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*2006年 読む観る2006年に読んだ本・漫画、観た映画。 漫画は青文字表記。 *「古道具 中野商店」 川上弘美古道具 中野商店 川上 弘美 だからさぁ、と唐突に話を始めるのが癖の中野さんが営む店は古道具屋。高値の品物が並ぶアンティークではなく、あくまでも古道具ということにこだわりがあるらしい。東京近郊の小さな古道具屋中野商店に集う店主の中野さん、姉のマサヨさん、アルバイトとして働くヒトミとタケオ、中野さんの愛人サキ子さん、怪しげな常連客らが繰り広げる、懐かしい匂いを伝える小説。 *「みぃつけた」 畠中恵みぃつけた 畠中 恵 しゃばけシリーズを読んでいると、ちいさな鳴家たちにほっこりとした気持ちにさせらる。 うちにもひょっこり現れてくれないかな、なんてことを思ってしまう鳴家ファンには嬉しい1冊だ。 身体が弱くて寝込んでいることの多い幼い一太郎は、ある日小さな小さな小鬼たちと出会う。外で遊ぶことの出来ないひとりぽっちの寂しさ。 ねぇ、お友だちになってよ。 いちばんのお友だちに! 一太郎の願いは叶うのかな。 柴田さんが描く鳴家たちの活き々々と動きのある姿が、とってもとってもかわいい。みんな同じ姿形なのに、個性溢れる表情に顔も綻ぶ。ずべんと仰向けで無防備に眠りこけていたり、寝ている一太郎を心配しておでこにちょこんと手を当てみたり、チーム鳴家の見事な技もお楽しみあれ。最初から最後まで、みんなでわいわいがやがやと騒がしく愉しげだ。 鳴家たちと一緒にいる一太郎も嬉しそう。 気持ちが温かく和むこの本は、プレゼントにもちょうどよいかもしれない。そう思い自分にプレゼントしたわけである。 本にはちょっとした仕掛けがしてある。表紙の真ん中がま〜るく穴が開いていて、そこからちび一太郎が顔を覗かせている。黄緑色の表紙をぱらりんと取ってみると、ああ、なるほどと思うようになっているのだ。 今回のお楽しみは1000名に当たる特製しゃばけ大福帳! いっそのことしゃばけシリーズのグッズを作ってくれないだろうかと思ってしまう。 (2006年12月16日読了) *「幸福な食卓」 瀬尾まいこ幸福な食卓 瀬尾 まいこ 家族という単位を普段はとくに意識することもない。あまりに自然であたりまえのことのように思っているから。ところが、 「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」 いつも家族が顔を揃える朝の食卓で、本の主人公佐和子の父は、父親を辞める意志を伝えるのである。 お〜、出だしから意表を突く驚きの展開だ。 *「パレード」 川上弘美パレード 川上 弘美 時間が通り過ぎていく。振り返ると懐かしい場所、懐かしい出来事、懐かしい人の顔が浮んでくる。それは本の中の人であっても同じこと。言葉が伝えようとする感情の襞をなぞり、同じ風景を見た。とっても近くいたように思えた。現世に在る人でも、自分の世界に息づいていない人達はたくさんいる。そう考えればセンセイとツキコさんは、確実に自分の中に息づいている存在だといえるのではないか。 『センセイの鞄』の外にある、私達の知らないセンセイとツキコさんの時間。ツキコさんがセンセイに物語る子どもの頃の話。まどろむある夏の午(ひる)さがり、ツキコさんの言葉の響きと、センセイの手の温もりに、ふんわりと包み込まれるような気がする物語。 *ミュンヘンクリスマス市で気分はドイツ大通り公園がホワイトイルミネーションに彩られるこの季節。同じ場所の一角で、ミュンヘンクリスマス市が開催される。 これまでなかなか足を運ぶ機会がなかったのだけど、昨日の夜初めて行ってみた。 *「クリスマスのフロスト」 R.D ウィングフィールドクリスマスのフロスト R.D ウィングフィールド ずっと気になっていたフロスト・シリーズを読むと決めていざ本屋へ向う。3冊並んでいる文庫をチェックしてみら、「クリスマスのフロスト」がシリーズ第一弾だというじゃないか。 