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*「のだめカンタービレ」のだめカンタービレ♯1〜14 二ノ宮 知子 今月の初めだったろうか、本屋に行った時、この漫画が14巻面出ししてずらっと並べてあるのを見かけた。 “こんなに笑えるクラシック音楽があったのか!?”とは帯に書かれたコピー。 クラシック音楽をあつかった漫画らしい。 どうやら笑える面白そうな漫画らしい。 なんだか『山田太郎物語』の時と同じニオイを感じる。 味見程度にまず2冊だけ買ってみることにした。 主人公野田恵、通称のだめは桃ケ丘音楽学園のピアノ科に通う音大生。 この音大には世界的に有名なピアニストの父を持つ、カリスマ的存在の千秋真一がいた。 この二人を中心に出てくるわ出てくるわ、強烈な個性のキャラクター達。なにしろ話が先へ進むごとに登場人物が増えてくる。そして皆どこかしら可笑しいし。 *「この本が世界に存在することに」角田 光代 一生のうちに一体何冊の本を読むことができるのだろう。 かつては未知なる世界を抱え込んだ無数の本があることを思い、愕然とした気持ちになることもあった。 とても全部読みきれない。 あとがき、エッセイ交際履歴は著者の本との交際履歴を綴ったもの。本に対する思いは同じ本好きならば共感できるところが多いのではないだろうか。 無数の本があって、自分なんか及ばないほどたくさんの本を読んでいる人がいる。著者は五百倍、千倍と書いているが、そんな読書人に追いつこうという努力は無駄だと。 私は呼ぶ本を一冊ずつ読んでいったほうがいい。 そう、本は人を呼ぶのだ。 *「紅はこべ」バロネス・オルツィ 物語は1792年9月、パリに始まる。 フランス革命最中、時代が貴族社会から共和制に向おうとしている頃のお話。ベルバラファンならば心騒ぐ時代でもある。飛び交う民衆の怒号と歓喜の声。貴族達を待ち受けていたのは飽くなく血を欲するギロチンの刃。 ところが思いも寄らぬ大胆な行動によって、この恐怖のギロチンから颯爽と貴族達の命を救い、イギリスへ亡命させる謎の一団が現れる。小さな星の形をした花を印とする一団のことを、人々は『紅はこべ』と呼んだ。 *本の耳先頃、現在使っているJUGEMのブログに、フリースペースの編集という機能が追加されました。 用意されているフリースペースは5つ。 今月になってから少しずつ手を加えていっているところです。 ひとつ目はblog peopleを使って“本のmy bloglist”を作ってみました。更新されると青い玉が光るようにしてあります。 青く光る玉にしてみたのは、印象深い荻原さんの「空色勾玉」、畠中さんの「空のビードロ」を思い浮かべてのことでした。 更新された印の青い光を見ると弾むような楽しい気分なのに気づいて、自分とこのブログも入れてみました。青い玉が出来るだけ多くの日輝くようにと、楽しみと励みの為。私にとっては馬に人参、猫にマタタビのようなものでしょうかね。 bloglistも少しずつ増やしていきたいなと思っています。 フリースペースふたつ目は“これからのレビュー予定” 読む都度感想を書けばよいものを、何冊も溜まってしまったものだから、これは自分用のメモのようなものです。 でも、上から順番に書くというのではなく、順不同、気分次第。 みっつ目のフリースペースは“読書予定の積読・再読本” 実を申せば、積読本はこんなものではなく、これはいわば積読本の氷山の一角です。 現在読んでいる本についてはちょっと遊んでみまして、文字が流れて動くようになっています。まあ、現在進行形ということで。 新しく本の耳というカテゴリーも作ってあります。 パンの耳、ロバの耳、南部煎餅の耳ならわかるけど、本の耳ってなんだ?なんでしょう。 読んだ一冊の本の中身についての感想というのではなく、ひとつのキワードで連想されるいくつかの本とか、本とさらに別ジャンルのもの、時には本とはまったく距離を置いた話題になるかもしれませんが、ここのとこがけっこう適当といえば適当ですけど、広い意味での本の周辺のことなど書いた時は、このカテゴリーに収まる予定です。 さて、本の耳はどこにあるんでしょう。 どこにあると思います? *「リトル・バイ・リトル」 島本理生島本理生 目に映る風景、肌に受ける風、周りには自分以外の他人がいて、いつも何かしら感じたり、考えたり、ただぼ〜っとしていたり。言葉を口にすることもあるけれど、言葉は音にならず、自分の中でどこへか向って漂っていることもある。 