本や映画の感想、日々の雑感などを徒然に書いております
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*「紅はこべ」

紅はこべ
バロネス・オルツィ
物語は1792年9月、パリに始まる。
フランス革命最中、時代が貴族社会から共和制に向おうとしている頃のお話。ベルバラファンならば心騒ぐ時代でもある。飛び交う民衆の怒号と歓喜の声。貴族達を待ち受けていたのは飽くなく血を欲するギロチンの刃。
ところが思いも寄らぬ大胆な行動によって、この恐怖のギロチンから颯爽と貴族達の命を救い、イギリスへ亡命させる謎の一団が現れる。小さな星の形をした花を印とする一団のことを、人々は『紅はこべ』と呼んだ。
イギリスとフランスを舞台とした同時代の小説といえば、ディケンズの『二都物語』がある。二都とはロンドンとパリのこと。
青年貴族の身代わりとなるシドニー・カートンのキリスト教的自己犠牲と、最後刑場へ向う時にみせた他者への救済を描きつつ、物語はシリアスな結末へと向っていくのだけど、同じ舞台背景ながら「紅はこべ」は、娯楽性に富んだ痛快な冒険と愛の物語となっている。

イギリスきっての伊達男で、富裕な貴族パーシー・ブレイクニーの妻となったマルグリートは、元フランス座の花形女優で、類まれなる美貌とヨーロッパ一の才媛といわれた知性を持つ女性。
幸福な結婚をしたはずのマルグリートだったが、夫パーシーがみせる物憂げで愚鈍な表情には、求愛時の情熱を思わせるものはもはやなにも残されていなかった。
なにかが変わってしまった。そこにはマルグリートが結婚前に係ったある貴族一家の事件が関係していた。
極一部の側近しか素性を知らない『紅はこべ』の首領は誰なのかということは、物語上さほど重要ではない。確かに、その大胆不敵で機知に富む行動は痛快である。フランスの全権大使で、『紅はこべ』探索のスパイでもあるショーヴランとの駆引きは、読んでいてわくわくする部分だ。
けれど、物語の中心的位置にあるのはマルグリートといえるかもしれない。
失われた夫パーシーの愛を取り戻せるのか。
「紅はこべ」はマルグリートの冒険物語という一面もある。
愛は強し。
愛と勇気と行動力、と書くと何かの標語みたいだけど、とにかく夫の愛を取り戻したいという一念で突き進んでいくマルグリートは、健気でかっこいい女性。しかも自分の美貌が相手に働きかける武器になることを、無意識にかちゃんと知っているしたたかさも持ち合わせている。

昔から何度か読んでいる本ではあるし、話の展開もわかっているにもかかわらず、再読してみてやはり面白かった。
作品は1905年1月に出版されている。大仰でベタな台詞に展開もこの時代ならではだろうか。でも、そこがまたいいのだといえる。
最近BSで「紅はこべ」を放送していたようだ。チェック不足で見逃してしまったのが残念。
| 推理・ホラー・冒険 | 11:25 | comments(4) | trackbacks(0) | | |

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♯ コメント

「紅はこべ」、懐かしいです。
先日TVで放映されることを私も教わっていたのですが、殆どTVは見ないので見損ないました。(^^;)
創元推理文庫の冒険ものは傑作が多くて、「紅はこべ」と一緒に楽しんだのは「怪傑ゾロ」「黒いチューリップ」「スカラムーシュ」でした。
普通はボケーッとしていながら実はその真実の姿は・・というのは英雄ものの定番のようなものですけど、「紅はこべ」は女性が特にいいですよね。
やはり女性が描いたからでしょうか。(^_^)
 
| 信兵衛 | 2006/02/26 11:22 PM |
信兵衛さん、こんばんは!
コメントまで入れて頂いてありがとうございます。

それに「紅はこべ」をご存知とは、嬉しいです。
創元推理文庫の「紅はこべ」は、昔父の本棚から拝借して読んだものなんです。あとは「鎧なき騎士」なんかも。
信兵衛さんがあげていらっしゃるその3冊、まだ読んだことがありません。
面白そうですね。
先日も本屋に行った時、「黒いチューリップ」が気になってはいたんですが。

信兵衛さんのHPに伺うと、海外の文学作品も多く取り上げてあって、すごく懐かしい気持ちになるんです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
| 雪芽 | 2006/02/27 9:07 PM |
うわ、雪芽さん、懐かしいわ「紅はこべ」
BSでやってたんですってね、私も見逃したのですが、なぜかだんな様がみていたらしく(こういう話を見ない人なのに)面白かったって言ってましたよ。
私も新兵衛さん(初めまして〜)と同じで「紅はこべ」というと「ゾロ」「黒いチューリップ」そして雪芽さんが書いてらした「ニ都物語」を思い出します。

「紅はこべ」が印象的なのは、この頃読んだ作品でこんなに女性が強くて生き生きしていたのって珍しいからかなあ・・って思います。
| 瞳 | 2006/02/27 11:01 PM |
あ、瞳さんもご存知でしたかこの本。
嬉しいな、「紅はこべ」仲間がいて。
どういうわけでだんな様はBSの「紅はこべ」を
観たんでしょうね。
ここにいる3人とも見逃しているのに。
面白かったと聞くと、ますます観たい気がします。

物語が書かれた時代を考えると、女性の強さが際立ちますね。
たおやかで強いところが魅力的で好きなんです。

信兵衛さんのところにお邪魔すると、
瞳さんも好きな本にあげてらした、アンシリーズも
あるんですよ〜
私も一時ハマってたんですね。
といっても「アンの愛情」から先へはまだいってませんが。
| 雪芽 | 2006/02/28 8:47 PM |

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