これは今年もまだ暑い日の出来事。 待ちましたよ、12月がやってくるのを。本の舞台となるデントンも雪。我が街も雪。ちょうど読みごろである。別にうららかな春に読んでも、うだる暑さの夏に読んでもいいわけだけど、やはり「クリスマスのフロスト」は、クリスマスシーズンに読むほうが雰囲気が盛り上がろうというもの。 出だしからいきなり驚かされる。これからフロスト警部とお近づきになろうという矢先の出来事がなんと、なんと!なのである。 ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。日曜学校からの帰途、突然姿を消した八歳の少女、銀行の玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物…。続発する難事件を前に、不屈の仕事中毒にして下品きわまる名物警部のフロストが繰り広げる一大奮闘。抜群の構成力と不敵な笑いのセンスが冴える、注目の第一弾。 「BOOK」データベースより *「神様の食卓」 デイヴィッド・グレゴリー神様の食卓 デイヴィッド・グレゴリー 今日は朝から雪が止むことなく降り続いている。呆れるほどによく降る。外を見ればどこもかしこも真っ白けだ。このぶんだと今年は間違いなくホワイトクリスマスだろう。 クリスマスは言わずと知れたイエス・キリストの生誕を祝う日。ここ日本ではいまの時期、本来の趣旨とははずれたところで、街中クリスマス一色で賑わいをみせている。宗教心より勝れる逞しき商魂だ。 誰かの手元に本の主人公ニックと同じような招待状が届いたとして、嘘でも行ってみようかと思う人間はどれほどいるだろう。イエスの名前は知っていても、どこか自分とは隔絶した馴染みのない人物であると感じながら読んだ本だった。イエスやキリスト教を自分の宗教基盤とする人が読んだら、もっと違ったふうに感じるのかもしれない。 平凡なサラリーマンのニックのもとに、夕食会の招待状が届く。場所は町一番のイタリアン・レストランで、差出人は「ナザレのイエス」を名乗っている。半信半疑のまま招待に応じてみると、現れたのは30代のスーツ姿の男だった。男は優しく深い語り口でニックを魅了し、疲れた心を癒していく。男は本物のイエスなのか?読み手の心まですっとほどいていく不思議なファンタジイ。 「BOOK」データベースより *「雷の季節の終わりに」 恒川光太郎雷の季節の終わりに 恒川 光太郎 角川書店 (2006/11) デビュー作の『夜市』を読みたいと常々思いつつ、買うでもなく借りるでもなく時が過ぎていくうちに、書店に並ぶ新刊を目にした。前作同様、目を引く美しい色合いの装丁である。2作目に急かされるようにして、2冊まとめて購入してみた。まだ1冊もこの作者の本は読んでいない。自分としては思い切った買い方だが、好みに合わないかもしれないとは考えなかった。実際読んでみると、まさにどんぴしゃりな本だった。 現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―? *「夜市」 恒川光太郎夜市 恒川 光太郎 ホラー小説というのは五感に響いてくる。自分は確かに見慣れた風景の中に座して、その本を読んでいるはずである。それでも微弱な物音、空気の僅かな震えに、なにかしら気配の予兆がないかと感覚が鋭く尖っていくのを感じるのだ。 この世とはまったく異なる世界の境目が、ひっそり道を開けていたら。もしも迷い込んでしまったら。自分がどこかへ運ばれていく怖さをこの本の中にみつける。同時に、戻ってはこれないかもしれないという怖さでもある。 大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。 BOOK」データベースより 第12回日本ホラー小説大賞受賞作の「夜市」の他、「風の古道」を同時収録。 | 1/2PAGES | >>
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