島本理生の文章を読みながら思った。 なんだろうこの感覚は? 言葉の息遣い、そんな言葉が浮んだ。 息を吸い、息を吐き、時々大きく深呼吸して、ある時はちょっと溜息もつく。主人公ふみの言葉の息遣いに、知らず知らず自分の呼吸が重なっていくようで、いつの間にかほんとに自然にこの小説の世界に溶け込んでいた。 *「放課後」何者かの殺意が覗くような出来事が身辺に起こり始める。 もしかして自分は狙われているのか? そんな不安を日常に抱え込んだ高校教師の危惧は、少しずれた形で現実のものとなる。 放課後の学校。教師が殺害される。 密室殺人の謎。 警察の捜索が続く中、第二の殺人事件が起こる。 殺されたのはまたもや同じ学校の教師。 この作品は作家東野圭吾のデビュー作にして、第31回江戸川乱歩賞受賞作ということだ。 東野作品を読むのは初めて。 *漢字バトン「柚子庵」の空穂さんから漢字バトンを頂戴しました。 「白鳥異伝」のレビューを探していて出会った先は、大好きな鉱石のレビューもあって、これも勾玉が運んだ縁でしょうか。 一番 前の人が答えた漢字に対して自分が持つイメージは? 【輪】輪廻、或いは連続する点が作り出す○ 【風】草原を渡り、布を孕ませ、香りを運び、見えないけど存在する 【古】いにしえ、古代遺跡とか歴史が好きなのでわくわくする文字 二番 次の人に回す言葉を3つ 【宙】【流】【透】 三番 大切にしたい言葉を3つ 【夢】【優】【想】 四番 漢字のことをどう思う? 宮城谷昌光さんの小説を読んで、漢字が持つ豊かなイメージに目から鱗でした。漢字って絵を見るのに近い。 漢字に限らず、ひらがな、カタカナ、アルファベットと、視覚的な選択肢が多くて、目でも味わう日本食のように、目でも感じることのできる日本語っていいなと思うのです。 五番 最後にあなたの好きな四字熟語を3つ教えてください この質問に思い浮かべたのはお相撲さん。 横綱、大関昇進の時、今度はどんな四字熟語かなっていつも思うから。 【和顔愛語】このような人にワタシはなりたい。努力だけでもと。 【晴耕雨読】雨降りのほうが多いことを願ってしまいます、きっと。 【有為転変】変わっていくことは失う事もあるけど、希望もあるから。 六番 バトンを回す7人とその人をイメージする漢字を。 お知り合いは7人もいないので littleappleさん【雫】零れ落ちる言の葉に魅了されてしまいます。 瞳さん【薫】芳しい午後の紅茶時間のように、ほっと温かい。 あじさいさん【咲】色とりどりに咲く花のように、楽しい明るさが魅力的。 lovebananaさん【慈】生きることへの一途さと、優しさが素敵。 お名前を上げた皆さん、お時間がありましたらお願いします。 *「薄紅天女」荻原規子 「勾玉」3部作の最後は「薄紅天女」 今回は少年阿高が主人公。前作で遠子がついに見つけることのできなかった明玉の所在が明らかになる。 これを読んだら勾玉シリーズも終わりかと思うと、とても名残り惜しい気持ちになるが、読み始めればノンストップで物語に引き込まれていくのは常のこと。 *「ぬしさまへ」 畠中 恵外で食事をした昨日、日本の闇や妖達を話の種に友人とのお喋りは尽きなかった。怖さより勝って、時に愉快な心持ちにさせる妖達の一面を際立たせて物語を紡ぎ出しているのが、畠中恵のこのシリーズではないだろうか。 「ぬしさまへ」は江戸の大店廻船問屋長崎屋の若だんな一太郎と、本性は妖である手代の佐助と仁吉、この3人に加えて「しゃばけ」からお馴染の面々が顔を揃えるシリーズ第二弾。 二作目ともなるとすんなりとその世界観へ入っていけるので、シリーズものはそんな気安さも嬉しい。 *「フロイト1/2」川原 泉 果して夢とはいかなるものか。 夢の中で会ったなら、忘れずに覚えていてくれるだろうか。 精神分析学の創始者で、一般向け書籍としては文庫にもなっている「精神分析入門」、「夢判断」などでも馴染み深いジークムント・フロイト博士。その名前を聞いてまず思い浮かべるのは、よく写真で目にする厳しい表情だ。 いかにも高名な学者然とした威厳ある雰囲気が全体から滲み出ている。冗談でも言おうものならひと睨みされるに違いない、間違っても冗談は止めておこうと思える人物像。 ところが川原泉の手にかかると、厳しい顔のフロイト博士もとたんに、寒いジョークを連発する面白いおじさんに変身してしまうことになる。 | 1/2PAGES | >>
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