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*「多読術」 松岡正剛これは正解だったようだ。松岡氏はこの本の中で目次に目を通すことをおススメしている。 本はたくさん読めたらいいなと思っている。でも、望み通りにたくさん読めているかというとそうでもない。世の中の多読家の方に比べるとなんともはやなへなちょこぶりだ。ならば少ない中で精読熟読し深く理解しているかといえば、胸を張って「はい」とも答え難しなのだ。 本は読む。本を読むことは好きだ。うん、これなら言える。よかった(笑) 「多読術」を会得したいと思って買った本ではない。松岡正剛氏は編集者、『千夜千冊』の著者としての名前よりも、あとで書くがある人を介して強く印象が刻まれている人なのだ。これは個人的な思いの一面であって、『千夜千冊』を読むとただただ凄いなぁとため息が出てしまうのである。 『多読術』は活字中毒者を自称する松岡氏が、聞き手の問いに答える形で読書について語った本だ。自身の読書遍歴や読書に対する考え方が多様に展開していて共感することも多い。またこれは実際自分でも使ってみたい思った読書ツールもある。なにより本はこう読むべしというスローガン的なものがなく、自由に好きに読めばいいという考えが基本にあることにほっとする。 もとより3冊同時に読めとか、毎日1冊読めとか言われてもできないけどね。 読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介。本書を読めば自分に適した読書スタイルがきっと見つかります。読書の達人による多読のコツを伝授。 *「スノーフレーク」 大崎 梢なんであれ雪に関する諸々に惹かれてしまう。雪の本は気にかかる。雪の結晶が使われたグッズとかも手にしては買うに迷う。ネット上のかりそめの名に雪の字を使っているくらいだし、この分身ブログの元となった本体は「snowflakes」という名だった。本物の雪片と同じく、言葉で綴った雪の欠片たちは目的が終り消えてしまったが、この物語の主人公真乃の幼なじみ速人は、「溶けない雪の欠片を見にいこう」と約束したまま小学生の時に亡くなってしまう。 溶けない雪の欠片?それはいったい…… 函館から進学で東京へ行くことが決まった高校三年生の真乃。忘れてしまおう、ふと彼女が漏らした決別の言葉。時を同じくして速人によく似た青年・勇麻が目の前に現れる。 もうひとりの幼なじみ亨、真乃、勇麻、三人を結びつける過去の真相。一家心中、ひとりだけ見つからなかった速人の遺体。もしかして生きているのか。 過去が現在に繋がった時に味わうほろ苦いせつなさを描いた青春ミステリー。 *LOVEだねぇあ、これは!! 勘一おじいちゃんとサチおばあちゃん、若かりし頃のお話。 咲智子がいかなるわけで堀田サチになったか。 カッコイイ勘一、かわいいサチ、いわく有り気な面々。 面白かった〜 感想は近いうちに、の予定。 *「いっちばん」 畠中 恵所帯を持って自分の店を出し独立した兄の松之助。幼馴染みの栄吉は他の店へ菓子作りの修業に行っている。それぞれが道を定め歩き出した中、己ひとりが今日も元気に寝込む有様で我が身のことさえままならない。ひとりぽつねんと取り残されたようで寂しさもある一太郎。 さて、どうしたものか。どうするものか。気になる若だんな一太郎のその後。 摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若だんな・一太郎に持ち込まれるは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件。お馴染みの妖がオールキャストで活躍する「いっちばん」、厚化粧のお雛ちゃんの素顔が明らかになる「ひなのちよがみ」の他三編を収録。大人気「しゃばけ」シリーズ第七弾。 *観る・かもめ食堂
フィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」を経営するサチエ。ひとりの客も来ない日から始まって、偶然知り合い家で同居することになるミドリ、飛行機に預けた荷物が届かないマサコ が店のスタッフに加わり、第一号の客で日本オタクの青年、コーヒーの美味しい淹れ方を教えてくれる謎の男性、主婦(たぶん)3人組、夫の悩みを抱える女性と、マサコの周りに、店の中に人がどんどん増えていく。 北欧の澄んだ空気と明るい風景。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、三者三様の雰囲気が醸し出すマイペースな空気の不思議な面白さと安堵感。 淹れ立ての美味しいコーヒーの香りがするようだ。 丁寧に焼かれる鮭の香ばしさ、刻まれる野菜の音、サチエが料理するシーンを観ていると、普段食べることに粗雑になっていやしないかとふと思ってしまう。 「かもめ食堂」のメインメニューはおにぎり。 ひとつひとつ手でしっかり握られるおにぎり。