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*「セント・メリーのリボン」 稲見一良今回は新刊本ではない山から『セント・メリーのリボン』を読んでみることにした。 本を読むきっかけはいろいろある。この本は活字の砂漠で溺れたいのyoriさんから教えて頂いた。これまでハードボイルド小説を読んだことは皆無といっていい。稲見一良さんの名前も知らなかった。ブログをやっていなかったら出会わなかったろうし、読まずに通り過ぎてしまうには惜しい本だと思った。yoriさんありがとうございます。 失踪した猟犬捜しを生業とするアウトロー探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方をつきとめる仕事が舞いこんだ。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが、やがて…(表題作)。限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集。「BOOK」データベースより *「あやつられ文楽鑑賞」 三浦しをんえ〜い、こんな寒さなんか、寒さなんかこの本の熱気で吹き飛ばしてくれるわい。文楽大好きで、文楽に惚れ込んだ三浦しをんさんのほとばしる情熱で埋め尽くされた、文楽の入門書としても楽しい1冊だった。 *「面影小町伝」 米村 圭伍米村さんの作品を読んで感じるのは、人の心によぎるわびしさや哀感を、ユーモアで優しく包み込む、ほっこりした温かさだ。思うにまかせないこともある。けれど恨みを深くしたり、諦めて世を拗ねるよりは、吹く風に身を任せ飄々と慎ましく生きる。そこへめだか姫のような活き活きとしたキャラが登場し、悪い奴らを懲らしめるという痛快活劇に大喝采なのである。笑いの中に描かれるお色気も突き抜けて明るい。 これまで読んだ作品から受けた印象を書いてみたが、今回の作品は出だしからちょっと違った雰囲気で始まった。弥生三月、雛の節句の宴の艶やかさは、紀州秦栖(はたす)藩を揺るがすお家の一大事へと発展するのである。いきなりのシリアスな展開に意表を突かれる。 時を経てお江戸を賑わす評判の小町娘笹森お仙とは誰あろう、あのお仙ちゃんなのだ。とはいっても『風流冷飯伝』や『退屈姫君』シリーズを読んでいない方にはとんとわからぬことで相すみませぬ。機会があればどうぞご一読のほどを。 谷中の茶汲み娘・お仙は徐福の仙薬で色白美人に大変身。途端に評判の「小町娘」になって、錦絵にも描かれる始末。実はくノ一のお仙、人気が出ては困るのだ。ところが浅草にも美女・お藤が現れ、なんと二人の、幕府もひっくり返る大因縁が明らかになる。小町ブームに沸く江戸の町で伝説の秘剣が邪気を放ち、田沼の陰謀が渦巻く。お色気百倍の大江戸三部作完結編。 *「鹿男あをによし」 万城目学実は購入したのは去年の春。万城目さんの名前はあちこちのブログで目にしていたので、いずれは読みたいと思っていた。そんな折、出版されたばかりの『鹿男あをによし』が、どうぞどうぞ買って下さいなといわんばかりに本屋に並んでいた。見ればサイン本である。サイン本集めを趣味としているわけではないが、ないよりはあったほうがよい。黄金色のサインに目が眩み購入することと相成った。 でも、どうせならデビュー作から読んでみようと『鴨川ホルモー』を読み、次は鹿男と思っているうちに日が過ぎてしまったというわけだ。 「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。ちょっぴり神経質な彼に下された、空前絶後の救国指令!?「並みの天才じゃない」と金原瑞人氏激賞! 以下はネタバレ含む *「遠まわりする雛」 米澤穂信大好きなシリーズなので心ウキウキと読み始める。やっぱり米澤さん面白いな〜 血を流さない。殺人が起こらない。高校生の主人公たちが学校生活を過ごす中で遭遇する様々な出来事に謎と事件ありきだ。今回は入学の4月から翌年の3月まで、前3作で描かれなかった時間の隙間を埋めるような7つの短篇が並ぶ。 神山高校で噂される階段話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件ーーー *氷の花咲く日朝起きてカーテンを開けると窓に氷の花が咲いていた。 最低気温が−10度、最高気温も−4度までしか上がらない寒い一日。予報では来週もずっと最高気温零下の真冬日が続くらしい。緩やかに始まった冬だったが、新年を迎えて寒さが急激に増していくようだ。冷凍庫の中を歩いているみたいだなと、吐く息の白さに思う。 *「きのう何食べた? 1」 よしなが ふみ*「仏果を得ず」 三浦しをん文楽に出会い、精進の道をいく若き健太夫の成長を描いたこの作品も、健太夫に限らず、文楽に強き思いを傾け、その道を生きて生き抜く同輩、先人の姿が熱く胸を揺さぶる。 『風が強く吹いている』然り、しをんさんは人の内に渦巻き湧き上がる静かで熱い情熱を描くのが本当に上手い。 *「STAR EGG―星の玉子さま 」 森 博嗣自分の中ではミステリィ作家という印象が強い森博嗣さん、絵本も描いていたんですね〜 未読ではあるが『スカイ・クロラ』に始まる一連の戦闘機乗りシリーズを考えると、ちっとも不思議じゃない流れだ。だって本のタイトルが星の玉子さまなんだもの。飛行機乗りの視点から小説を書き、『星の王子さま』を書いたサン=テグジュペリのようで。当然それを意識しての遊び心なのかもしれない。 ところであらら、なにか余計なものがついているぞとよく見れば、王子が玉子になっている。点が多いよ、点が。まずここでクスリと笑える。いろんな人の訳で読めるようになったサン=テグジュペリの『星の王子さま』の、森さん版新訳かと思ったら違ったんだ。もとよりSTAR EGGとなっているではないか。 『星の王子さま』を森さん風に描いてみせたのがこのお話。文だけでなく絵もご本人である。 宇宙には、沢山の孤独と沢山の夢がある。 *あけましておめでとうございますあけましておめでとうございます! 降る降る予報にもかかわらず、大晦日元旦と札幌は穏やかな年末年始となりました。今日はやっと予報どおりの雪で新雪の白が目に眩しいばかり。雪のように真っ白な2008年を一日一日大切に踏みしめながら、今年も一年過ごしていきたいものです。 新年になってやっと2007年の読書を振り返ることが出来ました。その記事にも書きましたが、あまり本が読めなかった一年でした。今年もそんなに多くの本を読むことは出来ないと思いますが、皆さまと本を通じてお話させて頂けると嬉しいです。 TBやコメントの遅れもあるとは思いますが、どうぞ気長にお付き合い下さい。 2008年が皆さまにとって充実した一年でありますように。 今年もどうぞよろしくお願い致します。 | 1/1PAGES |
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