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*「リトル・バイ・リトル」  島本理生

リトル・バイ・リトル
島本理生
目に映る風景、肌に受ける風、周りには自分以外の他人がいて、いつも何かしら感じたり、考えたり、ただぼ〜っとしていたり。言葉を口にすることもあるけれど、言葉は音にならず、自分の中でどこへか向って漂っていることもある。

島本理生の文章を読みながら思った。
なんだろうこの感覚は?
言葉の息遣い、そんな言葉が浮んだ。
息を吸い、息を吐き、時々大きく深呼吸して、ある時はちょっと溜息もつく。主人公ふみの言葉の息遣いに、知らず知らず自分の呼吸が重なっていくようで、いつの間にかほんとに自然にこの小説の世界に溶け込んでいた。
主人公はふみ。高校を卒業してアルバイトをしている。まだ小学生のユウちゃんは父親違いの年の離れた妹。いまは母と姉妹の3人暮らしだった。
多少なりとも複雑な家庭環境が作り出した思い出は、主人公にとって楽しいばかりではないだろうと、はたから見れば思うことも、

そして、そんな最中でも楽しい瞬間もあった家庭生活。いいこともいやなことも決して忘れないように、自分にとっては何もかも必要なことだったと考えながら思い出す。

と、こんなふうにふみは考える。
とても肯定的な思いだけど、元気よく前向き過ぎないところに、ふみの性格が見えてくるようだ。

家族のことも、人に訪れる突然の死も、恋への過程をゆっくり辿っていく周とのことも、多感なふみの感情を揺らしながら、でも、しっかりと彼女の中で受け止められていく。
この物語全体に流れているふみの言葉の息遣いから感じる、仄かに香るせつないような想いと、夜の先へ歩いていこうとするひとつひとつ歩みが瑞々しく、ここにはまだ青春と呼べるものが存在している。
ひとりの少女の日々に起こる大なり小なりな出来事が、どちらかというと淡々と綴られていることがかえってリアルで、ふみの息遣いが確かに感じられるような、消えない印象が残る作品だった。

第25回野間文芸新人賞受賞作。
| 島本理生 | 21:47 | comments(4) | trackbacks(3) | | |

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♯ コメント

こんばんは!
主人公ふみの言葉の息遣いが魅力ですよね。
悲観しすぎることもなく、無闇に前向きなわけでもなく、いろんなものを受け止めながら少しずつ前に進んでいる、ふみの姿にも好感が持てました。
| エビノート | 2007/05/12 11:40 PM |
エピノートさん、こんにちは!
主人公が自然体なせいか、すごく受け入れやすくてよかったですね。
これでスポ根系の女の子だったら、と想像すると^^;
| 雪芽 | 2007/05/13 3:20 PM |
こんにちは。
遊びにきました。
書道の先生の奥さんの死は、とっても辛いんですけど、受け止めていましたよね。
「言葉は言ってしまったら魂が宿る」
いろんな意味で教訓でもあり、暗示でもあり、願いでもありますよね。

こうやってふみさんは成長していくんですね。
幸せな未来だと思います。
| よし | 2007/05/27 5:57 PM |
よしさん、いらっしゃいませ!
遊びに来て頂いて嬉しいです。
辛いこともきちんと受け止めていくふみは、無理に背伸びしない、自分の身の丈で考えて行動している姿に好感が持てます。
言霊ってよく言いますが、日頃の自分を考えてちょっと反省。
またこちらからもお邪魔させて頂きますね。
| 雪芽 | 2007/05/27 10:26 PM |

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