ほかほかの白いご飯に海苔の黒。ご飯の中には鮭やおかかといったシンプルな具材が収まっている。おにぎりがこんなにも食べたくなる映画もそうないだろう。おにぎり食べたい!映画を観ながら何度も思う。お米はある。海苔もある。鮭に梅に鰹節、ある。いまが満腹でよかったと、これまた思う。 とりたてて大きな事件や出来事が起こるわけでもなく、どちらかというとストーリーは平坦に展開していく。食べることはごくごく日常の生活に根ざす行為。ゆるりとした流れが心地良く、遠いフィンランドを舞台にしているにもかかわらず、食べることで繋がっているような親しみを感じる映画だった。 監督:萩上直子 出演:小林聡美 片桐はいり もたいまさこ 2006年3月 日本 2009年5月23日観る *「三匹のおっさん」 有川 浩三匹の子豚とか三匹の侍とか三匹ものはいろいろあれど、還暦を迎えてなお意気軒昂、年寄り扱いなんざごめんこうむるという活きのいい、武闘派ふたりに頭脳派ひとりのおっさん三匹が、“地域限定正義の味方”となって悪に立ち向かう。 「三匹のおっさん」とは…定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。 *観る・Sweet Rain 死神の精度 金城武さんにはつい先日もお会いしたばかり。とはいってももちろんご本人にではなく、映画館のスクリーン上、諸葛孔明にである。智略の天才軍師・孔明と死神・千葉、設定はまったく異なるものの、ちょっとユーモラスでおちゃめな(高名な軍師さまにこの表現を使ってもいいものか悩むが)部分が垣間見えて、金城武の笑顔に軽くノックアウトされそうになった。 監督:筧昌也 *観る・オリヲン座からの招待状
冷え切った空気が漂う夫婦宛てに届いた1通の招待状。 回想の中に浮かび上がる懐かしき佇まいの映画館、オリヲン座。 幼い頃の祐次と芳枝が一番の遊び場として時を過ごした映画館の閉館興行を知らせる招待状だった。 亡き夫の残した小さな映画館を守り続けてきたトヨ(宮澤りえ)と、彼女を支え続けてきた夫の弟子留吉(加瀬 亮)、ふたりの映画を愛する強い思いと、胸の奥深くに秘められ続けた純愛を描いた作品。 いくつか『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い起こさせる場面があったものの、こちらはあくまでもトヨと留吉が主軸。 視線は飛び交うホタルの光を追ったまま、重なる手、温もり。見詰め合うのではなく、同じ方向を向いて歩いていくふたりの関係がよく表れている美しいシーンだった。 留吉がトヨをおんぶするシーンが出てくる。足を怪我した若い日、残された日を前にしての帰路。病院のベットの傍らでトヨを見守る年老いた留吉を見た時、父の姿が重なった。夫婦であってもなくても、長い年月をともに過ごしてきた者同士だけが共有する、他者が立ち入る余地のない確かな絆を見たように感じた。 2009年5月9日観る 監督:三枝健起 出演:宮沢りえ 加瀬亮 宇崎竜堂 中原ひとみ 樋口可南子 田口トモロヲ 原田芳雄 2007年11月 日本 *観る・キッチン・ストーリー
印象自体は淡々としてどちらかといえば地味。ところがふとした折にもう一度観たいという思いが湧きあがってくる映画がある。何度となく。 きっとこの映画も忘れているようで忘れられない映画になりそうだ。 1950年代、スウェーデンの家庭研究所では独身男性の台所での行動パターンを調査することになった。車にトレーラーハウスを繋げた調査隊の列が国境を越え、調査対象の住むノルウェーの田舎町へ向かう。自国ではなくなぜお隣の国へわざわざという疑問はおいておくとして、調査員フォルケと年老いたイサクとの奇妙な日々が始まる。 調査には対象者と言葉を交わしてはいけない、生活に干渉してはいけないなどのルールがあった。スウェーデン人のフォルケとノルウェー人のイサク。国も年齢も違うふたりの交流を、ユーモアを交えて描いたちょっぴりせつない作品。 *「ブラザー・サン シスター・ムーン」 恩田 陸3人の登場人物がそれぞれの視点で自分達の大学生活を振り返る本作。4年間が社会へ出る前の猶予期間、インターバルであることを彼らは充分にわかっている。もちろんそれなりの不安はあるし、苛立ちのようなものもないわけではない。 とはいえ、繊細な脆さは高校時代を描いた作品より薄まっているようにみえた。ひとり社会の大海へ泳ぎ出す距離が、実感として測れるほどに近くに迫っているからなのだろうか。夢想より現実感が増していく。リアルさをどこかで受け入れつつある、もう子どもじゃいられない。 青春小説である。でも、『夜のピクニック』の香りを期待して読むと、肩透かしをくらった気分になるのではと思う。 ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを―― | 1/2PAGES | >>
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