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*「青空の卵」 坂木 司青空の卵 坂木 司 どうして卵なんだろう。綺麗に並ぶ表紙の卵を見ながら思った。 時がくれば内側から殻を突き破って、いっぱしのひよことしてこの世の空気に触れるであろう命。然しながら、それまでは卵という世界が命にとってのすべてである。その場所以外に世界が存在することなど知らぬげに、卵は完璧な世界として命を守ってくれる。コツコツコツと、内側から自らの意志で世界を壊し、外と繋がっていくのか。あるいは外側かわの力によって世界を知るのか。 *積読本の素ずっと積読状態になっていた坂木司さんの「ひきこもり探偵シリーズ」3冊を先週読んだのに気をよくして、今日は本の買い出しに行ってきた。身も心も軽くなった気分で本を選べるというのは楽しいな♪(まだまだ積読本が数限りなくあることは忘れているらしい)たぶんそこいらじゅうに買う気満々オーラを発していたことだろう。 購入したのは単行本2冊に文庫3冊。んんん?せっかく積読本を減らしたのに、結果2冊増えることになってしまったではないか、と買ってから気づく。遅い。 痩せてもリバウンドで前以上に体重が増えるだめだめダイエットのような、日々の細々とした節約分が水の泡と化すバーゲンの無駄遣いのような、積読本無間地獄とはほんとうに恐ろしい。こうやっていつまでも抜け出すことが出来ずに、買っては積み、読んでは買って積んでいくのだろうか。 おまけに読了済で感想を書いていない本まで1冊、2冊、3冊……、まずい。 まあ、今日のところは君達読了本にはいっときご退場願うとして、買った本の話に移ろう。 表紙の金魚に惹かれて気になっていた恒川 光太郎さんの第12回ホラー小説大賞受賞作「夜市」と、最新作「雷の季節の終わりに」を合わせて購入。どちらもとっても表紙がきれい。 来月12月はクリスマス月ということもあり、それにちなんだ本も買ってみた。 他にT・カポーティの「クリスマスの思い出」も読みたいのだが、どこの本屋にもないようなのだ。同じ村上春樹氏訳の「グレート・ギャツビー」は山のように積んであるというのに。 問題はクリスマス本をクリスマスまでに読めるかということだ。 ジングルベルの鳴る25日を過ぎて、いっきに師走とお正月が押し寄せる雰囲気の中で読むのも気分が出ない。せめてクリスマスのタイトルが付く本だけでも世の中がクリスマスムードに染まっているうちに読んでしまおう。去年買って読む時期を逃し、一年間積読本になっていた「クイリスマス・ボックス」の例があるからな〜 *「水滸伝(2)替天の章」 北方謙三*「水滸伝(1) 曙光の章」 北方謙三水滸伝〈1〉曙光の章 北方 謙三 十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちがいた―。世直しへの強い志を胸に、漢たちは圧倒的な官軍に挑んでいく。地位を捨て、愛する者を失い、そして自らの命を懸けて闘う。彼らの熱き生きざまを刻む壮大な物語が、いま幕を開ける。第九回司馬遼太郎賞を受賞した世紀の傑作、待望の文庫版刊行開始。 「BOOK」データベースより まず禁軍(近衛兵)武術師範の王進が登場する。王進がこの巻の主軸かと思ったら違った。武術全般に抜きん出てたすぐれた人物であったが、高潔な実直さが上の者に疎まれ、叛乱の罪で処断されそうになり、年老いた母とともに出奔し表舞台からは早々に退場してしまう。王進に槍だけは勝るとも劣らぬ力を持つのが師範代の林沖(リンチュウ)で、実は彼がこの巻の中心を担う人物である。 *雨、アラレ、初雪今日は朝から突風が吹き荒れていた。 傘を差していても傘ごと持っていかれそう。まるで空飛ぶメリー・ポピンズ?ならいいけどそんな優雅な状態ではない。必死、必死! 大きな雨粒は一瞬にして白い雪に変わる。 雪の白さは雨粒の透明な光に変わる。 おまけにアラレも降ったから空も大忙しだったことだろう。 11月12日、初雪。 まだ根雪にはならない。だけど確実に冬は近づいているようだ。 *「風が強く吹いている」 三浦しをん10人で襷を繋ぐ箱根駅伝にギリギリのたった10人で挑む。しかもほとんどは陸上経験のない素人集団。なんて無謀な。冗談か!? 「頂点」を目指して走る若者たちが向えたゴール。果たしていかなる結末が彼らを待っていたのか。 *「センセイの鞄」 川上弘美センセイの鞄 駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。 「BOOK」データベースより 淡々とした想いに揺れながら、ゆったりと流れていくセンセイとツキコさんの時間が、独特の淡い文章で優しく描かれている。 *「ナイチンゲールの沈黙」 海堂 尊東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。 第4回『このミス』大賞受賞作である『チーム・バチスタの栄光』に続く第2弾。 *「沈黙」 古川日出男沈黙 古川 日出男 沈黙、そうだ本のタイトルは沈黙だったと突然のように思ったのは、読み終えて少し間を置いてからだった。唐突に沈黙という言葉が肥大する。何故沈黙なんだ? ルコと称される音楽を追い求めて膨大なレコードを蒐集し、「音楽の死」と題された11冊のノートを遺して逝った大瀧修一郎。遺されたレコードとノートの迷宮に深く沈潜し、修一郎の痕跡を辿りながら徐々にルコと重なり合っていく秋山薫子は、やがて根源的な悪である人間の闇と対峙することになる。 デビュー作『13』では色彩を、2作目となる本書では音楽を、3作目の『アビシニアン』では(未読だが)文字が鍵となるらしい。 膨大なレコードに針を落とす薫子の周りにはいつも音が満ちていたが、物語の中ですっと沈黙の時が降りた場面があったことを思い出す。 *文化の日の過ごし方地下鉄中島公園駅で降り地上に出ると、紅葉の秋只中の景色が目に飛び込んでくる。特に中島公園入り口から視界のずっと先まで続く銀杏並木には目を奪われた。或いは心を奪われたと言ってもいい。 黄色、黄色、どこまでも黄色の帯が連なっている。 うわぁ、凄いね〜!と思わず言葉にせずにはいられない。 もうひとつ凄いなと思ったのが人の多さ。犬を散歩させたり、散策したりといった地元の人間の他に目に付くのは、大きな旅行鞄を手にした観光客の姿だ。中島公園もけっこう人気な観光スポットなのねと感心する。道が分かれるところに差し掛かり、多くの人の流れは重要文化財にも指定されている豊平館(ホウヘイカン)へ。やっぱり目的は同じじゃなかったか。 秋の昼下がり、お天気も上々で風もなく穏やかな空気に包まれる心地良さに、自然と足取りものんびとしたものになる。急ぐことはない。 | 1/1PAGES |
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