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*「カフーを待ちわびて 」 原田マハそれでもこの時期、北海道はまだ涼やかな夏で、ほてった身体を冷やしてくれる風のひんやり感が心地良い。なによりビールが美味しい!居ながらにして避暑地にいるようではあるが、日常を離れるという意味でほんとうの避暑に行きたいものだ。とはいえ、願望は叶いそうにない。仕方ない、ならば最も手軽な方法で避暑気分を楽しむとするか。 どこがいいかな、北から南の端へ、一度は行ってみたい沖縄にしよう。 沖縄の離島・与那喜島で、祖母が残した雑貨店を営み、のんびりとした日々を過ごす友寄明青(トモヨリアキオ)のもとに、突然やってきた美しい女性・幸。事の始まりは明青が旅先で冗談半分に残した一枚の絵馬だった。 嫁に来ないか。幸せにします。 リゾート開発に揺れる島に舞い降りた“美(チュ)らさん”と、島で生まれ育った不器用な青年のピュアなラブストーリー。穏やかで優しい気持ちになる1冊だ。 第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞。 *「荒野」 桜庭 一樹直木賞作品の『私の男』もその前の『赤朽葉家の伝説』も手元にありながら、読むきっかけを逸してしまい積読本と化す。ああ、もったいなや。エッセイは1冊読みました(こんなに面白い人だったとは意外)。桜庭さん読むぞと強く思う。が、なかなか手に取るきっかけが掴めない。 そんなこんなのうちに出た新刊。いや、まだ積読本があるしな、と買うことを躊躇していたある日。サイン本の平積みが!う〜ん、つくづくサイン本に弱い女である。おまけにかわいらしい小花のシールが貼ってあって、これってもしかして手作業ですか。この手作り感が素敵だな、と言い訳しつつ買いました。ちゃんと読みました。 山野内荒野、十二歳。恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作。 *「傀儡」 坂東 眞砂子傀儡 坂東 眞砂子 単行本: 445ページ 集英社 (2008/05) 坂東さんの本を読むのは久しぶりになる。ホラー小説を書いていた初期の作品は、ホラーとしての怖さよりも、土着的風習の匂いと女の情念が生み出す独特の雰囲気が好きでよく読んだが、作品の傾向が変わり始めたあたりからぱったりと読まなくなった。 この本も迷ったのである。この人の本だから読みたいという強い気持ちは遠い昔のことになっている。迷ったが時代は鎌倉だ。しかも傀儡という網野善彦がいうところの「まつろわぬ民」が出てくる話。結局、このふたつへの興味には抗い難かったということだ。 では、いざ、いざ鎌倉へ! 鎌倉時代、自らの顔の肉を削ぎ、北条氏への呪いの言葉を残して、山中へ消えていった武者がいた。九年後、関本宿近くの墓場を通り過ぎた傀儡女は、暗い穴のような瞳を持つ瀕死の女と出会う。傀儡女と一夜を過ごす、鶴岡公暁と名乗る武者。 *「タタド」 小池 昌代タタド 小池 昌代 単行本: 158ページ 新潮社 (2007/07) 昨日図書館で借りてきた本。 しこたま買い込んだ積読本が山とあるから、わざわざ図書館でまで本を借りなくてもいいようなものだが、これが本屋だと本を選んでお持ち帰りとなると、本の重みが増すごとにお財布は軽くなる。図書館ならば本の重みだけが増えるのがよいところである。手にした時の本の重さが好きなのだ。言葉の重みでもある。それを自分はどのように受け止めるのだろうか。手に触れるずしりとした期待が心地良い感覚を呼ぶ。 小池昌代さんは「裁縫師」を読みたいというのがあって、心に止めておいた名であったから、違う作品だけど読んでみようかなという気が起きた。 読んでみると文章のリズムとか、作品の持つ雰囲気とか、自分の好みにぴったりくる。みつけた。嬉しさに顔がほころんでしまう。この一冊が特別なのか、この作家が特別なひとりになるのか。他の作品を読むのはいずれまた。 20年連れ添った夫婦とそれぞれの友人。50代の男女4人が、海辺のセカンドハウスに集う。倦怠と淡い官能が交差して、やがて「決壊」の朝がやってくる-。表題作のほか「波を待って」「45文字」を収録した短篇集。 *「凍える島」 近藤 史恵凍える島 (創元推理文庫) 近藤 史恵 文庫: 277ページ 東京創元社 (1999/09) 近藤史恵さんのデビュー作は、クローズ・ド・サークルというミステリーではオーソドックスな手法を用いて、お決まりの連続殺人のみならず、無人島で7日間をともに過ごすことになった、大人の男女の複雑な恋愛心理を巧みに絡ませた作品である。 これは古典的ミステリーなのか。無残で哀しい恋愛小説なのか。 無人島とはこれまた古風な―とは言い条、お得意ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店“北斎屋”の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。数年前には新興宗教の聖地だったという島で、八人の男女が一週間を共にする、しかも波瀾含みのメンバー構成。古式に倣って真夏の弧島に悲劇が幕を開け、ひとり減り、ふたり減り…。由緒正しい主題をモダンに演出する物語はどこへ行く。 第四回鮎川哲也賞受賞作 *「木洩れ日に泳ぐ魚」 恩田 陸木洩れ日に泳ぐ魚 恩田 陸 単行本: 263ページ 中央公論新社 (2007/07) 魚のように水の中を泳ぎたい。どんなにか気持ちがいいだろう。押し寄せる夏の熱気が肌にまとわりつくのが煩わしい。本を手にした時、これはきっと涼やかな話に違いないと思っていた。水を欲する魚のような気分のいま読むにはうってうけの本、だろうと。 (恩田さんの本にさわかや系ってあったっけ?) 一組の男女が迎えた最後の夜。明らかにされなければならない、ある男の死。それはすべて、あの旅から始まった――。運命と記憶、愛と葛藤が絡み合う、恩田陸の新たな世界 | 1/1PAGES |
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