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*「この本が世界に存在することに」

この本が、世界に存在することに
角田 光代
一生のうちに一体何冊の本を読むことができるのだろう。
かつては未知なる世界を抱え込んだ無数の本があることを思い、愕然とした気持ちになることもあった。
とても全部読みきれない。

あとがき、エッセイ交際履歴は著者の本との交際履歴を綴ったもの。本に対する思いは同じ本好きならば共感できるところが多いのではないだろうか。
無数の本があって、自分なんか及ばないほどたくさんの本を読んでいる人がいる。著者は五百倍、千倍と書いているが、そんな読書人に追いつこうという努力は無駄だと。

私は呼ぶ本を一冊ずつ読んでいったほうがいい。
そう、本は人を呼ぶのだ。
一時期ほとんど本を読まないで過ごしたせいか、一生のうちに何冊読めるのだろうという焦りのようなものはすっかりなくなってしまった。いまは本との出会いが楽しい。

「この本が世界に存在することに」は、本を巡る9つの物語が収められた短編集。ひとつひとつの物語に、どこかしら共感する部分を見つけられる。特に印象に残ったのをいくつかあげてみる。

「旅する本」
手放してもまた巡り合う一冊の本との不思議な縁。
古本屋に売ったたくさんの本のどれかと、またどこかで出会うことがあるのだろうか。いま誰の手元にあるのだろうか、どこか古本屋の棚に眠って私を待っているのだろうか迷子の猫のように。

「彼と私の本棚」
好きな男との別れに泣く主人公。でも、彼女が考えたのは髪を切ることじゃなくて、本棚を買いにいくことだった。新しい自分の始まりには新しい本棚。そこには新たな自分が積み重ねられていくんだろうな。
他人の本棚を見るのは好奇心をくすぐるけれど、自分の本棚を人様に見せるのはどことなく気恥ずかしい思いがするのは、自分の心の一部をみせるようだからなのか。

「引き出しの奥」
主人公はなるがまま誰とでも寝ちゃうような女の子。自分の意思があるようなないような感じの、ぐだぐだした学生生活を送っている。
彼女はある時伝説の古本の存在を知る。
その本はあまり有名でない作家の初版本で、裏表紙にびっしりと書き込みがしてあるという噂だった。なにが書かれているのか。古本屋で知り合った同じ大学の学生サカイテツヤと伝説の古本を探すうちに、主人公の気持ちが変化していく。
物語のラストが好きだった。
テツヤに手を引かれ走り出す場面。

どんどん近づく光景に、その一瞬の美しさに、わたしははっと息をのむ。

興味とか意志とか熱意というようなものが希薄だった無彩色の主人公の世界に、無数の色彩が流れ込んでいくのをみるような、鮮やかな最後のどんでん返し。最後でもっていかれた感じだ。

昨年、Book係数上昇中の瞳さんのブログで教えて頂いて、図書館に行ったらそこでじっと待っていたかのように棚にこの本があった。本に呼ばれたと感じた一瞬だった。
年を越しての感想になってしまったけど、これは文庫になったら手元に置いておきたい本の一冊だ。
| ■か行の作家■ | 12:48 | comments(7) | trackbacks(3) | | |

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♯ コメント

雪芽さんがこの本に出会えて嬉しいな。
図書室でじっと待っていましたか(笑)呼ばれたのですね。

呼ぶ本を1冊ずつ読んでいく・・
そうですね、私もそうしたいな〜。
この本を読んでから、なんだか本がいっそう愛しくなりましたね。

>無彩色の主人公の世界に、無数の色彩が流れ込んでいくのをみるような、鮮やかな最後のどんでん返し。
う〜ん、いいですね、雪芽さんの感想読んだら、また読み返したくなりましたよ。

文庫になったら、ぜひ手元に置いてあげてくださいね〜。
| 瞳 | 2006/02/27 11:06 PM |
雪芽さん、こんにちわ。
「引き出しの奥」のラストは、私も視界が急にぱっと開けたような鮮やかさを感じて、大好きだったんです!
>無数の色彩が流れ込んでいくのをみるような
まさにこの感じです。(私もこれが言いたかったけれど、うまく言葉にできませんでした)

本との出合いは、本当に楽しいです。これからどんな出会いがあるかしらと思うと、なんだかわくわくします。でも私は遅読なので、人より限られてるかも・・。そう思うとちょっと寂しいです。
| june | 2006/02/28 12:37 PM |
雪芽さん、こんばんわ〜
TB&コメントありがとうございました
O(≧▽≦)O ワーイ♪
私もさせていただきますのでよろしくお願いします

どんなレビューが書かれているのだろうって
楽しみにしてお邪魔したら、やっぱり期待通りでした(笑)
物語りずつコメントが書かれてあって、
そう言えば、あの時はそう思ったな、とか
この話はこうだったな、とかそんなに昔のことではないのに懐かしく思出だしてしまいました(笑)

レビューでも引用なされてましたが、「本が人を呼ぶ」
本当にそうですよね。
あ、良いなって思った本はそこだけ光が当たっているように
さえ見えてしまう。

だからでしょうか、積読本が増えていく……
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

これは、きっと、将来のために待っていてねってことなのかも知れないです〜(笑)
| littleapple | 2006/02/28 9:08 PM |
>瞳さん
図書館に行ったらね、ほんとにちょこんと棚にあって、
これだ〜って本を手にした時の嬉しさといったら。
本という形態はもともと好きでしたけど、
この本を読んだら愛おしいという言葉がまさにぴったり!
文庫にな〜れ、文庫にな〜れって、
待つ楽しさを感じながらのんびり文庫化を待ちます。
すてきな本のご紹介ありがとうございます!

>juneさん
こんばんは〜
こちらにもTBありがとうございます。
「引き出しの奥」のラストのように、
見慣れた風景が色めきたつ瞬間を感じることが
できたら素敵でしょうね。

継続は力なり。
亀のスピードでも、読み続ける中で、
出会えてよかった〜って思う本に巡り会う楽しさ。
だから本読みは止められません。

私も「のだめ」15巻限定本予約しちゃいました。
のだめマングースの誘惑に負けました(笑)
| 雪芽 | 2006/02/28 9:13 PM |
littleappleさんに感想読んで頂くのはどきどきです(笑)

>良いなって思った本はそこだけ光が当たっているように
それは自分の気持ちと共鳴しているからなのかしら。

積読本減りません。
でも、将来のどこかで積読本の中から読んで、
もっと早く読めばよかった〜なんて言いながら、
レビュー書いているかもしれないですね。

ではこれからブログにお邪魔しま〜す。
| 雪芽 | 2006/02/28 9:50 PM |
雪芽さん、こんばんわー。
うわー。のだめ15巻予約したのですね!
(あ、本と関係ない話題ですみません)
私だけ?(だいたひかる風に)と、思っていたので、
うれしいです!
一緒にマスコットつけましょうね!?
| june | 2006/03/01 10:19 PM |
juneさん、予約しちゃいましたよ〜
だいたひかる風という言葉にウケてしまいました(笑)
あなただけ、ではありません。
なんでもお腹を押すと「ギャボッ」と鳴く機能付きなんだそうですね。
一緒に「ギャボッ」「ギャボッ」いわせれば恐くない。
| 雪芽 | 2006/03/02 10:20 PM |

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