と、どれにも「何々の贈り物」というように、贈り物という言葉がタイトルに付されている。重い病を患うエイド先の彼らが向う先はひとつだ。これは決して奇跡の物語ではない。奇跡が起こす感動の物語ではない。けれども、確かにそこに何かしらの贈り物があることを感じ取ることができるだろう。
表紙の淡い色彩のような、淡々とした文章だ。
登場人物達の語り口は率直で、感情を誇大に装飾する表現はない。現実の重さを感傷的に押し付けてくることもない。それでも言いようのない思いが心に残る。それと気づかずに、ひとつの短篇を読み終わる度、静かな感動に包まれていたといえるかもしれない。

とくに印象深く思ったのをいくつか取り上げてみると。
「汗の贈り物」でリックが用意した<ホステス>のシナモンロール。あるお気に入りの店へ行ってお気に入りのシナモンロールを買ってくる。ありふれた日常のひとコマに見える。でも、リックの場合は違う。主人公の私がこのシナモンロールを食べる場面が心に残る。これは特別なシナモンロールなのだから。

「涙の贈り物」、人は悲しかったり嬉しかったり感動したり、いろんな理由で涙を流す。感情のままに涙を流せることの幸せを意識したことがあるだろうか。涙の一滴さえ、贈り物に思える。

「希望の贈り物」、ケースマネージャーとして長年働いてきたマーガレットの身に、思いも寄らないことが待ち受けていた。マーガレットが主人公の私に言った最後の言葉が深く響く。

「悼みの贈り物」のコニーの言葉。
悲しみって必要なのよ。悼むってことができなくちゃいけないのよ。

この本は2004年に文庫になっている。だから文庫としても新刊ではない。先週本屋へ寄った時、表紙を出して並べられていた。なんとなく手に取って、読みたい本のような気がして購入した。遅ればせながら出会えてよかった。
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