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*クドリャフカの順番「十文字」事件 米澤穂信“2 限りなく積まれた例のあれ” あれって、あれですよ、古典部伝統の文集『氷菓』のこと。それがなに、限りなく積まれた?ということは…、折木奉太郎、千反田える、伊原摩耶花、福部里志の4人は、文集完売を目指して文化祭中奮闘することになるのだが、そこへもってきて謎の盗難事件が連続する。 犯行現場に残されるメッセージに記された「十文字」とは、何を意味するのか。犯人の名前か、それとも。文集は完売するのか。事件は解決するのか。 ほろ苦さを残す青春ミステリー。 *「13」 古川日出男13 古川 日出男 まず読み始める前に本のページをパラパラと捲ってみた。空間を埋め尽くす文字が視覚を威圧する。本を見開きにするとちょうどこんなふうに、■■、整然と並ぶ文字列が左右に四角い塊として目に映る。はぁ、これを読むのか。400字詰め原稿枚数1111枚。最初は読んでも読んでもページが進まない。 迷宮に迷い込んでしまったのか。 それはある意味当たっている。溢れる言葉と描写の緻密さ。言葉の向こうに作者が意図した世界が広がっていく。本書は作者のデビュー作だという。『アラビアの夜の種族』を読んだ時に感じた、独自の世界観を生み出す濃密な描写力というのは、デビュー作にしてすでにあったのかと驚く。 作者古川日出男は書き続けている。最近の作品はまだ読んだことがないので、その後の変遷はわからない。現時点ではとにかく濃密、濃いという印象の作家だ。読んだのが2作品とも長編だったせいもあるけど、読むには体力、気力のある時にじゃないと力負けしそうだ。 本の内容はというと、神を映像に収めることに成功したという男の話だ。 あれ、珍しく短い内容紹介になってしまったか。でも、不可視の存在である神を映像に、ということは“神が視える”ということだ。それだけで読んでみようかなという気にさせられる、でしょ? *「しをんのしおり」 三浦しをん*「タイムスリップ明治維新」 鯨統一郎タイムスリップ明治維新 鯨 統一郎 オリジナルの歴史の大河に出来た支流にタイムスリップしてしまった女子高生麓麗。時は1860年、場所は幕末の江戸。現代に戻るには、正しく歴史を進め支流を消滅させる必要がある。かくしてうららは幕末の武士達と明治維新を目指す。 *「にしむく士(さむらい)」 大和和紀(1巻) (2巻) 大和和紀 文庫1巻目のあとがきみたいなのを読むと、作者の大和和紀と担当さんはどちらも、池波正太郎の『鬼平犯科帳』のファンなのだとある。さらに作者は『剣客商売』と『真田太平記』と『鬼平』をローテーションにして読んでいるらしい。三作品とも読んでみたいと思っている作品。嬉しくて一方的な仲間意識が湧いてくる。 この漫画は『鬼平』の時代設定に合わせているそうな。そんなこと知ってしまうと、と〜っても『鬼平』が読みたくなってくるではないか。いまは『剣客商売』シリーズを読み始めたばかりなので、ここは浮気心を起こさず、次の池波作品のお楽しみとして取っておくことにしよう。 さて、本題に。にしむく士と書いて“にしむくさむらい”と読む。 *「森の いのち」 小寺卓矢*「接近」 古処誠二接近 古処 誠二 桜の花の咲く頃。 誰が言うともなく「桜の花の咲く頃」という言葉が流行りはじめた。それは何を意味するのか。桜の花の咲く季節、沖縄に米軍がやってくるだろうという予測。決戦への決意であり、勝利を期する思いが込められていた。 果たして昭和24年4月、米軍は沖縄本島に上陸。この時、主人公安次嶺弥一は満で11歳になる国民学校の児童だった。戦況の悪化、誰がスパイであるかわからないという猜疑心が、兵隊、島民の心と行動に暗い影を落とす。 日本兵に成りすまし諜報活動を行なう日系二世米兵と、沖縄口を禁じられ本土の言葉を強いられる沖縄の少年弥一。異なる文化背景を持つ両者が戦時下の沖縄で接近する。 *「アラビアの夜の種族」 古川 日出男〈1〉〈2〉〈3〉 古川 日出男 聖遷暦1213年のエジプト。読む者を捕らえて離さず破滅に導くという奇書『災厄の書』を探し出したことを、奴隷アイユーブは主人のイスマーイール・ベイに告げる。ナポレオンのエジプト侵攻を食い止めるため、その本をナポレオンの元へ送ろうというのだ。 カイロの片隅で、夜ごと語り部ズームルッドによって語られる物語は、能書家によって書き写され、美しい写本となっていった。 物語は聴きたいと願う者の前に姿を現す。夜の帳の奥深く、夜ごと語られる物語。語る者と聴く者、夜の種族である彼らの中で物語は命を与えられる。 第55回日本作家推理協会賞及び第23回日本SF大賞受賞。 連日の暑さにはいささか辟易しないわけではない。それでも文句と愚痴を百万語並べるよりは(誰に対して?)、灼熱の暑さが覆う砂漠の物語を読むにはうってつけとばかり、本書に没入したのはよかったかもしれない。50度の暑さに比べれば涼しいくらいだろう。 う〜ん、いやそうでもなかったかな。やっぱり暑いです(笑) ちょうど休みだったので週末いっき読み。 溢れるばかりの言葉の豊饒、流砂のように形を変える極彩色なイメージの氾濫。文章の濃密さに圧倒されつつ、その濃ゆさの連続に途中食傷気味な感じもあったけど、物語性の力とでもいうのだろうか、なんとか最後まで飽かず読み切った。 *「図書館戦争」 有川 浩私は今、毎日軍事訓練に励んでいます、と。 ひと言添えておくと、主人公は新図書館員に採用さればかりの22歳の女の子であって、けっしてそれ以外のなにものでもない。図書館と軍事訓練、掛け離れたふたつがひとつところにあることに意表を突かれる。 確かに本のタイトルには「図書館戦争」とある。でも、まさかそれがほんとうに言葉通り、図書館員達の実践的戦いを描くことを意味しているとは思わなかった。なんてとんでもない話なんだろう。またそのとんでもないところが面白さでもある。 昭和最終年度、公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された。この法に対抗することを期待して、既存の図書館法に第四章を加えるかたちで通称『図書館の自由法』が作られる。良化特務機関と図書館隊の応酬の激化に伴い、双方は武装化の度合いを増していった。結果、時に死傷者も出す激戦も起こりうることから、図書館の、しかも防衛隊員となることはかなりの危険を強いられる職務なのだ。笹原郁は女性としてその防衛隊を志望した希少な存在だった。 熱血感が過ぎていつも上司に怒られてばかりの笹原郁と、個性的な上司や同期の仲間達が本を読むことの自由、図書館の自由を守るために戦う痛快な笑いありの物語。 *デスクトップバトン“やぎっちょ”のベストブックde幸せ読書!!のやぎっちょさんから、「デスクトップバトン」を回して頂きました。 では、やってみたいと思います。 | 1/2PAGES | >>
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