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*秋の減量作戦どうにもこうにも増えるいっぽうの本の置き場に困り、減量作戦に取り組んでいる。自分の減量作戦はさておき、まずは本の減量作戦が急務なのだ。 本の置き場所と自分の寝る場所どっちを取るの?ねぇねぇ、どっち?とこの先本に責められる前に先手を打っておかなければいけない。 100冊くらいが理想かな。 『ガラスの仮面』を保管候補にいれるともうそれだけでけっこうな冊数。それじゃ漫画は別にしてと考える(まるでスイーツは別腹の秋の食欲みたいだ) 再読必至の必至本。眺めているだけで癒される和み本。時々パラパラと読みたくなるパラ読み本。とにかく大好き愛蔵本。なにかと理由をみつけては迷う。 迷える子羊への天の暗示なのか、今日本屋で思いがけない本に出会った。 ル・グィンの『所有せざる人々』の文庫本だ。 この作品は同じ作者の『闇の左手』と同様に、ヒューゴー賞とネビュラ賞のふたつを受賞している。 『所有せざる人々』とF・ハーバードの『デューン砂の惑星』は同じ頃に読んで、価値観や考え方にガツンと一撃をくらった作品なのだ。いつか再読してみたいと思っていたので文庫が手に入ったことが嬉しい。 減量作戦はどこへ行った? 所有するべきか、所有せざるべきか、それを迷う子羊であった。 *「刻まれない明日」 三崎亜記30年に一度起る町の「消滅」を描いた『失われた町』から3年、残された人々の10年後を描くこの長編は待ちに待ったというか、続編が出るとは思っていなかったので思いがけなく嬉しい。またあの世界に帰っていけるのだから。 「開発保留地区」―それは十年前、3095人の人間が消え去った場所。街は今でも彼らがいるかのように日々を営んでいる。あの感動から3年―“失われた時”が息づく街を舞台に描く待望の長編。 *「シネマ食堂」 飯島奈美ポツ ポツ ポツと間延びしたように屋根を打つ雨の音。 そういえば最近観たばかりの『ことの終わり』では雨のシーンが多かったなぁ。原作はグレアム・グリーンの『情事の終り』である。本の中に出てくる玉葱スープを食べながら交わされる会話が好きで、映画の玉葱シーンはちょっと緊張しながら観る。夫が好まない玉葱料理を、いままさに恋に落ちようとしている男と女が食べるのは、いかにも共犯めいた匂いがする。そして、玉葱の匂いを嗅ぎ取る夫。この玉葱の匂いがけっこう重要なことだったのだと、最後の夫の告白に思ったり。 今夜は映画の感想を書こうと思ったわけではなかった。 いつものように本ぶら(注:本屋の書棚をぶらぶらと巡り歩くの意)していて見つけたのがこの本、『シネマ食堂』なのだ。大好きですよ、こういう本。表紙の真っ白なお皿の上にのっかっているのは、『かめも食堂』のシナモンロール。ああ、食べたい!実はいまちょっとお腹が空いている(笑) フードスタイリスト・飯島奈美さんが『AERA』」に連載していた「シネマ食堂」を一冊にまとめたのが本書。 映画に登場した料理70品。写真を見ているだけで映画のシーンが浮んでくる。食べることは生きるためだけでなく、喜怒哀楽に揺れ動く人生を彩る大切なもの。レシピがついているので映画の中で彼らが味わった料理をお望みとあらば作ってみることもできるし、見ているだけでも楽しい。 「かもめ食堂」のおにぎり、「アメリ」のクレームブリュレ、「ガープの世界」のローストビーフ、「めがね」の氷あずき、「ニュー・シネマ・パラダイス」のグリーンサラダなどなど。 いつの間にか空が高くなって季節はすでに秋だ。 ブログも模様替えしてみた。ブログタイトルの背景に使ったのは着物の帯。 | 1/1PAGES |
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